駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[投資本] 生涯投資家 (村上 世彰)

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村上ファンド村上氏の本。村上ファンドの活動について書かれた箇所が半分、コーポレートガバナンスについて持論を述べた箇所がもう半分という構成。

どの会社の誰に会ってどういう提案をしたというのが時系列で細かく書かれていて、アクティビストの活動を窺い知れるのがおもしろい点でした。ニッポン放送の件では、株を買い始める前の段階で、ニッポン放送、フジテレビ、産経新聞のキーマンの間をくるくると行脚して根気強く提案をしていたりします。人知れず市場で株を買い集め、突然現れて議決権を振りかざして乗り込んでいくみたいなイメージがあったのですが、少なくとも村上ファンドはそれとはだいぶ違ったようです。

コーポレートガバナンスについての箇所は、少なくとも株主視点では真っ当なことが書かれているように思うし、実際に近年の日本のマーケットはここに書かれているような方向に変わってきました。ただ、企業がため込んだ自己資本を株主に返す→資金の循環がよくなる→日本経済がよくなる、という主張はちょっと短絡的すぎるように感じられます。

投資方法

  • 期待値を重視して投資判断をする。多くのファンドはゼロになる可能性がある場合や負ける確率が5割を超える場合に投資をしないが、村上氏は期待値が1.0を大きく超えさえすれば投資をする。
  • IRR(内部収益率)も重視する。IRRが15%であることが基準。
  • 期待値とIRRに加えて相手の商習慣や国ごとに政治的リスクも踏まえて最終的な判断をする。
  • 投資家として大事なことは、失敗したと気が付いたときにいかに素早く思い切った損切りが出来るか。下がり始めたら売る決断をいかに速やかに出来るか。

[今週のトレード] 2019/01/11

今週の資産推移は+3.2%(+155万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+4.0%、マザーズ指数が+7.6%と指数に対してアンダーパフォームでした。

昨年末の急落から一転してリバウンドの週。世界的に株高で、主要国の指数は軒並み上げました。小型新興も強かったですが、バイオとIPOが盛り上がって他のセクタはそれなりという相場で、駄犬のポートフォリオにはいまいち恩恵がなかったです。それにしてもあれだけ悲観的だったところからあっさり戻していくので拍子抜けという感じ。

ポートフォリオで上げたのはエヌリンクス(+31.1%)、月島機械(+9.3%)、ドリームインキュベータ(+9.0%)、シンポ(+8.4%)、パソナ(+7.0%)。下げたのは多木化学(-7.8%)、ゲオ(-4.9%)、三精テクノロジーズ(-2.8%)、マツオカ(-2.2%)でした。

今週の取引

2681 ゲオ (-376,428)

買い玉を手仕舞い

直近の値動きが悪いこと、Twitterでフォローしてる上手い人がショートしてたことから売りました。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 50,658,913円
  • 前日比 +868,012円 (+1.74%)
  • 月初比 +1,991,281円 (+4.09%)
  • 年初比 +1,991,281円 (+4.09%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] 一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学 (cis)

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言わずと知れたcisさんの本。株の本というよりは自叙伝という感じで、主に自身の半生や価値観について書かれています。トレード手法については言及されているものの抽象的な内容ですし、この本を読んだところで真似できるようなものでもありません。株で勝つために読むと肩すかしでしょうけど、相場をやる人はおもしろく読める本だと思います。cisさんの考え方の移り変わりは興味深いですし、ジェイコム事件など有名な出来事についても書かれています。

最後まで読んで感じたのは、短期トレードで勝てるのはこういう人なんだ、自分はこういうふうにはなれない、ということ。値動きから豊かな情報を取り出して、ごく短い時間で判断して注文を出す能力というのは個人の資質によるところが大きく、同じツールを使って同じチャートや板を見たとしても、ぼくとcisさんでは見えるものがまったく違うだろうし、それは言語化しづらいものなのでしょう。ぼくが今から将棋を始めてもプロ棋士にはなれない。それと似たようなところがあるのだと思います。

あとは、よく勉強していて豊富な知識があるということで、相場の動きに対してアイディアが出てくるのは知識によるところも大きいんだなということ。勉強するのは凡人でもできるので、こちらは自分も頑張ろうという気持ちになりました。

cisさんの相場歴

  • 元手300万で株を始めた
  • ファンダメンタルズ重視で割安な株を買っていたら、最初の2年半で104万まで減らした。結局1000万くらい負けた
  • 株価が割安というのは主観にすぎず、公開された情報の分析では優位性がないと気づいた
  • 2chのオフ会での交流がスタイルを変えるきっかけになった
  • 値動きを見て勉強し、小型株の短期トレードに切り替えて勝てるようになった
  • 総資産が6000万のときにサラリーマンを辞めて専業になった
  • そこからはだいたい勝ち続けて現在に至る

トレードについて

  • 基本は順張り。「上がり続けるものは上がり、下がり続けるものは下がる」
  • 株が上がったり下がったりするのには理由がある。その理由はわからなくても株価の動きは明確な事実。マーケットの潮目に沿って行動するのがいちばん勝つ可能性が高い。
  • 株価の動きに勝手な予想をしない。どこまで上がるか(下がるか)は誰にも分からない。
  • 株価がある程度下がったら売る。2度目の押し目で売ることが多い
  • 押し目買いをやらない
  • ナンピンは最悪。失敗しているのにロットを増やすのは矛盾している
  • 損切りのラインは決めず、一時間後に今より下がっていると思ったら売る
  • リスクヘッジはしない。リターンを求めてリスクを取っているのに、そのリスクを分散させるためにコストを使うのではリターンを薄めるだけ。
  • 長期投資はやらない

[今週のトレード] 2019/01/04 大発会

今週の資産推移は+0.9%(+44万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.5%、マザーズ指数が+1.8%と指数に対してまちまちでした。

今週は金曜日の大発会のみで1日だけ。日本が休場の3日間でダウが2%くらい下げて、GDからスタートするも底堅い値動きでした。特に小型新興は強かったですが、上がっているのはクソ株ばかりでこれ続くのかなという感じ。大発会の夜に雇用統計の発表があり、強い数字が出たこととパウエル議長がマーケットに配慮した発言をしたことで一気にリスクオン、日経平均先物は+620円の20100円で引けました。

年初から激しい値動きで、短期的にマーケットがどちらに動くのかまったくわからないです。「われわれは市場や金利や景気の一年後について意見を持ったことはない。現在も持ってないし、将来ももつつもりはない」というバフェットの言葉を思い出します。どちらに動いても大丈夫なようにエクスポージャを管理するしか自分にできることはないです。しばらくはこんな感じなんでしょうね。

今週の取引

6736 サン電子 (+360,828)

買い玉を手仕舞い

1日S高で張り付いて、次の日に寄ったところで手仕舞い。材料に飛びついただけで長く持つつもりじゃなかったので。こういうの取れると気持ちいいですね。

5903 シンポ (-)

新規に買い玉を立てて持ち越し。

無煙ロースターの会社。焼肉ライク(今後伸びそうな一人焼肉のチェーン店)に無煙ロースターを納めていること、財務が強いこと、内需向けの事業内容でシクリカルじゃないこと、業績が安定してることから買いました。焼肉ライクは経営者が今後5年で300店舗を展開すると言っていて、この数字自体は眉唾だなと思いつつ、業績への寄与を期待して買われないかなという思惑があります。いきなりステーキがもてはやされた記憶もまだ新しいので注目されないかなと。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 49,105,577円
  • 前日比 +437,945円 (+0.90%)
  • 月初比 +437,945円 (+0.90%)
  • 年初比 +437,945円 (+0.90%)
現物

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信用

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先物

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2018年ふりかえり (2) 2019年にむけて

2018年も厳しい相場でしたが、2019年もリセッション懸念はあるわ消費増税もあるわで楽観はできなさそうです。とはいえ足下では調整が進んで、少なくとも指標的な割高さはだいぶ解消され、ここからの下値は限定的と思えます。

2019年も大きめに買いポジションを持って、急落局面ではヘッジで凌ぐという今のやり方を続けていくつもりです。でもマイナーチェンジくらいで変えたいと考えてる箇所もあります。

小型新興から大型にシフトしたい

2018年はマザーズ指数が-34.1%も下げて、大型IPOソフトバンクとメルカリもこけて、個人投資家の資産は大きく毀損したはず。Twitterやblogを見ていてもセンチメントが悪くて、小型新興の値動きには期待しないほうがよいと感じます。2018年の終わり頃は、ごく一部の銘柄(直近IPOやサンバイオなど)に資金が集中して局所的に盛り上がって、それ以外の銘柄は自由落下していくという光景が常態化していました。当面はこの傾向が続くと思っておいたほうがよさそうです。

2018年の損益を集計すると、小型新興の中長期のポジションで負けが嵩んでいる傾向があり、来年も同じように食らうとまずいなと思っています。今のポートフォリオは小型新興の割合が高く、大型株の割合を増やしたい。特に最近は業績や財務の裏付けに乏しい銘柄の下げがきつく、たとえばかつて人気を集めたCYBERDYNEやユーグレナが悲惨なことになっています。しばらくはこういうやつをポートフォリオに入れないようにします。

マザーズ指数をヘッジに使いたい

2018年はヘッジに日経平均先物を使っていましたが、大型が相対的に強くて思ったほどヘッジにならないことがありました。12月は日経平均が-10.5%に対してマザーズ指数が-19.7%と下げ幅が倍くらい違いましたが、これだとポートフォリオの新興株のマイナスに対して日経平均先物のプラスがさほど寄与しない。blogを見るとマザーズ先物をヘッジに使っている人がちらほらいて、機能しているように見えるので、試しに使ってみたいと思っています。マザーズ先物、見ていると板が薄いし出来高もあまりなくて不安に感じますが、まずは小さいポジションでやってみます。

ヘッジの方法に限定せず、ポジション管理というか、ポートフォリオの理論的な勉強もしたいと思っています。

2018年ふりかえり (1) 成績、勝った銘柄、負けた銘柄

成績

資産 TOPIX マザーズ指数
2018/01 +12.4 +1.1 +6.6
2018/02 +6.8 -3.7 -5.7
2018/03 +3.8 -2.9 -2.7
2018/04 +1.3 +3.6 -5.3
2018/05 +4.9 -1.7 -0.6
2018/06 -2.4 -0.9 -4.0
2018/07 +2.7 +1.3 -4.7
2018/08 +8.0 -1.0 +0.9
2018/09 +5.4 +4.7 +2.7
2018/10 -3.9 -9.4 -15.8
2018/11 +5.8 +1.3 +11.4
2018/12 -11.2 -10.4 -19.7
2018トータル +36.1 -17.8 -34.1

2018年の成績は+36.1%でした。年初の資産額3577万円に対して、年末の資産額が4867万円となりました。

今年はとにかくツラかった記憶が多く、終わってみれば出来すぎの成績と感じられます。2月、10月、12月と3回の急落局面があり、12月には5575万円から4094万円と26.6%のドローダウンがありました。

今年もっとも印象に残っているのが2/6のVIXショックです。寄りからの小型新興の崩壊っぷりに気力をなくして職場にタクシーで向かい、途中の渋谷あたりの高層ビルを眺めながら「これからどうなるんだろう」と不安でいっぱいだったのをよく覚えています。この日の資産推移は結局-9.97%でした。

昔のような買いのみの信用フルレバでやっていたら、今年の相場ではおそらく資産を全損して退場していたでしょう。生き残るどころか今年をプラスで終えられたのは自分の成長を感じます。ただ今年のパフォーマンスは明らかに実力以上ですし、まだ学ぶことがたくさんあります。

勝った銘柄、負けた銘柄

実現損益トップ

銘柄コード 銘柄名 実現損益
4235 ウルトラファブリックスHD 1,975,748
3966 ユーザベース 1,936,151
3983 オロ 1,816,117
3930 はてな 1,773,771
8111 ゴールドウイン 1,747,750
3182 オイシックス・ラ・大地 1,252,010
3491 GATECHNOLOGIES 868,555
8118 キング 863,213
6357 三精テクノロジー 859,739
7192 日本モーゲージサービス 857,860

トップ1のUFHDは2月に弱い業績予測を出して売り込まれたところを4000株まで買って、その後に値を戻していくのを10ヶ月くらいかけてスライスして売ったもの。

ユーザベース、オロ、GAテクノはIPO後の良さそうな銘柄を買ってうまく上がってくれたパターン。はてなと日本モーゲージは業績の伸びを期待して買って好決算で上がったパターン。ゴールドウィンはスパイバーのIPO思惑で買ったら上昇トレンドに乗れた。三精テクノロジーズは業績期待で買ったら大阪万博でテーマ化した。オイシックスは業績期待で買ったらドコモの資本連携など材料が出た。キングは自社株買い。

実現損益トップの銘柄はパターンが多様で、買った狙いと違う理由で上がったりもしています。

実現損益ワースト

銘柄コード 銘柄名 実現損益
3688 VOYAGEGROUP -2,926,208
7809 壽屋 -2,002,338
4310 ドリームインキュベータ -1,961,011
6298 ワイエイシイホールディングス -1,596,162
6578 エヌリンクス -1,466,030
6332 月島機械 -1,053,924
8202 ラオックス -939,468
3434 アルファCO -798,513
5208 有沢製作所 -791,245
2168 パソナグループ -743,634

ワースト1のVOYAGEは電通との資本提携のリリースが出た後で買って、その後の下落を食らいました。5000株×600円で300万くらい。自分には本当にすばらしい材料に思えたんですが、株価はアホみたいに下がっていきました。後からアセットマネジメントOneが大量保有報告書を出して、ガッツリ売ってたのがわかってあーって思ったし、他にも需給の要因がいろいろあったんでしょう。

有沢製作所は決算ギャンブル。ラオックスデイトレパソナはアクティビストファンドが買っているという思惑で。残りの銘柄はいずれも業績の伸びを期待したけどダメだったパターン。今年はコンセンサスかちょい上くらいの決算では売られる相場でした。

全体を通して見ると、自分で自信を持って買った銘柄がプラスになっているかというとそうではなく、むしろ自信があると株価が下げても引っ張ってしまうので、損失が膨らんでいる感じがします。VOYAGE、ドリームインキュベータ、ワイエイシイがそうですね。上げ相場だと引っ張っても報われることが多いけど、もうそういう相場ではなくなっているので、ちょっと考えないとなあ。

[今週のトレード] 2018/12/28 大納会

今週の資産推移は+6.6%(+302万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.4%、マザーズ指数が+0.2%と指数に対してアウトパフォームでした。

ついでに今月の資産推移-11.4%(-627万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-10.4%、マザーズ指数が-19.7%と指数に対してまちまちでした。

先週に引き続き年末相場とは思えないボラティリティでした。週明け12/25に日経平均が-5.0%、マザーズも-6.7%と崩壊するも、12/26夜に休場明けのダウが+5.0%と強烈に上げて、そこからは日本もリバウンドの流れ。ダウの+1086.25という上げ幅は過去最大でした。とにかくボラティリティが大きく不規則に動くしんどい相場が続いています。

ポートフォリオでは、多木化学(+23.1%)、まんだらけ(+9.2%)、三精テクノロジーズ(+8.9%)、UFHD(+8.5%)、VOYAGE(+7.1%)あたりが上げて、DI(-11.4%)、マツオカ(-6.7%)が下げました。

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今週は火、水、木と仕事があってザラバを見れず、積極的なトレードはできませんでした。出勤までの時間で少しずつ枚数を減らして、買いポジションのサイズは先週末の7576万から6204万になりました。あとは12/25の引け後にもう下げすぎだろうと思って先物のヘッジ売りをいったん外して、12/28に立て直しました。これはナイスな判断だった。あとは12/25が節税クロスの最終日だったので、一気に損だしをして500万くらい損失確定。これは目先の税金を減らせてよかった。

ようやく今年も終わったので、正月休みで取引履歴を見直して、来年のことを考えたいものです。

今週の取引

3662 エイチーム (-171,295)

買い玉を手仕舞い

強い理由で買ったわけじゃなかったので暴落の日に売りました。

6736 サン電子 (-)

新規に買い玉を立てて持ち越し。

子会社を売却するというニュースを見て寄りで買って、S高に張り付いたので持ち越し。枚数が小さかったのが残念ですが、厳しい月の収益に少しだけ貢献してくれてます。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 48,667,632円
  • 前日比 +1,366,169円 (+2.89%)
  • 月初比 -6,266,004円 (-11.41%)
  • 年初比 +12,898,480円 (+36.06%)
現物

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信用

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先物

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