駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[投資本] 敗者のゲーム (チャールズ・エリス)

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ざっくり言うと、「アクティブな投資をしても勝てないからインデックスファンドを買いましょう」ということを1冊かけて述べた本。

著者のチャールズ・エリスは資産運用のコンサルタント。 訳者の解説によると、初版がアメリカで発行されたのはなんと1985年です。駄犬が読んだのは第四版で、2002年に改訂されたもの。今では第六版まで出ているようです。改訂では統計データなどが更新されていますが、本書の要旨は変わっていないとのこと。

本書で語られることを要約すると以下のような感じです。

  • アクティブなファンドのほとんどはインデックス(S&P500)に勝てない
  • 市場予測は難しく、特に短期的な未来を予測することはできない
  • 個人投資家はあれこれと短期的な取引をせず、長期的な資産形成をするべきである
  • ポートフォリオによってリスクに対する収益を最大化できる
  • よってインデックスファンドを購入し長期保有することを勧める

内容は説得力に富んでおり、インデックス投資をやらない駄犬にとっても面白かったです。ただし、すでに知っていることの繰り返しのようにも思えました。最近ではインデックス投資を推奨する本やWebの記事はほんとうに大量にあります。効率的市場仮説について述べたものもたくさんあります。それらをいくつか読んだことのある人であれば、おそらく本書の内容に新鮮味は感じられないでしょう。きっと本書や『ウォール街のランダムウォーカー』のような古典的名著の内容を引き写す形で、たくさんの本や記事が書かれているんでしょうね。

上の箇条書きを見て「知っていることだな」と思ったのであれば、本書を読んでも新しい発見はないかもしれません。また、インデックス投資に興味のない人も読む必要はないかも。1985年にこの内容を書いたというのは、インデックス投資全盛の現在を先取りしていてすばらしい先見性と思いました。