駄犬の株ログ

日本株やってます。主にスイングトレード、少しだけデイトレード。

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[投資本] 板情報トレード (リチャード・ワイコフ)

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リチャード・ワイコフは1900年代初めに活躍した株式トレーダー。本書は100年以上前に書かれたもので、ティッカーテープを用いたトレード手法について述べています。

ティッカーテープとは銘柄、約定価格、数量が時系列に記載されたテープで、現在の株トレードの言葉で言うと歩み値にあたるものです。タイトルに「板情報」とありますがこれはミスリーディングで、今で言う板、つまり現在価格を中心として価格と注文数量が並んだ表形式のやつはまったく出てきません。

本書からティッカーテープの例を引用します。左側の数字が出来高、右側の数字が約定価格ですね。

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内容としてはティッカーテープの読み方とトレード手法について半分くらいのページが割かれており、あとは今で言うチャートを使ったテクニカル分析の手法、トレードのメンタル面について言及されています。

投資手法

肝心のティッカーテープを用いたトレード手法ですが、ざっくりいうと以下のようなものです。(本書で使われる言葉のままだとわかりづらいので、今の株トレードで使われる言葉に置き換えます)

まず、ワイコフは大口の動向には一定のパターンがあり、歩み値からそれを読み取ることができるといいます。

株価つり上げを狙った操縦は全部で三段階から成っている。それは、①アキュミュレーション、②マークアップ、③ディストリビューション―である。押し下げの場合には、ディストリビューションから始まって、マークダウン、アキュミュレーションという順番となる。この三段階のうち、どれが欠けても目的は達成できない

リチャード・D・ワイコフ;鈴木敏昭.板情報トレードPanRollingLibrary(Kindleの位置No.1172-1175).パンローリング.Kindle版.

そしてパターンを読み取る方法ですが、(1) アップティック/ダウンティックの比率、(2) 出来高の2点に着目します。

(1) については、単純にアップティックが多ければ強い動き、ダウンティックが多ければ弱い動きとします。書中では値段をつり上げたい参加者がどのように注文を出して、その結果どのような歩み値ができるかを具体的に述べています。

(2)については、ある値段が抵抗線となって、売り買いが交錯して大きな出来高ができたときが転換点になることが多いといい、以下のように具体的な数字も挙げています。

ユニオン、レディング、USスチールといった銘柄では、この種の転換点が形成されるとき、普通二万五〇〇〇~五万株の出来高が現れる。つまり、上昇や下落に対して抵抗に遭い、その潮の流れをせき止めるためには、だいたいそれほどの量が必要になるのである。

リチャード・D・ワイコフ;鈴木敏昭.板情報トレードPanRollingLibrary(Kindleの位置No.1106-1108).パンローリング.Kindle版.

また、普段閑散としている銘柄に突然大きな出来高があらわれたときは「投機の動きの前触れと見る」ことができるといいます。

セクタごとの主導株、関連株の関係にも注目し、主導株が動いたのに関連株にその値動きが拡がらないときは株価操作の疑いがあるとします。

まとめ

本書には歴史的な価値がありますし、短い本なので空いた時間にさっと読むには悪くありません。現在でも鉄則とされている投資のルールと100年前の本書にどれくらい共通点があるかを確認するのはなかなか面白いです。たとえば「トレードの初心者は小さな資金で始めること」「ナンピンをしてはいけない」といった記述は本書にもあります。

しかし、2019年に株で勝つために読む本ではないでしょう。現在のトレーダーが参照できる情報は当時とあまりにも違っていますし、マーケットの参加者の顔ぶれも変わっています。当時はアルゴなんていなかったわけですからね。あくまで歴史的な読み物として読む本だと思います。