駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2021/1/22

今週の資産推移は+2.5%(+326万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.0%、マザーズ指数が+6.1%と指数に対してまちまちでした。

警戒ムードだったバイデンの大統領就任式もつつがなく終わり、低ボラティリティの落ち着いた相場になっています。新興崩壊で肝を冷やすみたいなのが最近なくて、そろそろあの恐怖を忘れてしまいそう。来週から決算シーズンに入るんでもうしばらくこの調子でいてほしいものです。決算の予習をまだやりきっておらず、この今週末で終わらせないと間に合わない。

www.nikkei.com

今月ここまでマザーズ指数は+8.0%も上げていますが、個人投資家のブログを見ると付いていけている人は少なく、マザーズ指数と個人投資家のテンションが相関しなくなっていると感じます。去年の夏ごろにマザーズ指数がバイオ指数と化していた時期にも同じことを思ったような覚えがあります。ポートフォリオにメルカリやfreeeを入れている人ってあまり見ないですし、自分を含めてですが、新興株の中でも外国人投資家が好むやつばかり買われるようだと置いて行かれてしまうんですよね。外国人投資家に選好されそうな銘柄を意識的にポートフォリオに入れておくのがよいのかもしれません。

今週の取引

3028 アルペン(-)

新規に買いました。1Q決算が過去のトレンドから乖離する数字だったので内容を見て、良さそうなので2Q決算前に買おうと思っていたらほとんど買わないうちに1/21に上方修正が出てしまい(2Q決算発表と同時に出すと思い込んでいた)、上方修正の翌日に追加して欲しい株数にしました。

f:id:bone-eater:20210123054054p:plain

2Q決算に向けて考えたことはTwitterに書いたので、手抜きですがリンクを貼って済ませてしまいます。

足下の業績はコロナによる一時的な特需の恩恵というよりは、会社が収益体質の改善に取り組んできた成果であり、今後も継続するものと考えます。2016年に創業者の息子が社長になり、中高年社員のリストラをやりつつ経営コンサル出身者などを幹部に登用して人材を入れ替え、不採算店舗や不良在庫の整理もやってきました。PB「ティゴラ」が伸びており専門店を出すなど新しい業態も育っています(ただしPBの割合は売上の1割もなく、今後に期待という状態ですが)

www.nikkei.com

www.nikkei.com

上方修正後でPER11.1となり、2Q決算の内容を見てみたいですが通期の業績予想にはなお上振れの余地があるように思われます。2回目の緊急事態宣言への対応としては一部店舗の営業時間短縮のみでほぼ通常通りの営業となっており、前回ほどの影響にはならないでしょう。ただcompsを見ると今の時価総額969億はけっこうフェアバリューのような気もするし、同業他社の指標をヒストリカルに見ても決して評価の高いセクタではありません。あと3Q決算は季節性で弱いんですよね。ここはWebサイトで月次を出しているので月次を見ながらしばらく保有するつもりです。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 133,210,931円
  • 前日比 -1,570,261円 (-1.17%)
  • 月初比 +7,193,012円 (+5.71%)
  • 年初比 +7,193,012円 (+5.71%)
現物

f:id:bone-eater:20210123053745p:plain

信用

f:id:bone-eater:20210123053735p:plain

先物

f:id:bone-eater:20210123053727p:plain

[今週のトレード] 2021/1/15

今週の資産推移は+2.5%(+317万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.1%、マザーズ指数が-1.5%と指数に対してアウトパフォームでした。

今週も大型株、とくに半導体や電子部品などハイテク株が買われて指数主導の相場でした。NT倍率が過去最高を更新し続けています。これどこまでいくの。ポートフォリオ半導体銘柄を売ってしまった後のタイミングで、日本電子材料が自分の売ったところから1.8倍、野村マイクロが同じく1.4倍になっているのを眺めて臍をかんでいます。

f:id:bone-eater:20210116215948p:plain

今月ここまでは個人ばかり触っているような小型新興の人気銘柄は全体的にかんばしくない値動きになっています。良い決算を出しても翌日の寄りから売られてすぐに値を消してしまう動きが目立ちました。自分のポートフォリオでは今月アートスパークが-22.1%、プレミアアンチが-13.9%、ドーンが-7.1%と足を引っ張っています。この3銘柄は税金に絡む売り買いの影響があるかもしれません。節税売りで年末にかけて下げていた銘柄が今年に入ってからリバウンドし、逆に去年上げていた銘柄が今年に入ってから売られる傾向が自分のイメージしていたよりもハッキリと出ているように見えます。節税売りは去年の最終受渡日ギリギリまで出ていたようにも見えました。今年の年末が同じような動きになるかはわかりませんが覚えておきたいです。

内輪の勉強会で喋ったのでその資料をブログに置いておきます。pdfファイルのダウンロードはこちらから。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 129,948,158円
  • 前日比 +2,790,325円 (+2.19%)
  • 月初比 +3,930,239円 (+3.12%)
  • 年初比 +3,930,239円 (+3.12%)
現物

f:id:bone-eater:20210116212949p:plain

信用

f:id:bone-eater:20210116212956p:plain

先物

f:id:bone-eater:20210116213004p:plain

[今週のトレード] 2021/1/8 緊急事態宣言(2回目)

今週の資産推移は+0.6%(+76万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.8%、マザーズ指数が+3.3%と指数に対してアンダーパフォームでした。

1/7(木)に2回目の緊急事態宣言。年明けから関連するニュースフローがあり、週の前半で織り込んでしまって発令当日は目立った反応にはなりませんでした。週を通じてコロナメリットが買われてデメリットが売られる動きはあり、主要なところではANA-4.1%、JR東-4.2%、OLC-5.4%、HIS+0.4%など。ただイメージしていたほど大きな反応にはなりませんでした。もう社会がコロナに慣れてしまっていて、感染者数としては前回の数倍になっているのにパニックが起こることもなく、トイレットペーパーが店舗から消滅するみたいなわかりやすい反応も今回はないし、徐々に受容のプロセスが進んでいると感じます。

週の後半は11月のような大型主導でつり上げる相場になり、木金の2日で日経平均が1083円も上げました。指数だけ上がるものの個人しかいないような新興銘柄は振るわず、今週のパフォーマンスは指数に大きく劣後しています。日経平均先物の売りが-1.5%ほど寄与していますが、それを差し引いても指数に負けていてふつうにポートフォリオがダメだったということです。今週大きめに動いたのは、きずなHD+14.0%、STI+12.2%、Pアンチ-8.0%、BuySell-8.9%、アートスパーク-16.6%。

年末ごろには緊急事態宣言の可能性がリスク要因としてさんざん指摘されていましたが出てみればむしろ相場は上がるし、アメリカでもトリプルブルーは下落要因と言われていたのになったら上がるし、たまに急落しても1日で転換する無敵相場でこれがいつまで続くのか。あと今週がこういう相場になったのは、日本の個人は接するニュースが緊急事態宣言だらけになってて自分の生活に関わることでもあってセンチメントが悪化したけど、海外投資家はさして問題視しなかったというギャップがあるように思われ、日本の小型新興株は個人のセンチメントに左右される面が大きいと思うんでこのパターン気にした方が良いなと思いました。

今週の取引

6369 トーヨーカネツ(+90,266)

手じまい。去年11/12に中計を下方修正し、FY2022の目標値もキャプチャのように修正されました。タイミング的に本決算の業績予想としてこの数字がほぼそのまま出てくるだろうし、それだと保有しづらいと思って売ろうとしていて、株価が少し戻してきたところで売りました。8ヶ月ほど保有してトントンの収支となりました。

f:id:bone-eater:20210109055118p:plain

下方修正の主たる要因はプランド事業の状況が悪化したことです。ここは物流事業に期待して買っており、他の事業は売上規模が小さいこともあって気にしていなかったんで、リリースを見て予想外で驚きました。とはいえ自分にはどうやっても察知できなかったと思います。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 126,774,124円
  • 前日比 -488,240円 (-0.38%)
  • 月初比 +756,205円 (+0.60%)
  • 年初比 +756,205円 (+0.60%)
現物

f:id:bone-eater:20210109054732p:plain

信用

f:id:bone-eater:20210109054741p:plain

先物

f:id:bone-eater:20210109054750p:plain

2020年の振り返り (3) 負けた銘柄

トップ10

続いて今年負けた銘柄のトップ10です。それにしてもMSコンサルがひどい。

銘柄コード 銘柄名 損益
6555 MS&CONSULTING -10126410
7050 フロンティアインターナショナル -3885882
5903 シンポ -3321112
4931 新日本製薬 -2967277
3666 テクノスジャパン -2796337
6545 インターネットインフィニティー -2380247
6089 ウィルグループ -2365706
6677 エスケーエレクトロニクス -2007722
7083 AHCグループ -1910918
4235 ウルトラファブリックスHD -1657655

各銘柄の振り返り

MSコンサル

4桁万円という過去最大の損失をたたき出してしまい、どうしてこうなったのかというポジション。飲食業界相手に覆面調査サービスをやっている会社で、フロー型とはいえ安定した業績を出しており、従業員エンゲージメントというカタリストもあり、今年に入って株主還元重視の姿勢を打ち出したこともあって、自信を持って買った銘柄でした。開示資料に「累計総還元性向100%(日本基準・単体)を目指し、配当と合わせて自己株式の取得を進める」との記載があって、前期の純益のうちこれだけ自社株買いにまわるとしてこうなって……みたいな計算をして十分な勝算があると考えたんですね。

f:id:bone-eater:20210102031953p:plain

しかし買った直後にコロナショックが発生し、この会社の事業環境は一変してしまいました。飲食店が潰れたり閉まっていたらそのぶん覆面調査のニーズも減少するわけで、誰の目にも悪影響が明らかだったため、株価の下げ足も早かったです。自分はコロナを舐めていてそこの認識が遅く、3月に入ってからもナンピンで枚数を増やしていました。後から見るとこのナンピンが傷を広げました。ようやく負けを認めたのは4月に入ってからで、4月上旬から5月上旬にかけて手じまって損失を確定させました。

f:id:bone-eater:20210102033122p:plain

保有していた時期はユーザ登録してサイトを定期的に見ていたのですが、少なくともコロナ前は居酒屋業態の案件が多かったです。半分とかそれくらいは居酒屋だったような印象です。コロナ後にどれだけサービスへの需要が回復するかは疑わしく、アフターコロナの観点でもまだ買いづらいように思えますが、なぜか最近になって光通信大量保有報告書を出しているんですね。どういう目論見なんだろう。

自分の考えに対する猜疑心を持ちましょう、とくに株価が下がっているときはいったん自分の考えを置いて、なぜ他の参加者が売っているのかをゼロベースで考えましょうというのが教訓でしょうか。やっぱり自信のあるポジションだと批判的な視点を持てなくなる傾向があります。根っこがバリュー投資なので「何パーセント下がったら機械的に手じまう」みたいなのはやらないのですが、相場の下落局面ではボラティリティも上がるしより積極的にポジションサイズ落とすべきと改めて思いました(何かで急落するたびに同じことを書いてる気がしますが)

フロンティアインターナショナル

これもコロナでダメージを受ける銘柄を引っ張ってしまったパターン。イベント会社でオリンピック関連銘柄の扱いにもなっていて、コロナの悪影響が分かりやすい会社です。去年から継続して保有していて1月には3500円くらいの株価だったのを3月から4月にかけて平均1400円ほどで手じまいました。ただし直近の四半期決算が良い内容で、11月に買い直しています。

シンポ

これも同じパターン。焼き肉店で使われる無煙ロースターのメーカーで、実際に足下の業績は落ち込んでいます。去年から保有しており1月に2000円くらいだったのを4月から5月にかけて平均1100円ほどで売っています。

新日本製薬

これもだいたい同じパターン。1月に1320円くらいで買って、3月に1100円くらいで売りました。これがコロナショック後に買われて現在の株価は2841円にもなっています。化粧品メーカーでコロナデメリットなセクタの会社ですが、基礎化粧品が主力で販路も通販主体だからコロナでそれほど影響受けないだろうと考えはしたけど、自信が持てずに売ってしまったように記憶しています。1Qの決算が弱かったのもありました。

テクノスジャパン

SAPの2025年問題で特需があるという期待で1月に500円くらいで買って、コロナショックでポジションを減らそうとして3月から4月にかけて300円くらいで手じまい。SAPがR/3のサポート期間を2027年に延長したことでSAPコンサルなど人員への需要もより平準化されて出てくると考えられるため、SAPの特需を当てにするポジションは取りづらくなりました。2027年となると時間的にも遠く、買い直すにしてもまだ先で良いでしょう。投資のアイディアとしてはまだ活きていると思っています。

IIF

これもコロナデメリットを引っ張ったパターン。高齢者向けのリハビリ型デイサービス店舗を直営・FCで展開する会社です。2月に700円くらいで買って5月に500円くらいで手じまい。コロナが流行りだしてから買っていますね……。直近の決算説明資料を見るとコロナで受けた打撃が回復しておらず、新規出店も減っています。高齢者にワクチンが行き渡るタイミングで業績回復あるかもと思って見ています。

ウィルグループ

子会社のフォースタートアップスが上場するタイミングに合わせてポジションを取ったらコロナショックとかぶって、しかもここは人材派遣会社なのでわかりやすいコロナデメリットで株価も下がってそのぶんが損失になりました。イベントドリブンで取ったポジションが相場全体の下げに巻き込まれるのは基本的には仕方ないですが、確認したら上場日が3/13でその日に手じまいをしていて、暴落の中でポジションを引っ張っていたんですね。イベントドリブンのポジションは買うときに売る日付を決めていることが多く、それをまず動かさないのですが、相場環境によってはこだわらず手じまうほうがよいなと思いました。

エスケーエレクトロニクス

去年から持ち越したポジションで、ふつうに業績が悪化したため2月に手じまい。これはコロナショック関係ないやつです。FPD向けのフォトマスクを製造するメーカーで、FPD(特に液晶)への設備投資が低調な状況で業績が落ちており、中国の競合企業にも追い上げられています。FY2019の業績に戻ることは当面はなさそうに思います。

AHC

IPOセカンダリデイトレ、スイングで触って負けたパターン。放課後デイサービスをやっており、同業のエスプールなどが高いバリュエーションとなっていることから類推してここも評価されるのでは? と考えたけれどダメでした。10月には今期の業績予想を下方修正しています。居酒屋業態の飲食業もやっていて、そのセグメントが足を引っ張っており、会社全体では業績悪化しているけど放課後デイサービスと介護はまあ悪くないんで、買えるときがくるかもしれないとは思っています。

ウルトラファブリックス

去年から持ち越したポジションで、業績が思うように伸びず3月から4月にかけて手じまい。顧客にシクリカルな業種の会社が多く、航空機向けに使われていたりするので業績の回復には時間がかかりそうだと見ています。

2020年の振り返り (2) 勝った銘柄

トップ10

今年勝った銘柄のトップ10です。

銘柄コード 銘柄名 損益
7685 BUYSELLTECH +9846724
2303 ドーン +8925061
3663 アートスパークHD +8880440
6334 明治機械 +7853808
2932 STIフードHD +6910469
3633 GMOペパボ +6129747
6331 三菱化工機 +5148826
7092 FASTFITNESSJAP +2369716
3138 富士山マガジン +2330720
9709 NCS&A +2284772

去年はMyTradeのキャプチャ(チャートに売り買いのポイントを描画したもの)を貼れたんですが、残念ながら終了してしまったのでテキストだけで書いていきます。

各銘柄の振り返り

BuySell

田舎の年寄り相手に買い叩く出張買い取りシステムのおかげで競合に比べて粗利率がやたら高く、儲かるビジネスやってると思って注目していた会社。コロナデメリットな業態なのでコロナショック後に売られていたのを5月に3500株(分割後で7000株)買って、その後の値上がりで減らしていって現在2000株。現在の時価総額414億はなんか高いよなあと思うけど、業務提携やM&Aを頻繁にやっており成長意欲が旺盛なので、業績が追いついてくる可能性もあるし今の株数ならしばらく保有しようくらいに思っています。

ドーン

クラウド事業がここ数年で伸びており、公共セクタが相手で業績の見通しが付きやすく、NET119の導入が進む今年度は安心して保有できると考えて8月から9月にかけて6000株まで買って、その後Live110のニュースが出たところでちょこっと減らして現在4000株。社会インフラに関わるシステムを提供しており、一度導入したらまず解約されない強みがあり、Live110/Live119がうまく伸びてくれて手間いらずみたいな感じでバリュエーション付かないかなあと思っています。いまは思惑で注目されて個人投資家の視聴率が上がっている状態で、順当な決算が出てもガッツリ売られたりしそうでこわい。IRもうちょっと頑張ってくれたらいいのに。

アートスパーク

CLIP STUDIOの伸びを見ていてそろそろわかりやすく利益が出そうだったので、今期2Q決算発表前に5500株まで買って決算をまたいで、良い内容だったのでそのまま保有することにして、ちょっと減らして現在4000株。これもかなり人気化した状態になっていますが、ドーンと違って業績の伸びに不確定要素が少ない(100万本売れるたびにリリース出してますし、車載向けの事業は今がクソ悪く減損もしたのでこれ以上悪くはならないだろう)ので、しばらく保有できると思っています。ただ中計の実現可能性は来期まではいいとしてその先はよくわからないです。

明治機械

ここはプラントの会社で業績が四半期単位だとブレるんですが、会社の開示資料に断片的に記載される大型案件や工事の進捗情報などを継ぎ接ぎしてまとめると目先はよい決算が出ると推測できて、去年の年末ごろから買っていったもののコロナショックで株価が半分くらいになって、その後Twitterの煽り屋のおかげもあって良い感じに上がってくれて、ありがたく利確できました。ここはもう買うことはないです。

STIフード

今年のIPO銘柄。セブンの惣菜で日々お世話になっておりウマい製品を作っている認識があったこと、上場時に出る日経の社長インタビューが自信に満ちており今後の業績見通しも強気だったことから上場初日に4000株買って、途中で減らして現在1500株。ここも現在の時価総額243億はいい水準にきてると思っていて、来期は大阪に工場を新設するのでその費用が嵩むはずで本決算をまたぐかどうか悩むことになりそうです。とても良い会社だと思います。

GMOペパボ

5月にEC事業とFREENANCEに期待して買って、6月にGMO子会社がS高を付けまくる謎のGMOバブルが発生したタイミングで平均4000円くらいで売って、そうしたらその後も上がっていって現在5780円。あのGMOバブルがなければもっと長く保有していたのですが、本当にあれはいったい何だったの……。個人的に期待していたFREENANCEはさっぱりの状況で、ECの伸びしろもここからは限定的で(Suzuriはワンチャンあるかも)、今の時価総額316億だともう高すぎると思っています。監視リストには入れてあって、下がったら買いたい銘柄ではあります。

三菱化工機

水素関連で買った銘柄。上方修正が出なくもなさそうな2Q決算の進捗と、水素がテーマ化することに期待して11月に買って、12月に晴れて盛り上がってくれてそこで売るという効率の良いトレードができました。直近で1.5倍くらいになってしまいここからはちょっと買いづらいですが、水素というテーマの枠内だと筋の良い会社だと思います。

FFJ

12月のIPO銘柄。ここはシンプルなビジネスモデルで今後の業績推移が見積もりやすくて、初値ならまだ割安だと強めに確信を持てたので、デイトレスイングトレードで大きめのポジションを取ってうまいこと利益になりました。現在の4230円はフェアバリューに近いように思うけれど、需給もよいですしまだ買える水準じゃないかなと見ています。

富士山マガジンサービス

2018年から保有している銘柄。今年+24.9%とそこそこ値上がりしてくれました。紙媒体の雑誌の定期購読というニッチなサービスで、縮小する市場で残存者利益を取れるポジションにいて、KPI(とくに継続課金ユーザー数)が伸びている限りは保有できると思っています。雑誌も着実に電子書籍への移行が進んでおりどこかでKPIが頭打ちになる可能性は常にあります。自社でやっている電子書籍事業(子会社のmagaport)は売上だけは伸びている(有報の数字で売上5.6億⇒12.6億)けど利益が出ておらず、利益率が出せるビジネスでもなくてあまり期待していません。

NCS&A

これなんだっけ……。売買履歴を見ると2月上旬のコロナショック直前に絶妙のタイミングで売れて利益になったようです。過去の記事を読み返すと、Windows7リプレース特需などで前期の業績が一時的に良くなるので買ってて、kabutan煽りがきたりして上がったので売ったんですね。ここは財務が良く資産バリュー株としては評価できるけど、平均年齢が40超えてる下請けシステム会社(自社パッケージも一部あるけど)で会社の事業には魅力が乏しいし、ホテル向けのパッケージなどコロナ逆風の事業も抱えてるんですよね。でも今見たら時価総額85億になっててこれなら安いと思いました。

2020年の振り返り (1) 今年の流れ

f:id:bone-eater:20210101014222p:plain

2020年のパフォーマンスは+51.91%でした。ショックとバブルを1年でやってしまう早回しのスピード感で、マーケットの限界を試すようなことが立て続けに起きました。こんな激動の年は自分が死ぬまでにもう二度とないんじゃないかと思います。

今年の流れ

年が明けて1月中旬からコロナのニュースが出始めて、1月下旬からは日本でも感染者が発生しマスクが売り切れるなどパニックが拡がっていきましたが、この頃の自分はまだ中国のローカルな問題と捉えていました。1月の最終週にはコロナデメリットもいいところなMSコンサルを購入しています(これは今年の最大損失となる失敗ポジションでした)。

2月に入ってもマーケットの反応は限定的で、2/6にはダウが当時の史上最高値を更新しました。コロナの状況も悪化の一途だったわけではなく、1週間くらい減少が続いてピークアウトっぽくなったりして、マーケットも判断に迷っていた期間でした。ここでポジションを落としていればよかったのですが、まだコロナを甘く見ており一時的な事象だと考えていました。

f:id:bone-eater:20210101013323p:plain

2月最終週から暴落が始まります。この週は過去最大の損失となり、ここでようやく影響の深刻さを認識することとなります。しかしTOPIX-9.7%に対して-22.9%も減らしているのは酷すぎる。原因は2/28の記事に書いたように、小型株のポジションサイズが大きくなっていたこととヘッジしたつもりの指数売りがあまり機能しなかったことです。

今週の資産推移は-22.9% (-2123万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-9.7%、マザーズ指数が-15.4%と指数に対してアンダーパフォームでした。

ここからポジションの手じまいを始めます。後から振り返ってこのとき良くなかったのはIT株から手を付けたことです。3月にコロナショックの底でメドレー、セプテーニ、ユーザベース、フィードフォースを手じまっていますが、ネット広告代理店のセプテーニを除けばコロナにそれほど悪影響を受けない会社であり、ポートフォリオに残すのが正解でした。逆にシダックス、MSコンサル、フロンティアインターナショナルといったコロナデメリットの銘柄を残しています。当時の自分はPERの高い新興株ほどショックの影響を受けるだろうと考えていたんですね。平均1400円で売ったメドレーは10月には7000円を付けました。

3月には原油先物がマイナスになったり、ダウが1日で2997ドル下げたり、自分の保有株に板がなくなったり、東証REIT指数が1ヶ月で49%下げたり、相関するはずのペアが真逆の動きをしたり(ドコモとKDDIなど)、信用買い残が1週間で2割くらい減ったりしました。この頃にはプログラマの仕事もリモートワークに移行しておりザラバに張り付くことができて、通常のマーケットではありえない動きをつぶさに見られました。

各国の金融緩和、財政出動により4月に入るとマーケットは落ち着いていきます。この時期にはコロナは早期に収束して金融緩和の効果だけが残ってバブルになるという説と、本格的なリセッションに入り長期にわたり株価の低迷が続くという説が対立していました。「2番底がくる」というフレーズがTwitterのタイムラインに溢れており、自分もどちらかというと相場の先行きに悲観的だったように記憶しています。このときが最大の買い場でしたが、資産を半分近く減らした状態でメンタルが弱っており、あまりポジションを復元できず。3月に手じまったポジションで買い直せたのはユーザベースくらいでした。

コロナショックの後には投資スタイルに変化があり、長期のポジションが減って、かわりに長くて2週間程度のスイングトレードが増えました。実態経済への影響が見えない中で、精神的に長期のポジションを取りづらく感じるようになり、よりストレスのない短期のポジションが増えていきました。とくに決算ギャンブルに力を入れて、Excelで数字をいじくって業績予想を出したり、POSデータなどのいわゆるオルタナティブデータを参照するようになりました(高額の費用が掛かるものが多く、あくまで自分の参照できる限られた範囲でですが)。IPOセカンダリも時間を掛けて開示資料を読んで自分なりに準備をして挑むようになりました。これらのスイングトレードは今年の利益に少なからず寄与してくれました。

夏から秋にかけてはコロナメリットの業種(スーパー、ホームセンターなど)やテーマ株(電子書籍、EC、リモートワークなど)が極端に選好されるモメンタム優位な相場になりました。このときもてはやされた銘柄で大きな利益を出せたのはGMOペパボくらいでしたが、決算ギャンブルがうまく行ったこともあり7/22に年初来がプラ転し、8/21にはドローダウンを回復しました。ドローダウンの回復には年単位で掛かると思っていたのに半年もせずに達成できて、1億達成のお祝いもしてもらいました。地合のおかげだと思います。

この時期は株価の動きがやたら素直になって、今までとちょっと違った感触がありました。小売の会社で月次を出しているなど明らかに好決算が出てくるとわかっているケースで、決算発表前に期待上げで10%くらい上がっていても、決算後に買われて1週間くらいはモメンタムが続くみたいなのがよく見られて、なんか新しく入ってきた参加者がけっこういるのかなと思ってました。今ではもうそういう素直さは薄れましたが。

10月に入るとマザーズの上昇が天井を打ち、11月の大統領選後には大型株が先導する指数先行の上げ相場となりました。指数ヘッジが股割きになるパターンで2ヶ月連続のマイナスとなり、周りが儲かっているなかでしんどかった。自動車や鉄鋼など重厚長大なシクリカルセクタが買われるようになり、バイデン政権の政策と絡めてEVや再生エネルギーがテーマ化するなど、注目の対象が移り変わっていく時期でもありました。12月はドーンの急騰とIPOセカンダリのおかげで大きめのプラスで終えることができました。

来年のこと

今年後半からアフターコロナの銘柄を増やしていますが、来年も引き続きポートフォリオをアフターコロナに寄せていくつもりです。アメリカ、イギリスでワクチン接種が始まっており、今のところは重大な問題も起きていません。時間差はあるにせよ先進国はワクチン大量供給からの集団免疫獲得に向かうでしょうし、その過程でコロナでダメージを受けている企業も(すべてではないでしょうが)再評価されると考えます。現在のポートフォリオではきずなHD、スプリックス、フロンティアインターナショナル、スペースマーケット、シダックスが該当します。最期まで株価が戻らないであろう空運や旅行、ホテルといったセクタにも買えるときがくると思っています。

新興市場は半分くらいバブルになっていて、自分の好きなIT系グロースの会社には長期的に維持できない時価総額になっているものが多いように思われます。現在保有している銘柄でもBuySell、ユーザベースなどは今の時価総額はいかにも高い気がします。どこかでキラキラ銘柄の全体的な水準訂正が起きたときの心の準備をしておきたい。ただし金余りな環境はしばらく続きますし、一部の銘柄がバリュエーション無視で買い上げられるモメンタム優位な相場がすぐに変わるとも思えず、今だとココペリみたいなやつを時価総額を見ないで買う気合いが必要とされていると思います。

ここまで口座のお金を引き出さずに来ましたが、1億円を超えたこともあって少しずつ使っていこうと思って、年末に1000万円を出金しました。自分は10年くらい相場で負け続ける時期があって、毎月給料が出るとFXの口座に入れてぜんぶ溶かすってのを何年もやっていたので、かつて失ったお金を相場から取り返せたことに感慨があります。

[今週のトレード] 2020/12/30 大納会 年初来+51.91%

今週の資産推移は+0.7%(+98万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.5%、マザーズ指数が+3.0%と指数に対してアンダーパフォームでした。

12月の資産推移は+16.5%(+1923万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.8%、マザーズ指数が-2.9%と指数に対してアウトパフォームでした。

12月のIPOラッシュは今週のみで+14万、12月トータルでは+378万となりました。今回の教訓というか今から振り返っての所感は、(1)VCが多めにいても良いとおもうやつは買いに行って良い、(2)初値が高くても良いやつは買ってもよいということで、良い会社はバリュエーション無視で買われるから時価総額を見ないようにしてモメンタムを取りにいくポジションに期待値があったと思います。そのへん引っかかって買えなかったココペリは初値から倍くらいに上がっています。

単純に地合が良かったのも一因ではあるでしょうが、それよりもIPOセカンダリ参加者のレベルが上がっているというか、ルールが変わってきているというべきなのかわかりませんが、きれいなビジネスモデルを持っている会社や強い参入障壁や独自性を持っている会社が選好される傾向が顕著であったように見えます。自分はIPOセカンダリの参加者では相対的に会社の鑑識眼があるほうと思うので、自分が好ましいと思った会社を素直に買いに行ってよいんだという、そういう実感を今月のIPOラッシュでは得られました。

今年は年初来+51.91%となり、大底のやられっぷりからすると出来すぎというべき結果で終われました。売買履歴のデータをまとめてから振り返りの記事を書きます。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 136,017,923円
  • 前日比 +671,471円 (+0.50%)
  • 月初比 +19,229,715円 (+16.47%)
  • 年初比 +46,480,733円 (+51.91%)
現物

f:id:bone-eater:20201230225759p:plain

信用

f:id:bone-eater:20201230225815p:plain

先物

f:id:bone-eater:20201230225825p:plain