駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[投資本] 新高値ブレイク投資術 (DUKE。)

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著名な個人投資家が自身の投資歴と投資手法について書いた本。

手法は一言でいうと「テーマ性を重視したモメンタム投資」という感じ。レンジブレイクで買って、買値より下げたらすぐに手じまい、伸びるようなら買い増ししていきます。著者によるとテクニカルとファンダメンタルズを組み合わせているとのことですが、ファンダメンタルズはほぼ売上高と経常利益の推移しか見ておらず、テクニカルにかなり偏重しています。ただ、著者はCPAを持っており経営企画の仕事をしている人なので、著書に書かれていないだけで財務分析もしっかりやっているのかも。

自身も述べているようにウィリアム・オニールに影響を受けており、「カップウィズハンドル」、「ディストリビューション日」などオニールの言葉が頻繁に出てきます。銘柄のスクリーニング基準もオニールのCANSLIMに似ています。10%下落したら損切り、など具体的な数字で判断基準が挙げられており、内容に具体性があるのはとても良いです。

少数の銘柄に絞ってポジションを取り、ピラミッディングで株数を積み増していくという攻撃的なスタイルで、強い相場では大きな利益を上げられる手法です。逆に今のような下げ相場には向かないでしょう。以下は投資手法に関する箇所のメモ書きです。

投資手法

  • 新高値更新銘柄を日次でチェックして、チャートの形と材料から買う銘柄を決める
    • カップウィズハンドル、レンジ(ボックス)の上抜け
    • 出来高の急増
    • わかりやすいテーマ性、ストーリーがあり、他の投資家の目線で魅力的であること
  • 買った後はピラミッディングで買い増ししていく
    • 買ったあとにまたレンジを形成したらその上抜けで買う
    • 4回まで買い増しする。1回あたりの買い付け金額は毎回同じにする
    • 買値より10%下落したら損切りする。ナンピンしない
    • 指数より弱い値動きが続いたら手じまいする
    • レンジが上に移動するたびに損切りのラインを上げていく、いずれかのタイミングで損切りラインになったら手じまいする
    • 悪材料が出たら手じまいする
  • 画期的な新製品、M&A、政策銘柄、技術革新などいわゆるテーマ性のある銘柄を買う
  • 時価総額500億以下の銘柄を買う。大型株は買わない。