駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

新高値ブレイク投資塾

少し前から新高値ブレイク投資塾というWebサイトの開発をやっています。Dukeさんが主宰する株式投資の会員制サイトです。ちょっとその話を書いてみます。

最初にDukeさんにお会いしたのは3月の投資戦略フェアでした。そのときはある人にご紹介いただき、名刺交換をして、あとは簡単な挨拶みたいな会話を二言三言かわしたはずですが、もう何を話したかもよく覚えていない。会場が人でごった返す中、どこかに歩いて行くDukeさんを呼び止めてご紹介いただくという形で、時間もほんの1~2分でした。Dukeさんの著書を読んだことがあり、オッあの本を書いた人かと思いましたが、なにせあっという間だったので自分の中では淡い印象が残ったくらいでした。

それから半年ほど経ってそのときの記憶も薄れたころ、Dukeさんから連絡がありました。投資塾の運営をしており、Webサイトの開発を依頼したいという話でした。新高値ブレイク投資塾はもうスタートしており、会員向けのWebサイトもありましたが、それを機能増強したいと。それで当時の投資塾のサイトを見せていただくと、まずログインするところがBasic認証だし、手書きのJavaScriptでメニューをレンダリングしているし、ついでに拡張子は.phpです。レベル感でいうと2005年ごろの、フレームワークなしで1つ1つの機能を手作りしてWebサイトを作っていたあたりの感じ。なるほどこれなら出来ることがありそうだ、こうやって声を掛けていただいたのだし、自分が開発をやるかはさておき、進め方のアイディアを出すくらいはしようと思ったんですね。

渋谷の小料理屋でDukeさん、事務局のKさんにお会いして、やりたいことを詳しく聞いて、ははーふむふむそうですかとか言って、どうするのがよいか話し合いました。そのときに自分が考えたのは、やろうとしていることに難しいものはないけど、Webサイトをフルスクラッチで開発して保守運用もやっていくのはコストが高く、小規模な運営体制でそれをやるのかなみたいなことでした。それで大枠としては今のサイトをフレームワークに載せ替えてフレームワークの提供する機能を使いながら作っていくのがよいこと、そもそも今やりたいことをやるだけなら自前で開発しなくてもよくて、WordPressなどのCMSを使っても実現できることを話しました。あとはWebプログラマの仕事として難しいものではなく、ぼくみたいな本職のフリーランスプログラマに頼むと高くつくので、もっとギャラの安い人に依頼することもできますよ、クラウドワークスで情報系の学生とか副業サラリーマンを捕まえるのもありかもしれませんよという話もしたけど、「駄犬さんにお願いしたい」と言っていただいたのでじゃあ持ち帰って見積もりしますということでその場はお開きになりました。

ぼくはだいたい開発に費やした日数に対してギャラをいただくので、手間暇かけて作り込むのは避けて、すでにあるもので手早く作りたい。現行サイトがPHPでKさんも触れるからPHPはそのままで、ならフレームワークはLaravelで、掲示板もゼロベースで作らずにオープンソースでよさそうなやつをベースにしよう、みたいにして見積もりを出して発注をいただき、メインの仕事の傍らで週1~2日のペースで開発を進めて、11月にリリースしてようやくユーザに使ってもらえるようになりました。掲示板もなかなか盛り上がっていて、プログラマなんで作ったものをユーザが使ってくれるのはやっぱり嬉しいものですけれど、それが株のサイトとなるとひとしおです。

見えないところでいうとソースコードgithubで管理されるようになり、インフラは共用のレンタルサーバからVPSに引っ越し、テスト環境を作って開発中のブランチも分けて簡単なリリース管理もするようになり、それなりにちゃんとしたWeb開発っぽくなりました。まだまだ旧サイトを引きずっているところも多く、たとえば各ページのHTMLはすべてBlade(Laravelのテンプレートエンジン)で作りたいものの、過去のコンテンツファイルをそのまま出すみたいなのが随所に残っています。日々の運用も手作業に頼る部分が大きくて、KさんのITスキルがなければ回らないところがあり、まだまだ道半場という感じでもあります。

ちょっとプログラマの視点ばかりになりましたが、株の視点からも書きましょう。

ぼくは10年くらいの投資歴がありますが、株の勉強会に参加したことがなかったんですね。そもそも他の投資家との交流もあまりなくて、他のだれかと株について話をする機会には乏しいです。ぼくの仕事やプライベートの交流範囲で株をやる人が少ないというのもあります。インデックスファンドを積み立てている人や昔買った銘柄を塩漬けにしている人はいるけれど、つねに相場の状況をフォローしてアクティブに株取引をしている人はなかなかいないです。やっている人が身近にいてもそういう話題にならないというのもあるでしょうし、金融機関勤務だったり、システム会社でもプロジェクトによっては自由に株の売買はできないので立場によるものもあると思います(ぼくも過去には勝手に株を売り買いできない時期がありました)。

それが運営側にまわったことで投資塾の勉強会に参加することになり、100人以上が集まる大規模な勉強会で参加者のみなさまと交流できたのは新鮮でした。今回のことがなければ勉強会にはずっと参加しないままだったでしょう。

Dukeさんの主宰する投資塾なのでDukeさんの方法がベースではあるんですが、人それぞれの考え方があって多様性があるんですね。その企業の開示資料のみならず製品のカタログなんかも読み込んで分析している方がいたり、逆にテクニカル重視でチャートを印刷して細かく書き込みしている人がいたりします。もちろん投資の経験や知識量も千差万別です。たくさんの参加者と話をするとそういう差違があるというのがわかりますし、自分の考え方と相対的に比較して気付きがあったりして、勉強会という形で個人投資家が1箇所に集まることによるメリットを感じました。

あとは勉強会というのは、そこで何かを学ぶというよりは、他の参加者との交流を通じて自分自身のモチベーションを高める場所なのかもしれませんね。ITエンジニアの勉強会もそういうところがあって、勉強会のコンテンツそのものよりも、勉強会に参加することで刺激を受けるのが主目的だったりするので似通ったところがあると思いました。

投資塾のWebサイトでは動画やQ&Aのコンテンツが日々更新されています。あとは毎週配信されるメルマガですね。ぼくはコンテンツの制作にはタッチしておらず完全に閲覧する側なのですが、手の空いた時間にコンテンツを見ているとけっこう気付きを得られることがあります。(とはいえぼくはチャートはあまり見ないし、下げトレンドでも気にしないで買うので、Dukeさんのやり方とちょっと違うところがあって、好きなところだけつまみ食いする感じだったりします)

これからも投資塾のWebサイト開発に携わっていくので、プログラマとしてより良いサイトにしたい、1つ1つ積み重ねてクオリティ高いサイトにしたいと思っています。がんばります。