今週の資産推移は+5.1%(+623万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.4%、マザーズ指数が+9.3%と指数に対してまちまちでした。
コロナで入院したトランプが4日後には退院し、途端にリスクオンが再開してそのまま上げ続ける1週間でした。しかしマザーズ指数+9.3%はすさまじい。新興の大型株が買われる地合で、ポートフォリオでそれっぽい銘柄がユーザベースくらいしかなくて、マザーズ指数にまったく付いていけなくなってます。すごい相場だなあ。これいつまで続くの。
今週はいくつかポジションを入れ替えて、1週間で1.5倍になったSTIフードを半分に減らしました。東京都民もGoToを使えるようになったので京都に3泊4日で行ってきて、良い感じにリフレッシュできたんでここからは決算シーズンの予習をガッツリやっていきます。
今週の取引
4748 構造計画研究所 (+791,814)
手じまい。ここは受注残がかなり先行指標になるんですが前期末の受注残が前期比+2.4%と今ひとつなこと、前期1Qの数字が強めで次の四半期決算は見栄えが悪くなりそうなことから次の決算発表までに手じまうつもりで、今週売りました。
5Gと国土強靱化のテーマ性があるのですが、特に5Gは相場のテーマとしては消化された感がある(ガートナーのハイプサイクルでも幻滅期の入り口になった)ため、その点でも株価のアップサイドに乏しいと考えています。
4187 大阪有機化学工業 (+130,702)
手じまい。10/2(金)に3Q決算&上方修正を発表、翌日にすべて売りました。上方修正が出たのはよかったけど数字が期待されたよりも悪く、翌日-11.7%と売られました。5%くらいGDして寄ったのを見て寄りから少しはリバるのでは? と思って引っ張ってしまって、下のほうで手じまうことになったのが拙かった。一時は100万超えの含み益があったポジションでしたが終わってみればショボい利益になってしまった。
2303 ドーン (-)
10/8(木)に1Q決算発表。発表前に4000株まで買ってあって、決算を見て3000株追加しました。ここは前期1Qが大型案件の計上のため実力値より上振れした業績になっており、今期1Qは前期比で見栄えの悪い決算になるので、1Q決算を通過してから欲しい株数まで買いたかった。今期1Qは自分が事前に見積もっていた数字より良い内容で、クラウド事業のストック収入が伸びていると確認できました。
今後期待されるのはクラウド事業、とくにNET119とLive119の2サービスが伸びることです。少し前に内輪の勉強会でそのあたりについて喋ったので、その資料を使いながら書いてみます。
NET119
ドーンは1991年の創業から一貫してGIS(地理情報システム)の開発を手掛けてきました。2015年までは受託開発とライブラリ(GeoBase.NET)のライセンス販売でほぼすべての売上を立てており、これらの事業は地方自治体や電力会社が相手で安定している代わりに伸びしろに乏しく、業績もずっと横ばいでした。2016年から「NET119緊急通報システム(以下NET119)」が軌道に乗り業績が伸びてきます。
NET119は障碍者がインターネット(チャット)で119番通報できるというサービスです。耳が聞こえない人や発話ができない人にとって、電話での通報は困難です。そのため、電話以外の方法で通報できる手段を彼らに提供する必要があります。インターネット以前にはFAXが使われていましたが、インターネットが普及するにしたがって、インターネットで通報できるシステムを作ろうという動きが出てきました。
ドーンは2010年に「緊急通報システムWeb119」をリリースします。 NET119の前身となるサービスです。機能的にはまったく同一で、インターネットのチャットで通報ができるというものです。このサービスはリリース後の数年はあまり売れず、業績への貢献もありませんでした。
しかし2016年に総務省がインターネット通報の標準仕様を作ろうと動きはじめ、ここから大きく流れが変わります。総務省は一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)に標準仕様の作成を依頼し、2017年には「TS-1022 NET119共通電文仕様書1.0版」が公開されます。以下この標準仕様をNet119 2.0とあらわします。標準仕様の公開がその後の普及の足がかりになりました。
2018年には「第4次障害者基本計画」が閣議決定されます。この中でNet119 2.0システムの導入割合を2020年度に100%とすることが目標とされました。上のスライドに引用した表が該当する箇所で、「聴覚・言語機能障害者がスマートフォン等を用いて円滑に 119 番通報できるシステム」というのがNet119 2.0システムを指します。
これで全国の消防本部への導入に弾みがつき、2020年度末までに全国726本部のうち576本部が導入予定となっています。この1年で一気に導入が進むことになります。キャプチャは消防庁のWebサイトで公開されている資料からの引用です。
残念ながら2020年度末の時点では目標とされる100%には至らないのですが、今後100%に近い数字まで普及が進むものと見ています。これによりNET119のストック収入が積み上がるのがここ1~2年の成長ストーリーで、ここまでは確度の高いものと考えます。
ただしNET119の月額課金部分の金額は消防本部の所轄人口に応じて決定されるため、導入した消防本部の数に比例する形で売上が伸びるわけではありません。記事の最後にある資料に細かい数字や業績への影響を試算した結果があるので、もし興味あればそちらを参照ください。
Live119
NET119は単機能かつ固定料金(月額課金で毎月きまった金額が売上計上される)のサービスであり、アップセルの余地がありません。全国の消防本部への導入が終わったら、そこでNET119としては伸びしろがなくなってしまいます。そのため、その後の成長は消防本部に他のサービスをクロスセルできるかどうかにかかっています。
もっとも期待されるサービスが「Live119映像通報サービス(以下Live119)」です。通報者のスマホで撮影した映像を消防に共有できるサービスで、NET119と比較したときに以下のようなポテンシャルがあります。
- NET119は障碍者のみ利用可能なサービスで事前登録制だが、Live119は一般人も利用可能で事前登録も不要であり、より広範に利用されるサービスになりうる。すべての消防本部でそうなるかは不確かだが、すでに本運用が開始されている神戸市ではそのような運用になっている。
- NET119は固定料金だが、Live119は月額課金部分が従量制に近い形となる。利用された件数によって次年度の契約金額を決定する(らしい)
- NET119はゼロからの営業活動が必要だったが、Live119はすでにNET119を導入済みの消防本部に営業できるため、クロスセルがしやすい
2020/09より東京消防庁で試験運用開始、本運用開始済みの消防本部も3件あります。
ただしNET119のように数百の消防本部に導入されるところまで行かないと収益貢献は限定的になるでしょう。また、売上が従量制っぽくなるため、「119番通報で動画を要求されることがある」というのが世の中に受け入れられて、通報者が協力してくれる必要もあります(スマホの通信費などは通報者の負担になるし、撮影の手間もかかるので)。事故・火災や傷病の様子を動画で消防に伝えられるのは明らかに効果がありますし、うまく導入実績が伸びてくれるとよいのですが未知数の部分が大きいです。
まとめと資料
最後にざっくりまとめると、今後1年かもう少しはNET119の導入が続くためクラウド事業のストック収入が積み上がる見込みで、その間は業績が成長します。その後の成長は他のサービス、とくにLive119の売れ行きにかかっています。
業績予想を保守的に出す会社であり、1Q決算の数字からクラウド事業の伸び幅を推測すると、少なくとも今期の業績予想は達成できるだろうし、期中で上方修正を出すのも期待できると考えます。しばらくは今のポジションを保有しつつ、Live119などの他サービスの状況を見て、導入が順調に進むようであれば継続して保有し、だめそうなら手じまいというのが自分の方針です。
勉強会で使った資料はこちらです。ファイルのダウンロードはここからどうぞ。
ポートフォリオ
サマリー
- 評価額合計 127,155,506円
- 前日比 +1,195,819円 (+0.95%)
- 月初比 +4,246,592円 (+3.46%)
- 年初比 +37,618,316円 (+42.01%)
現物
信用
先物