駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

2020年の振り返り (3) 負けた銘柄

トップ10

続いて今年負けた銘柄のトップ10です。それにしてもMSコンサルがひどい。

銘柄コード 銘柄名 損益
6555 MS&CONSULTING -10126410
7050 フロンティアインターナショナル -3885882
5903 シンポ -3321112
4931 新日本製薬 -2967277
3666 テクノスジャパン -2796337
6545 インターネットインフィニティー -2380247
6089 ウィルグループ -2365706
6677 エスケーエレクトロニクス -2007722
7083 AHCグループ -1910918
4235 ウルトラファブリックスHD -1657655

各銘柄の振り返り

MSコンサル

4桁万円という過去最大の損失をたたき出してしまい、どうしてこうなったのかというポジション。飲食業界相手に覆面調査サービスをやっている会社で、フロー型とはいえ安定した業績を出しており、従業員エンゲージメントというカタリストもあり、今年に入って株主還元重視の姿勢を打ち出したこともあって、自信を持って買った銘柄でした。開示資料に「累計総還元性向100%(日本基準・単体)を目指し、配当と合わせて自己株式の取得を進める」との記載があって、前期の純益のうちこれだけ自社株買いにまわるとしてこうなって……みたいな計算をして十分な勝算があると考えたんですね。

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しかし買った直後にコロナショックが発生し、この会社の事業環境は一変してしまいました。飲食店が潰れたり閉まっていたらそのぶん覆面調査のニーズも減少するわけで、誰の目にも悪影響が明らかだったため、株価の下げ足も早かったです。自分はコロナを舐めていてそこの認識が遅く、3月に入ってからもナンピンで枚数を増やしていました。後から見るとこのナンピンが傷を広げました。ようやく負けを認めたのは4月に入ってからで、4月上旬から5月上旬にかけて手じまって損失を確定させました。

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保有していた時期はユーザ登録してサイトを定期的に見ていたのですが、少なくともコロナ前は居酒屋業態の案件が多かったです。半分とかそれくらいは居酒屋だったような印象です。コロナ後にどれだけサービスへの需要が回復するかは疑わしく、アフターコロナの観点でもまだ買いづらいように思えますが、なぜか最近になって光通信大量保有報告書を出しているんですね。どういう目論見なんだろう。

自分の考えに対する猜疑心を持ちましょう、とくに株価が下がっているときはいったん自分の考えを置いて、なぜ他の参加者が売っているのかをゼロベースで考えましょうというのが教訓でしょうか。やっぱり自信のあるポジションだと批判的な視点を持てなくなる傾向があります。根っこがバリュー投資なので「何パーセント下がったら機械的に手じまう」みたいなのはやらないのですが、相場の下落局面ではボラティリティも上がるしより積極的にポジションサイズ落とすべきと改めて思いました(何かで急落するたびに同じことを書いてる気がしますが)

フロンティアインターナショナル

これもコロナでダメージを受ける銘柄を引っ張ってしまったパターン。イベント会社でオリンピック関連銘柄の扱いにもなっていて、コロナの悪影響が分かりやすい会社です。去年から継続して保有していて1月には3500円くらいの株価だったのを3月から4月にかけて平均1400円ほどで手じまいました。ただし直近の四半期決算が良い内容で、11月に買い直しています。

シンポ

これも同じパターン。焼き肉店で使われる無煙ロースターのメーカーで、実際に足下の業績は落ち込んでいます。去年から保有しており1月に2000円くらいだったのを4月から5月にかけて平均1100円ほどで売っています。

新日本製薬

これもだいたい同じパターン。1月に1320円くらいで買って、3月に1100円くらいで売りました。これがコロナショック後に買われて現在の株価は2841円にもなっています。化粧品メーカーでコロナデメリットなセクタの会社ですが、基礎化粧品が主力で販路も通販主体だからコロナでそれほど影響受けないだろうと考えはしたけど、自信が持てずに売ってしまったように記憶しています。1Qの決算が弱かったのもありました。

テクノスジャパン

SAPの2025年問題で特需があるという期待で1月に500円くらいで買って、コロナショックでポジションを減らそうとして3月から4月にかけて300円くらいで手じまい。SAPがR/3のサポート期間を2027年に延長したことでSAPコンサルなど人員への需要もより平準化されて出てくると考えられるため、SAPの特需を当てにするポジションは取りづらくなりました。2027年となると時間的にも遠く、買い直すにしてもまだ先で良いでしょう。投資のアイディアとしてはまだ活きていると思っています。

IIF

これもコロナデメリットを引っ張ったパターン。高齢者向けのリハビリ型デイサービス店舗を直営・FCで展開する会社です。2月に700円くらいで買って5月に500円くらいで手じまい。コロナが流行りだしてから買っていますね……。直近の決算説明資料を見るとコロナで受けた打撃が回復しておらず、新規出店も減っています。高齢者にワクチンが行き渡るタイミングで業績回復あるかもと思って見ています。

ウィルグループ

子会社のフォースタートアップスが上場するタイミングに合わせてポジションを取ったらコロナショックとかぶって、しかもここは人材派遣会社なのでわかりやすいコロナデメリットで株価も下がってそのぶんが損失になりました。イベントドリブンで取ったポジションが相場全体の下げに巻き込まれるのは基本的には仕方ないですが、確認したら上場日が3/13でその日に手じまいをしていて、暴落の中でポジションを引っ張っていたんですね。イベントドリブンのポジションは買うときに売る日付を決めていることが多く、それをまず動かさないのですが、相場環境によってはこだわらず手じまうほうがよいなと思いました。

エスケーエレクトロニクス

去年から持ち越したポジションで、ふつうに業績が悪化したため2月に手じまい。これはコロナショック関係ないやつです。FPD向けのフォトマスクを製造するメーカーで、FPD(特に液晶)への設備投資が低調な状況で業績が落ちており、中国の競合企業にも追い上げられています。FY2019の業績に戻ることは当面はなさそうに思います。

AHC

IPOセカンダリデイトレ、スイングで触って負けたパターン。放課後デイサービスをやっており、同業のエスプールなどが高いバリュエーションとなっていることから類推してここも評価されるのでは? と考えたけれどダメでした。10月には今期の業績予想を下方修正しています。居酒屋業態の飲食業もやっていて、そのセグメントが足を引っ張っており、会社全体では業績悪化しているけど放課後デイサービスと介護はまあ悪くないんで、買えるときがくるかもしれないとは思っています。

ウルトラファブリックス

去年から持ち越したポジションで、業績が思うように伸びず3月から4月にかけて手じまい。顧客にシクリカルな業種の会社が多く、航空機向けに使われていたりするので業績の回復には時間がかかりそうだと見ています。