駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2021/2/26

今週の資産推移は+5.7%(+765万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-3.3%、マザーズ指数が-4.1%と指数に対してアウトパフォームでした。

2月の資産推移は+11.7%(+1491万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+3.1%、マザーズ指数が+0.4%と指数に対してアウトパフォームでした。

金曜日に日経平均が4%下げました。朝起きたらHYGが急落、VXXの出来高急増、ゴールド&BTCも下がってて強力にリスクオフしてて、こりゃやばいかなと思ってアルペン日通システムプレミアアンチを減らして短期のポジションも手じまってポジションサイズを2000万くらい落としました。最近はこういう展開になってもすぐにリバウンドして元のトレンドに復帰してしまうし、全体のポジションサイズから1割減らしたくらいであまり大きく動かしてはないですが、今回はなんか嫌な雰囲気があります。原因としては金利の上昇や中国の引き締め観測が取り沙汰されているようです。

www.nikkei.com

今週は指数を大きくアウトパフォームしています。アフターコロナが買われる流れでフロンティアインターナショナルが今週+15.6%、大日本コンサルタント+12.1%、スペースマーケット+11.5%、キャリアDC+8.5%、シダックス+7.3%と上げてくれました。今週の資産推移への寄与としてはこの5銘柄で+5.2%、先物ヘッジ売りが+1.5%、お気持ち程度でやっている個別株ショートが+0.3%で、残りが全部ひっくるめて-1.3%。

2月はリバーサルの相場で、グロースとシクリカルが売られてバリューとコロナでダメージ受けてるセクタが買われました。今のポートフォリオはそこそこアフターコロナに寄せており、グロースは控えめでシクリカルはほぼゼロという構成で、うまいこと恩恵を受けられた感じです。決算シーズンもありましたが短期ポジションの寄与は今月+2.2%で、おおむねポートフォリオのパフォーマンスで勝てた月でした。

今週の取引

6730 アクセル(-)

新規に買いました。パチンコ業界で旧規則機がこれから大量に撤去されて、その入れ替え需要でパチンコ、パチスロの機械に特需があるという話があって、なにかポジションを取ろうと少し前から思っていて、いくつか比較検討して直近の決算も見てこれにしました。

まずパチンコ業界の状況についてまとめると、今年度は緊急事態宣言によるパチンコホールの営業自粛もあり、パチンコ、パチスロの機械の販売は低迷しています。fieldsのFact Bookからデータを引用すると、今年度3Qまでの販売台数はパチンコ60.4万台、パチスロ26.4万台、合計86.8万台です。今年度全体としては、矢野経済研究所が予測を出しており、それによるとパチンコ75万台、パチスロ35万台で合計110万台とされています。また、アクセルの決算説明資料に記載されている今年度の販売台数予測(おそらく会社が独自に予測したもの)は合計120万台となっています。3Qまでの推移を見ても、今年度は合計110~120万台あたりに落ち着くように思われます。

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これに対して来年度どれだけの機械が売れるというと、あまり信頼性の高いデータソースは見つけられなかったのですが、遊戯日本という業界紙の記事によくて170万台という記載があります。170万台売れても2019年度の水準に戻るに過ぎず、メチャクチャ売れるというわけでもないのですが、少なくとも今年度の販売台数からは回復して、ざっくり4割とかそれくらいかな、プラスになるというイメージでしょうか。

また、旧規則機の撤去台数についてはサミーの決算説明資料に四半期単位での推計値が記載されています。オリンピックの開催可否もまだわからず不確定要素のあるデータかと思いますが、来年度にパチンコ69.7万台、パチスロ60.0万台、合計129.7万台の撤去が予定されています。また、1Q期間の撤去台数がもっとも大きく、パチンコ45.6万台、パチスロ33.8万台、合計79.4万台と、撤去の6割強が1Q期間に行われることがわかります。撤去台数のすべてが新台に置き換わるわけではない(中古遊技機の証紙発給枚数を見ると、最近では半分くらい中古台が設置されている)ため、撤去台数がそのまま販売台数に対応するわけではありませんが、ここから来年度1Qにかけて需要のピークが出てくると考えてよさそうです。

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それでどの株を買うか考えると、まず思い浮かぶのはパチンコ、パチスロの機械を作っているメーカーです。しかしメーカーは機種がヒットするかどうかで業績が左右され、自分は最近パチスロを打たなくなって客付きや人気の肌感覚が無くなっているし、メーカーは避けようと思いました。それよりはメーカーに部材やサービスを提供している会社のほうが手堅そうです。パチンコ業界は裾野が広く、部材やサービスにも大きな市場があります。以下のキャプチャはアクセルのWebサイトから拾ってきたものです。データが古いため金額としては今はもっと小さくなっているはずですが、相対的な規模感は掴めるかと思います。

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アクセルはファブレス半導体メーカーで、パチンコ、パチスロ向けのグラフィックスLSIを主力製品としています。グラフィックスLSIというのは、画像処理やサウンド処理、LED制御など、機械の演出に必要となる機能を1チップにまとめた半導体です。最近のパチンコ、パチスロはほとんどの機種に液晶画面が付いていて、チャンスになると手の込んだ演出が流れますが、そのために必要となるものです。

パチンコ、パチスロ向けのグラフィックスLSIはニッチな市場で、アクセル(AGシリーズ)、ヤマハ(GPシリーズ)、東芝でほぼ寡占しています。アクセルはトップシェア(開示資料によると50%程度)を持っています。機械の販売台数におおむね比例する形でグラフィックスLSIの販売も伸びることが期待でき、さまざまなメーカーで採用されているため個別のメーカーや機種の売れ行きに左右されることもありません。

アクセルは開示資料に受注残を記載しています。拾えるだけの数字をグラフにプロットすると以下のようになります。2021Q3の受注残は4,721百万となっています。また、受注から納入までの期間は平均3.5ヶ月(シェアードリサーチのレポートより)であり、リードタイムからすると1~2四半期後の決算で足下の受注残が売上計上されると思われます。

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ここは資産バリュー株でもあります。時価総額85.4億に対して現預金+売掛金で78.7億あり、負債を差し引いて69.0億とキャッシュリッチな企業です。また、仮想通貨や自動運転などテーマ性のある新規事業をやっていて、たまにキラキラ系のリリースを出して株価が跳ねたりするので、そのぶんの期待値が薄くあると思っています。

リスク要因としては以下のようなものが考えられます。受注残が豊富で目先の四半期決算はまあ大丈夫でしょうが、その先には不安を感じるところがあります。

  • コロナでパチンコホールの体力は落ちていると思われ、台の入れ替えに予算を割けない可能性がある。新台よりも中古台が選択され、来年度の販売台数がさほど伸びないことが考えられる
  • 旧規則機の撤去期限は過去に延長されており、再度延長されて需要が後ろ倒しになる可能性がある
  • メーカーの業績が良くない状況で部材の再利用が進んでいるらしく、販売台数が伸びてもアクセルの製品への需要につながらない可能性がある

目先の特需に期待するポジションで、長期保有する意思はないので、向こう1年くらいでタイミングを見つけて手じまうつもりです。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 142,089,913円
  • 前日比 +1,366,884円 (+0.97%)
  • 月初比 +14,914,123円 (+11.73%)
  • 年初比 +16,071,994円 (+12.75%)
現物

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信用

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先物

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