今週の資産推移は-1.0%(-145万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.7%、マザーズ指数が-3.8%と指数に対してまちまちでした。
先週の流れを引き継いで、ボラティリティの高い相場でグロース株がたたき売られる1週間でした。週間騰落率でTOPIXとマザース指数が5%も乖離していますが、アメリカでもダウ+1.8%、ナスダック-2.1%、SOX指数-4.8%と温度差が激しいです。S&P500 Mapを1Weekで見るとテスラが一番下げていて、コロナショック後の極端な相場の終わりを感じます。落ち着くまではグロース株、とくにバリュエーションが無茶なやつは新しくポートフォリオに入れないようにしようと思っています。
今週の取引
3028 アルペン(-1,399,377)
手じまい。3/4に開示された2月の月次が全件同月比91.4%と弱くて売りました。
3月の月次が前年同期比100%で出てきたとしても3Q単体の売上が約485億で、粗利率が40%(前期3Qから1.3%改善した数字)とすると粗利が194億。販管費は最近はブレるのでどうなるかよくわからなかったのですが、3Q単体で営業赤字になる可能性が高そうに思われ、そうなると今期2Qまでの業績はコロナの一時的な恩恵だったと受け取られそう。3Q決算発表までの間はポジションを外そうと思いました。3Q決算通過後に買い直すか考えたい。
9797 大日本コンサルタント(-)
新規に買いました。ここは中堅の建設コンサルタントで、今年の7月に同業のダイヤコンサルタントと経営統合を予定しています。経営統合のスキームが2/12に開示されたのですが、内容を見るとちょっと面白い点があって、経営統合を買いでまたいでみようと考えました。大日本コンサルタントの株主にとって有利なスキームになっていると思ったんですね。
(※以下、経営統合のスキームについて書きますが、専門家ではない自分の知識で理解したものであり、誤りを含む可能性があります。確実な内容を知りたい方は開示資料を参照してください。もしおかしなことを書いていたらコメント欄で指摘いただけるとありがたいです。)
DNホールディングス(持ち株会社)の株数がどうなるか
今回の経営統合は共同株式移転方法で行われ、両社の発行済株式の全部を新たに設立する持ち株会社「DNホールディングス」に取得させます。大日本コンサルタントおよびダイヤコンサルタントの株式に対して、DNホールディングスの株式がそれぞれ1:1で割り当てられます。
面白い点というのは、経営統合の過程において、ダイヤコンサルタント株式の大部分が消却されることです。大日本コンサルタントとダイヤコンサルタントの発行済株式数を単純に足し合わせると12,360,000株となります。しかし、DNホールディングスの発行済株式数は最終的には8,010,000株となり、大日本コンサルタントの発行済株式数7,660,000株に対して5%の増加に留まります。
ダイヤコンサルタントの発行済株式4,700,000株は以下のように取り扱われます。
- 2,060,000株: 大日本コンサルタントが三菱マテリアルから購入する(ステップ1)。その後の統合プロセスにおいてDNホールディングスの株式が割当交付される(ステップ2)が、最終的に消却される(ステップ3)
- 2,640,000株: ダイヤコンサルタントが三菱マテリアルおよびその他株主から自己株式取得を実施する。そのうち150,000株を従業員持株会に割り当て、残りを実務上消却可能な範囲で消却する(ステップ1)
ただし2.については、2,640,000株は上限であると記載されており、ダイヤコンサルタントによる自己株式取得が上限まで実施されなかった場合は、大日本コンサルタントが最大1,770,000 株を追加で株式取得するという条件が付いています。また、その場合に追加取得分が1.と同様の扱いになる(最終的に消却される)かは明記されていません。
そのあたり不明瞭ながら、ダイヤコンサルタントの発行済株式は従業員持株会の350,000株(元々保有していた200,000株と2.で割り当られる150,000株の合計)を除いて消却され、DNホールディングスの発行済株式数は最終的には8,010,000株となる(大日本コンサルタントの発行済株式数7,660,000株と従業員持株会の350,000株の合計)と理解しました。
この数字が正しいことの根拠、というか検算としては、開示資料に「共同持株会社が本株式移転により交付する新株式数(予定)」が10,070,000株であると記載されています。これは前出のキャプチャのステップ2時点での株式数であり、内訳は以下の通りであると考えられます。
- 7,660,000株: 大日本コンサルタントの発行済株式数
- 2,060,000株: 1.で大日本コンサルタントが購入したダイヤコンサルタント株
- 200,000株: 従業員持株会(元々保有していた分)
- 150,000株: 従業員持株会(2.で割り当てられる分)
このうち2,060,000株はステップ3で消却されるため、10,070,000株から2,060,000株を差し引くと8,010,000株となります。
DNホールディングス(持ち株会社)の業績等がどうなるか
経営統合完了後のDNホールディングスがどういう見栄えになるかを考えます。まずP/Lですが、大日本コンサルタントとダイヤコンサルタントの前期の業績を足し合わせると、
- 売上 28,956百万
- 営業利益 2,424百万
- 経常利益 2,453百万
- 純利益 1,692百万
となります。発行済株式数8,010,000株としてEPS211円で、3/5の終値1,080円に対してPER5.1となります。建設コンサルタントは評価の低いセクタですが、もっともPERの低いEJHでもPER7.1で、ざっくりPER10くらいが平均値でしょうか。PER5.1はさすがに割安と言える水準に思えます。
大日本コンサルタントの今期業績予想+ダイヤコンサルタントの前期業績だと純利益1,272百万でEPS159円、PER6.8となり割安感が薄れますが、大日本コンサルタントは業績予想が保守的で、たいてい業績予想を上回って着地する会社なので、実態としてはPER5.1のほうが近いと考えます。
ただし、以下2つの要因でのれんが発生する可能性があり、その金額と償却期間によっては、償却負担で利益が大きく下押しされるおそれがあります。
- 1.で大日本コンサルタントが三菱マテリアルから株を買うと、ダイヤコンサルタントは一時的に大日本コンサルタントの完全子会社となる。購入金額によってこのタイミングで大日本コンサルタントのB/Sにのれんが発生する
- 株式移転のタイミングで子会社の資産が時価評価されてのれんが発生するケースがあるようで、ダイヤコンサルタントの保有する資産に含み益があると、その分だけDNホールディングスにのれんが計上される可能性がある
B/Sについては不確定要素が多く、のれんの件もふくめて経営統合完了後にDNホールディングスがどういうB/Sになるかは自分には判断が付きませんでした。大日本コンサルタントが三菱マテリアルから購入する株の価格は非開示ですし、ダイヤコンサルタントのB/Sも詳細はわかりません。大日本コンサルタントはキャッシュリッチな会社ですが、今回の経営統合で財務はいくらか痛むことになるでしょう。ただその程度がどれくらいなのかはフタを開けてみないとわからないと思います。
配当については、ここは配当の決め方について定量的な基準を示しておらず、有報の配当政策には「当社の利益配分に関する方針は、将来の事業展開と経営体質強化のために必要となる内部留保を確保しつつ、株主の皆様に対する安定的な配当の継続を基本としております」と記載されています。現在30円の配当が増配されることを期待したいですがこれも現時点ではどうなるかよくわからないです。
7/12に大日本コンサルタントは上場廃止となり、7/14にDNホールディングスが東証二部にテクニカル上場します。DNホールディングスは6月決算のため上場直後に本決算発表の時期になります。本決算発表前に業績予想と配当予想を出してくれると安心感がありますが、本決算がいきなり出てきて配当金額もそこで開示されるパターンになりそうな気がします。
長くなってきたのでまとめると、
- ダイヤコンサルタントとの経営統合が7月に完了するとPERなどの指標がすごい割安な感じになる(はず)
- 足下の事業環境も良好である(豊富な受注残があり、今期2Qの決算短信の定性情報には「新規受注を抑制している」との文言があり仕事を請けきれない状況と思われる)
- 国土強靱化や高速道路リニューアルプロジェクトの恩恵を受ける会社で目先の業績も安心感がある
- バリュー株が選好される相場の流れにも合っている
くらいが買う根拠です。DNホールディングス上場の7月までは少なくとも保有し、その後はどこかで水準訂正されてくれたら売りたいと考えています。
ポートフォリオ
サマリー
- 評価額合計 140,641,993円
- 前日比 -1,033,639円 (-0.73%)
- 月初比 -1,447,920円 (-1.02%)
- 年初比 +14,624,074円 (+11.60%)
現物
信用
先物