駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2021/3/19 日銀、今後はTOPIXのみ買い入れ

今週の資産推移は+5.1%(+765万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+3.1%、マザーズ指数が+1.9%と指数に対してアウトパフォームでした。

3/19の日銀会合で今後はTOPIX ETFだけを買い入れるという決定があり、後場に入ってNT倍率が急落。年6兆円の削除については事前に観測報道がありましたが、ETFの構成変更はサプライズでした。コロナショック後の1年くらい、ずっと日経平均TOPIXをアウトパフォームしていて、日経平均先物でヘッジしていると割を食う局面が多かったですが、ここで反転となると期待したいです。

www.nikkei.com

第一報が流れたときにちょうどザラバを見ていて、ファーストリテイリングをショートするというのはすぐに思い浮かんで、そのときの株価が94000円台でした。ただその時点では事前にどれほど織り込まれているものなのか判断つかず、ポジションも取れずにその後の下落を眺めることになりました。Twitterやブログを見ると先物でNT倍率の縮小に賭けるポジションを組んだり、臨機応変に立ち回れた人もいて、すばらしいと思います。ニュースフローに咄嗟の対応ができるのは持って生まれた性格もあるだろうけど、それよりもたぶん事前の準備が大切なのでしょう。

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今週の取引

3611 マツオカ(-1,639,080)

手じまい。3/16の昼休みにこのニュースが出ました。記事に「放火された2工場は、いずれもヤンゴン戒厳令が敷かれている地域にあり」とありますが、マツオカはヤンゴンのシュエピターに工場を持っていて、この地域はまさに戒厳令の対象になっています。放火されたのはマツオカの工場である可能性が高いと考えて後場に全て売りました。

www.sankei.com

その後ニュースで炎上する工場の映像も流れました。建屋が盛大に燃えているところが映っていますがマツオカの工場かどうか自分には判断つかず、続報もないためこの記事を書いている時点で結局どうなのかはわかっていないです。

www.youtube.com

株価は自分が売ったところから2%くらい上にいますが、TOPIXも同じくらい上げており、指数比だとちょうどトントンです。ミャンマーの売上は全体の6~7%で、ミャンマー工場の簿価は10億もないので、放火されたのがマツオカの工場だったとしてもおそらく業績に大した影響はなく、じつは他の参加者から気にされていないのかもしれません。それほど自信のあるポジションではなかったので、すぐに買い直すことはしないつもりです。

4432 ウイングアーク(-)

新規に買いました。3/16上場のソフトウェア企業で、帳票設計ツール『SVF』が主力製品です。IPOの開示資料を見て、今の時価総額(3/19終値で609億)なら割安のように思いました。

SVFは専用のUIで帳票のデザインができて、作成した帳票をシステムに組み込むことができて、システムのデータを流し込んでPDF等の形式で出力させられるというツールです。日本の業務システムで幅広く使われているものです。金融SEをやってたときに担当システムで使っていて、個人的にも親近感があります。1996年リリースの枯れたツールですが、意外にもまだ売上を伸ばしています。(キャプチャは全社の売上で、他のソフトウェアも入った数字です)

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SVFは帳票を作るための単機能のツールです。定期的にバージョンアップしたり、最近クラウド版がリリースされたりしているものの、基本的には枯れたソフトウェアであって、今後大規模な開発が発生して開発費が増大する可能性は低いように思われます。限界利益率の高い事業をしており、今後も売上が伸びるのであれば、そのぶんが利益に上乗せされていく推移になると期待できます。

スイッチングコストが高いことも魅力です。類似のツールは他にもありますが、帳票のデザインデータは標準化されておらず、わざわざ他のツールで帳票を作り直すモチベーションは通常ないので、いちど導入すると乗り換えることはまずありません。そのため、既存の顧客から上がる保守などのフィーは安定した収益と考えられます。ただしシステムが運用停止となったときにはもちろんSVFの保守契約も切られます。開示資料によると保守契約の継続率は93~94%とのことです。

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問題点はまず財務の悪さで、2013年にMBO上場廃止した経緯からB/Sに450億もののれんと無形資産があります。前期に18.9億の減価償却をしていますが、かなりの部分はMBOに起因するものと思われ、今後も業績の下押し要因となります。ただしIFRSのためのれん部分は減価償却がなく、安定した事業であるため減損のリスクも低いと考えます。

変化の激しいIT業界で新規導入のシェアが低下するリスクもあります。会社発表の数字ですがSVFは帳票設計ツールの市場で69%のシェアがあり、シェアを守る側の会社です。JasperReportsなど無償で使えるOSSもあり、これからも新しいツールが出てくるでしょうから、他のツールに対する優位性を保てないと、今後新規開発されるシステムでSVFが採用されなくなるおそれがあります。

ここは2月決算のため一ヶ月後には本決算が発表されます。FY2021は減収の業績予想となっており、コロナの影響でIT投資が停滞したことが理由に挙げられていますが、FY2022で増収に転じられるかどうかの確度を見たいところです。上場のタイミングで成長可能性の資料を出さなかったのですが、本決算のタイミングでは決算説明資料を出してくると思うので、その内容も見て継続的に保有できるかを判断しようと思います。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 157,997,108円
  • 前日比 -263,484円 (-0.17%)
  • 月初比 +15,907,195円 (+11.20%)
  • 年初比 +31,979,189円 (+25.38%)
現物

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信用

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先物

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