駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2021/5/21

今週の資産推移は+10.8%(+1833万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.1%、マザーズ指数が+4.1%と指数に対してアウトパフォームでした。

今週は指数を大きくアウトパフォームしました。週の後半に小型新興の強い相場となり、木・金の二日間で一気に資産が増えました。ポートフォリオではBuySellが今週+32.1%、プレミアアンチ+19.5%、イノベーション+14.0%、CARTA+13.1%、フロンティアインターナショナル+10.2%、スプリックス+9.3%、岡本工作機械製作所+8.9%、ドリームインキュベータ+8.7%、アートスパーク+8.0%、シダックス+6.2%となりました。

とくに木曜日にはTOPIX+0.0%、マザーズ指数+1.1%に対して資産+5.2%とあまり見ない増え方をしました。30~40銘柄に分散したポートフォリオなので、1日で指数と5%も乖離することは珍しいです。好決算なのに値動きの冴えなかった銘柄が地合の回復で買われる流れになって、その恩恵を受けられた印象です。

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決算シーズンが終わり、決算ギャンブルの建玉がすべて捌けて、ポートフォリオがすっきりしました。外需、とくに半導体の銘柄をポートフォリオに入れておきたいと考えて買い入れたのと、他にも決算の内容をみていくつか入れ替えをしています。どうも油断すると内需の会社ばかり買ってしまう傾向がありますが、なるべくバランスの取れたポートフォリオにしたいという意識はあります。

決算ギャンブルの建玉の確定損益は合計+8万と、トントンくらいの結果に落ち着きました。地合の悪化がなければもう少し勝てていたと思います。以下は今回の決算シーズンの所感です。

  • セクタによって決算への反応が分かれました。シクリカルなセクタはおしなべて強い決算を出しましたが、ここ半年ほどで株価が上がっていた半導体や電子部品は決算発表後に売られる動きが目立ちました。その反面、自動車部品、化学、鉄鋼といったセクタは好決算に素直に反応して株価が上がることが多かったです。決算シーズンの後半では自動車部品のポジションを薄く広く取って、トータルで利益になりました。日鍛バルブ、ティラド、I-PEX、共和レザー、タイガースポリマー、ミクニ、北川鉄工所などです。

  • コロナからの業績回復にともなって増配や復配のガイダンスを出す企業が目立ちました。今回の決算シーズンではとくに小型株は配当の増額に強い反応があり、自分の目から見て理解できないような買われ方をする銘柄もまま見られました。次回の決算シーズンに向けて覚えておきたい動きです。

  • コロナ恩恵と看做されている銘柄は好決算を出しても買われることはなく、出尽くしになって売られる値動きとなりました。これも今回の決算シーズンで顕著な傾向であったと思います。とくにキラキラ系のグロース銘柄は厳しい反応が目立ちました。

今週の取引

6125 岡本工作機械製作所 (-)

決算で買った外需銘柄その1。半導体製造装置の受注状況を見て買いました。ここは「工作機械」と「半導体関連装置」の2セグメントから構成されており、利益率に大きな差があります。前期の業績を見ると工作機械の営業利益率2%に対して、半導体関連装置は26%もあります。直近の5期を見ても工作機械は2-8%、半導体関連装置は13-26%の範囲となっており、半導体関連装置の受注状況に会社全体の利益が左右されます。

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そこで決算短信の受注状況を見ると、半導体関連装置は109億の受注残があります。前年同期比で2倍近い数字です。

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また、四半期ごとの受注高を見ると、FY2019からFY2020にかけて低調だった半導体関連装置の受注がFY2021に入ってから盛り返してきています。

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半導体関連装置セグメントではシリコンウエハの表面を平滑にする装置を主力としており、バックグラインダー、ポリッシングマシン(CMP)といった装置を製造しています。これらの装置はシリコンウエハの製造および半導体製造の前工程に使用されます。最近になってシリコンウエハの不足が報じられており、増産に動くシリコンウエハメーカーがあってここの機械へのニーズに繋がっているのではと思っています(ちゃんとした裏は取れていないです)。

www.nikkei.com

装置のラインナップがきれいに重複する競合他社は見つかりませんが、上場企業の中ではディスコと東京精密が近いようで、この2社の受注状況が良好であるのもポジティブに捉えられるように思います。

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受注残が業績の先行指標となる会社で、値動きを見つつ保有して、半導体関連装置の受注が落ちるタイミングがあればそこで売却するつもりです。

6627 テラプローブ (-)

決算で買った外需銘柄その2。半導体製造の後工程を受託する、半導体業界の言葉ではOSATといわれる会社です。車載向けの割合が大きく、最近の半導体不足が追い風になる会社で、少し前から監視リストに入れていたものの、ルネサスの工場火災が気になって買えていませんでした。1Qの決算説明資料に「主要顧客の工場火災の影響は限定的」「⾞載向けロジック製品を中⼼に好調な需要が継続」とあり、業績予想の数字も見て買えるかなと思いました。

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ここは四半期決算のたびに1~2四半期先の業績予想を開示します(半導体業界の会社にときどき見られるスタイル)。1Qの決算短信に記載された業績予想を見ると、2Q単体で10.2億の営業利益が出る見通しになっており、3Qの利益は非開示ですがまず2Qと同じ水準の利益が出るだろうし4Qも好調なトレンドが持続するとして、通期でざっくり営業利益35億、EPS160円くらいの着地でしょうか。

OSATは巨大な設備投資と減価償却が特徴の装置産業であり、前期の数字でいうと売上183億に対して減価償却が88億もあります。限界利益率が高く(ざっくりですが60~70%と思われる)、売上が伸びると利益に大きく反映されます。Powertechの月次(そこまで強い相関性はないが、同業でもあり先行指標にはなると思っている)を見ながら保有して、業績予想が弱含むことがあればそこで売るし、株価が上がれば減らしていくイメージでいます。

6640 I-PEX (-)

決算で買った外需銘柄その3。コネクタメーカーで自動車、スマホ、PCが主用途。前出の2つに比べると自信の度合いは低いのですが、決算ギャンブルで買っていたので買値が低くて精神的に持ちやすく、1Qの内容もまあ良かったので継続して保有することにしました。決算発表前に3000株まで買ってあって、決算発表翌日に1000株追加してます。あまり引っ張らず適当に手じまうつもり。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 187,922,253円
  • 前日比 +3,837,225円 (+2.08%)
  • 月初比 +20,318,944円 (+12.12%)
  • 年初比 +61,904,334円 (+49.12%)
現物

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信用

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先物

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