『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』の続編。前作の内容が良かったのでこちらも読んでみました。
深いモートがあって安定したビジネスを営む会社の株を割安なタイミングで買いましょう、ということを懇切丁寧に噛み砕いて書いており、たとえばコカコーラやハーシーのような強いブランドを持つB2C企業をとくに高く評価しています。また、ROEやROTCといった指標に注目して高クオリティの銘柄を買うことを推奨しています。ROTCはあまり聞かない指標ですが、日本語に直すと総資本利益率であり、純利益÷総資本で計算されます。意図的に株主資本を低く抑える企業があるため、ROEだけでなくROTCもあわせて見たほうがよいとのこと。
前作とおおむね重複した内容であり、前作の焼き直しという印象が強いです。どちらか片方を読めば十分であり、主張がよりシンプルで、分かりやすくまとまっている前作のほうがお薦めです。ただし前作と翻訳者が違い、本書はより平易で一般的な投資の用語が使われており、翻訳の質は本書のほうが優れているように思いました。