駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

2022年7月の振り返り

パフォーマンス

7/13発表の米国CPIがコンセンサスを上振れしてヒヤッとするもマーケットは冷静な反応で、そこからリスクオンに切り替わって月末まで強い相場が続いています。今月はダウ+ 6.7%、ナスダック+12.4%と日本よりアメリカの指数のほうが強く、バリューよりもグロースが上げるという今年ここまでとは逆の動き。こういうときは数日で元に戻ってしまい結局ショートカバーで上がっていただけでした、というのが最近のパターンですが、VIXも21.3まで下がって金利コモディティもピークを打ったような動きになり、「今度こそ底打ちなのでは?」という声も聞かれます。

指数は不景気を織り込んだというには高い位置にいるように思うし(特にアメリカ)、どちらかというとまたぞろ下げ相場に転換して底を試しにいくような気がします。ですが機関投資家へのアンケート結果を見るとセンチメントは悪くリセッション警戒モードで、株式のポジションもすでに低い水準にあるらしく、ここから下げる余地はあまりないのかも。いずれにしても自分の相場観なんて当てにならないし、リスク量は変えずにポートフォリオの中身だけ入れ替えています(運用金額に対して個別株のロング130-140%、ショート50%、ネットして80-90%くらい)

今月に入って日本のコロナ感染者数が増えており、ポートフォリオにコロナで悪影響を受ける会社が多いので推移を気にしています。今のところ政府は行動制限をしないと言っていますが、いまの政権は世論に押されて態度を変えかねないと思うし、感染者数のピークまでまだ少し日数があります。コロナを理由にポジションを弄ることはしていません。

今月末ついに去年11月からのドローダウンを回復し、年初来もプラスに復帰できました。年初来がマイナスだとなんだか気分が悪いし、大きな買い物するのに躊躇したりしてしまうわけで、プラスにできて楽になりました(自分の生活と証券口座の状況は切り離すべきですが、なかなかそうはできない)。今年はプラスなら御の字という相場だと思っていて、このままプラスで今年を終えられればよいのですが。

ポートフォリオ

ポートフォリオの状況です。今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと以下の通り。

  1. 月の途中で買ったもの: -220万 (#4, #17, #23)
  2. 月初から持ってたもの: + 1820万 (1.の5つ以外)
  3. 短期トレード: +1150万
  4. 指数ヘッジ: -600万
  5. 配当: +130万

1.は決算を見てポートフォリオに入れたもの。グッドパッチを決算前から買っていて、決算後のS安を喰らったことでマイナスになっています。

2.は月初30814万のポジションサイズに対して+1590万となり、パーセンテージにして+5.2%。TOPIXに近い数字ですが、いまはそこまでキラキラしたポートフォリオではないので妥当なパフォーマンスと思います。フロンティアインターナショナルが大きくプラス寄与していますが、なぜ今月こんなに上がったのかわからず。イベント会社でコロナの悪影響を受けるため、どちらかというと売られそうな会社です。ドラフト、全研本社、ユミルリンクなど東証グロース市場のポジションがグロース株が買われる流れにのって貢献してくれました。逆に先月までよかったシダックスがトップのマイナス寄与となりました。

3.は今月こんなに勝ってたのか。内訳を出すと決算ギャンブルで+400万、IPOセカンダリで+410万(サンウェルズとエアークローゼット)、それ以外で+340万。サンウェルズが+340万と大きめに寄与しています。

日本株マーケット

トップは珍しくサービス業。さまざまな業態の会社が混ざっている業種ですがリクルート、エムスリー、ZHDなどが買われました。2位の海運は大手3社が上方修正を出したため。3位の精密機器は時価総額上位のHOYAが+14.5%、テルモが+10.8%と買われており個別企業が引っ張ったように見えます。長期金利が低下したことから金融系の業種が、コモディティの調整から鉱業や卸売業が、コロナで航空業が下位にいます。

今年これまでの傾向とはうってかわって高PER>低PER、高PBR>低PBRとグロース優位に。高ROEなどクオリティ系のファクターも上位に出てきています。興味深いのは「高信用残/売買高レシオ」が最下位にいることで、信用買い残が重いと上がりづらかったようです。反発局面ではつねにこういう動きになるんだろうか。

所感

  • 特に書くことないな……。最近になって証券会社のレポートをわりと読むようになりましたが、レポートの中で参照されている業界団体や調査会社の名前をググってサイトに行って、そこで公開されている統計情報や出版物を見ていくと投資に役立つインプットが見つかることがあります。マイナーな業界でもちゃんと業界団体があって、サイトに月次が載ってたりします。

  • 公的な統計情報ももう少し使いこなせるはずと思いつつ、データの扱い方がわからず活用できていないものがあるし(貿易統計とか)、決算ギャンブルの精度をあげるためにやれることはまだまだあると思うんですね。そもそもデータ処理をもっと効率化できないと自分の処理能力が追いつかないという問題もありますが。