駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

2022年9月の振り返り

パフォーマンス

上旬にまたしてもCPIショックをやって、中旬によくわからないリバウンドをやって、下旬に今年何回目かのリセッション懸念の下げ相場をやるという、既視感のある一ヶ月でした。相場は韻を踏むといいますがそれにしても今年は同じような展開が延々と繰り返され、そのインターバルも短いです。いつまでこれをやるんだろう。日本の小型新興株は指数ほどは悪くなくて、8月の天国モードほどではないにしても、どちらかというとやりやすい地合であったと思います。

証券会社や調査会社のレポートを見ると来年のリセッションは不可避という論調のものが多数を占めるようになりましたが、じゃあ株価もそれを織り込んでいるのかというとそうでもなさそうなのが悩ましい。S&P500やTOPIXはまだコロナショック前よりも10%くらい上の水準にいて、金利も高いのにこんなところにいていいの? と感じます。だからといって株をやめたりはしないけれど、しばらくはリスク量を控えめに取るようにするつもり。

9月末時点でTOPIXを+23%、マザーズ指数を+45%アウトパフォームし、ようやく今年のパフォーマンスに格好が付いてきて安心しています。当面は難しい相場が続きそうで勝つよりも負けないようにしたい。

ポートフォリオ

ポートフォリオの状況です。今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと以下の通り。

  1. 月の途中で買ったもの: +120万 (#7, #8, #9, #16, #17)
  2. 月初から持ってたもの: -1090万 (1.の5つ以外)
  3. 短期トレード: -170万
  4. 指数ヘッジ: +1190万
  5. 配当 +50万

1.は外需・シクリカルなポジションを内需・グロースに入れ替えるため今月中旬から下旬に買ったもの。小型のグロース株ばかりです。

2.は月初36,997万のポジションサイズに対して-1,090万となり、パーセンテージにして-2.9%。TOPIXには3%くらい勝てていますが東証小型株指数は今月-4.4%で、小型株中心のポートフォリオとしてはおおむね平均的なパフォーマンスでしょう。コロナショックの前から持っていたシダックスをついにすべて手じまいリユース企業(#3, #5, #6, #14)の株数を増やしており、ポートフォリオ全体の20%くらいの金額になっています。もうだいぶ混み合っていますが不景気耐性のある内需セクタでいまのマーケット環境で選好されやすく、業績でもまだアップサイドがあると思っています。月次と決算を見ながらですがもう少し引っ張りたい。

3.はまず決算ギャンブルで+40万。残りは先物ロールオーバーにともない短期トレードをがちゃがちゃとやって損失を出した(恥)のとIPO銘柄のデイトレで-210万。

全体としては個別株のマイナスと指数ヘッジのプラスがほぼイーブンとなり、トントンの収支で耐えた月でした。指数は約-6%と大きめに下げており、個別株のロングだけをレバレッジなしで持っていたらそこそこマイナスになっていただろうから、指数ヘッジを使うスタイルがうまくハマったと言えそうです。

今月は観測範囲の個人投資家を見ても指数に対して相対的にパフォーマンスがよい傾向で、プラスの人も1/3くらいはいる感じで、個人投資家にとっては指数よりも良い地合だったのだと思います。

日本株マーケット

アフターコロナで買われた海運と空運がトップ2。他にはディフェンシブな医薬品、食料品あたりが上位に並んでいます。船賃の低下と配当落ちもあって海運は-30%超(!)の下落となり、シクリカルな電気機器や輸送用機器械が下位に。プラスの業種が3つしかなくて難しい相場だったことがわかります。リセッション懸念のマーケットが来月も続くなら似たような傾向になりそうです。

低ベータと低PBRがトップ2、高ベータや高ボラティリティーが下位という下げ相場らしい傾向が見られます。低PERが最下位なのはシクリカルバリューが売られたから、高ROEブービーなのはITなどのグロースが売られたから? 低配当利回り>高配当利回りとなっているのは意外で、体感ではもっと高配当株が買われている印象でした。ファクターの傾向もやはり来月もリセッション懸念のマーケットが続くなら引きずる可能性が高そうで、今月の動きはなんとなく頭に入れておきたい。

所感

  • 9月はやはりダブルスコープの暴落劇が印象的でした。ぼくの感じたことはまいるさんのnoteとほとんど同じで、いつのまにこんなことになってたんだ! と狐につままれたような気持ちです。関連銘柄の信用残の増え方を見ると某氏のイナゴは数百億、下手すると1000億を超えるような資金量がおそらくあって、それがハーメルンの笛吹きよろしく特定の銘柄にぶわーっと群がっていくのだとするとなかなか恐ろしい。勝手に盛り上がって勝手に沈没してくれるならよいのだけど、新興市場全体のセンチメントに水を差してしまうのは勘弁してほしいものです。とはいえそういう参加者がいる以上、これはこれで何とか対応していかないと。