パフォーマンス
米国CPIがコンセンサスを下回り長期金利も下がってボラティリティも低下し、株に追い風のマーケット環境となって先月からのラリーが続いています。日本株も堅調な1ヶ月となりました。ただその裏でS&P500の予想EPSは下がり続けており、リセッションを織り込んでこの水準が妥当なものなのかどうかがわからない。でもアメリカの年末商戦も好調らしいし、なんかソフトランディング行けるんじゃない? みたいなことを言う人もいるし案外このくらいで許してもらえるのかもしれません。
今月は指数を大きく上回り、しかもポートフォリオのパフォーマンスで勝てたという自分にとってすばらしい1ヶ月でした。耐える時間が長かった浜井産業が大きく貢献してくれて、こういうのが上がると嬉しいものです。反面、小型株の決算反応が難解になって決算ギャンブルで勝てず、今後に不安を感じてもいます。
11月中旬から顕著に小型株の雰囲気が良くなり、月末に至っても続いています。マザーズ指数の強さもそうですが、指数に表れないところとして、
- kabutanや四季報の煽り記事で簡単に翌日+10%くらいあがったり、ものによってはS高を付けたりする
- IPOの初値が高めに付くようになる
- テーマ性のある株や夢で株価ができているタイプの株がやたら上がる
といった加熱した地合に特有の事象が見られます。いまは確変中みたいなものでこれがずっと続くわけじゃないし、年末に近づいていることもあって警戒していますが、これが続いているうちは大きめのリスク量を引っ張りたい。
ポートフォリオ
ポートフォリオの状況です。今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと以下の通り。
- 月の途中で買ったもの: +1160万 (#6, #8, #9, #12, #16, #17, #27, #29)
- 月初から持ってたもの: +4690万 (1.の8つ以外)
- 短期トレード: +140万
- 指数ヘッジ: -270万
- 配当: +10万
1.はええと、今月は新しいポジションを多めに建ててますね。#12と#27は高配当株を9月あたりでいったん全て落としたのを、金利も頭打ちっぽいしまた少しポートフォリオに入れておこうと思って選んだもの。#12は2Qまでの進捗率が高く、為替の恩恵もあり自動車の挽回生産もある(これはちょっと怪しくなってきていますが)し上方修正&増配がもう一度あるかもしれず、似たようなキャラクタの他の株よりも良いかなと思って。#27は近年の体質改善と、いちおう配当性向30%をうたっている会社でもう少し配当出してくれないかなという淡い期待もあって。
#6, #8, #16は決算の内容を見て良いと思ったもの。#6は国内市場を寡占している会社で値上げで収益性が改善したのを見て。#8はWebのレビューサイトなどを見るとRPAツール(Robo-pat)の評判がどうも良いようで今後も成長が期待できそうで、そのわりにPER13は安いように思って。#16は3Qまでの業績の改善と転職会議の成長を見て。12月に上場するオープンワークも足下で伸びていて同種のサービスが好調そうですし。
#17は前から頃合いを見て買おうと思っていた株で、今期3Qまでの業績が悪いのは半導体不足で一部の製品を供給できていなかったのとEUの代理店の在庫調整のためで、来期は改善するだろうしそれを見込めば今の時価総額は安いかなと思って。#9はゲオの決算説明資料で3Qの販管費の増加など今後の悪化が示唆されておりリユースのセクタ内で別の会社に持ち替えようと思い、ここは2Q決算が良かったし業績が3Q偏重で次の決算をまたぎやすいので。#29は11月12月のIPOでは相対的に良い会社で、インバウンド&リオープンのテーマ性もあり、FY23/10のガイダンスがすでに出ている安心感もあるので。
2.は月初39,216万のポジションサイズに対して+4,690万となり、パーセンテージにして+12.0%。指数を大きくアウトパフォームできました。小型グロースが良かったこと(#3, #7, #15)、リユースが引き続き買われたこと(#5, #9, #13)が理由でしょうか。足下の業績がボロクソ悪い#4, #17, #18あたりが月間プラスになっているのは来期の業績を見据えて株価が形成されるというモードチェンジを感じます。
3.はほぼ決算ギャンブルによるもの。いちおうプラスですがギリギリの収支でかけた労力には見合わない感じで、毎週の記事にも書いたとおり今回の決算シーズンは本当に難しかったです。基本的に短期トレードは苦手で、まともに勝てるのは決算絡みのトレードくらいしかなくて、これが勝てなくなると困ってしまう。とりあえず次の決算シーズンは今の調子でやってみるつもりで、また勝てないようならそのとき考えよう……。
日本株マーケット
卸売業がトップなのはバフェットが総合商社を買い増して盛り上がったから。海運業が2位なのは上方修正が出たり川崎汽船の株主還元策が出たりで買い直されたのかな、こんな上がってたんだ。シクリカルセクタが全体的に買われた月で、SOX指数も今月10%以上上げています。東京エレクトロンが下方修正を出したのにちっとも下げず、むしろリバウンドのきっかけになったのが印象的でした。石油が下げたりして資源株が安く、空運業や百貨店などリオープンで買われていたセクタは一休みでした。
ファクターはバリュー、リバーサル、高配当が優位でした……ってマザーズ指数>TOPIXなのと食い違っているけれどなぜだろう。まあいいか。リセッション懸念で売られてきたシクリカルバリューが上がったのが大きいのかな、海運や鉄鋼が業種別で上位にいますし。あとは銀行とかも。
所感
- ここ2ヶ月くらいのヌルい相場でTwitterのパフォーマンス報告は年初来+50%や+100%がごろごろ見られるようになり(これは自分の観測範囲が偏っているのもあるでしょうが)、1月の絶望感はいったいなんだったのか。3月頃には「今年プラスで終われたら大健闘だな」と思っていたような覚えもあって、気づけば景色が変わっていました。コロナの頃からここまでを振り返って、地合の変化は自分には予測不可能だとあらためて思います。