駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2021/5/7

今週の資産推移は+1.7%(+283万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.8%、マザーズ指数が-3.3%と指数に対してまちまちでした。

GW明けで木、金の2日だけ。先週の記事でAI Insideに絡めて「これがきっかけでSaaS株が全面的に値を崩すようなことにはならないと思っています」と書きましたがさにあらず、時価総額の大きい銘柄を中心に売られて今週2日間でfreee-14.3%、BASE-10.9%、マネーフォワード-7.9%、HENNGE-7.9%、ついでにマザーズ指数も-3.3%とグロース株の弱さが目立ちました。アメリカでもARKKの下落が記事になっています。

www.bloomberg.co.jp

代わりにオールドエコノミー、特に鉄鋼と海運が上げています。金曜日の決算で日本製鉄が強いガイダンスを出したのを見て、来週火曜日に決算発表の神戸製鋼所を買いました。今のポートフォリオ内需に片寄っているのが気になっていて、できればこの決算シーズンで外需の割合を増やしたい。来週が決算発表のピークで忙しい時期がもう少し続きます。

jp.reuters.com

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 170,431,945円
  • 前日比 +4,932,152円 (+2.98%)
  • 月初比 +2,828,636円 (+1.69%)
  • 年初比 +44,414,026円 (+35.24%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] テクニカル分析の迷信 (デビッド・アロンソン)

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テクニカル分析の手法を統計的に評価し、有意性のある手法とそうでない手法を見分ける方法を議論した本。

世の中にはさまざまなテクニカル分析がありますが、なぜその手法で将来の値動きを予測できるのか、定量的な根拠が示されることはほとんどありません。株の本に「チャートがこの形になったら上がる」「移動平均線がこうなったら買い」などとあっても、その根拠には触れていないことが多いですし、触れていたとしてもたいていは群集心理などにもとづく曖昧な説明です。

それらの手法が本当に役に立つものなのか、読んでいて疑問に感じる人は多いでしょう。株を始めた頃の自分も、RSIって売られすぎの状態がわかるというけどちっとも勝てないな、とか思いながらトレードをやっていましたが、当時の自分が本書を読んでいたらムダな回り道を1つ避けられたはずです。

さて、本書の流れを簡潔にまとめると、テクニカル分析の手法は以下のように分類されます。

  1. 主観的テクニカル分析
  2. 統計的に有意でない客観的テクニカル分析
  3. 統計的有意性を持つ客観的テクニカル分析

1.は客観的に定義することができず、人によって解釈がバラバラになってしまう手法で、たとえばトレンドラインのようなものです。2., 3.は客観的に定義できる、つまり検証可能なアルゴリズムに変換できる手法であり、統計的有意性検定の結果によって2.と3.に分かれます。

われわれにとって価値があるのは3.のみですが、既存のテクニカル分析の大部分は、客観的な定義は可能であるものの統計的な有意性を示すことはできず、2.に含まれます。実際、著者がテストしたテクニカル分析のルールの中に、統計的な有意性を示すものはありませんでした。

ケーススタディの第二の目的は、S&P500指数に適用したときに統計的に有意なリターンを生み出すルールを発見することであった。このために、第8章で述べた6402のルールの検証を行い評価した。

(中略)

第二の目的に関しては、残念ながら統計的に有意なリターンを生み出すルールを発見することはできなかった。つまり、6402のルールのいずれも、検証において、有意水準0.05で虚無仮説を棄却できるほど高い平均リターンを生み出すことはできなかったということである。 (本書第9章より)

とはいえ、著者はテクニカル分析を全面的に否定しているわけではありません。効率的市場仮説を論駁してマーケットには非ランダムな値動きがあることを述べた上で、「科学的なテクニカル分析」で非ランダムな値動きを捉えることを読者に勧めています。クオンツとかシステムトレーダーと言われる人たちがやっているアプローチですね。

科学哲学や統計学の基礎的な議論から入っていくので冗長であり、難解な箇所もあります。ボリュームもあって精読するのは大変ですし、読み飛ばしながら興味を持てるところだけ読んでいけば良いと思います。他にないオリジナリティがあり、正しいスタンスで相場に取り組むための一助となる本です。とっつきづらさを乗り越えて読むだけの価値があります。

[今週のトレード] 2021/4/30 AI Insideが馬脚を現す

今週の資産推移は-0.5%(-80万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-0.9%、マザーズ指数が-0.9%と指数に対してアウトパフォームでした。

4月の資産推移は+2.8%(+457万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-2.9%、マザーズ指数が-0.1%と指数に対してアウトパフォームでした。

決算シーズンが始まりました。序盤の反応はまちまちで、中の下というところでしょうか。すでにコロナ前の株価を回復しているシクリカルな業種には、良い内容でも決算発表翌日に売られるものが目立ちますが、自動車部品などそこまで業績の回復を織り込まれていない業種だと、素直に上げることが多いようです。また、前回からそうですが、コロナ恩恵と看做されている銘柄は良い決算を出しても厳しい反応になるケースが多いです。

4/28にAI Insideが評価の前提をひっくり返す開示を出して、翌日は寄らずに終わりました。今回明らかになったのは、代理店のNTT西が無料キャンペーンをやって最低契約期間1年で大量の契約を取ったが、その契約の8割くらいが1年かそれ未満で解約されそうだということです。会社固有の事象とは思いますが、グロースのスター株であること、信用買い残が発行済株式数の9.8%と個人が買っていることから、新興市場への影響が心配です。これがきっかけでSaaS株が全面的に値を崩すようなことにはならないと思っています。

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今回の件は決算説明資料を隅々まで読んで、かつNTT西がどのようにサービスを売っているか調べれば事前に察知できる可能性も(たいへん難しいながらも)なくもなかったように思われ、批判的に開示の内容を読むことの大切さをあらためて認識しました。半年そこいらで9000もの顧客にサービスを売って、OCRを自力で業務フローに組み込める顧客はそのうちの一部だろうし、この会社の人員数からサポートできるのかとか、考えていけば疑問を持つこともできたでしょうし。

4月は指数を4%程度アウトパフォームできました。決算ギャンブルをはじめとする短期のポジションが+570万も貢献しており、中長期のポジションはトータルでマイナスでした。短期ポジションでこんなに勝てる月は珍しいのですが、確定損益の大きいポジションを見ると、

となっており、大きく喰らったポジションが東芝しかなかったわりに、IPOセカンダリの丁半博打で勝てたのと決算で当たりを引けたのが大きかったようです。指数の弱い月にこうやってカバーできるのはありがたい。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 167,603,309円
  • 前日比 +654,469円 (+0.39%)
  • 月初比 +4,575,210円 (+2.81%)
  • 年初比 +41,585,390円 (+33.00%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] 天才数学者はこう賭ける (ウィリアム・パウンドストーン)

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クロード・シャノンジョン・ケリーエド・ソープといった数学者たちの成果がどのようにギャンブルに応用されたか、また彼らがどのようにギャンブルに取り組んだかを描いた本。競馬のノミ屋、ブラックジャック、ルーレット、株式投資といったギャンブルが扱われています。

株式投資の本というよりは数学の本です。株について触れた箇所は全体の2割くらいですし、あくまで数学に軸足を置いた書き方になっていて、登場人物がどのように株に取り組んだかはそれほど深く書かれていません。株式投資に活かそうと思って本書を読むと肩透かしになるでしょう。教養書としては面白く、数式もほぼ出てこないため前提知識がなくても読めると思います。ただし類書の『ウォール街の物理学者』のほうが株式投資にフォーカスした内容となっており、株をやる人にはお薦めです。

個人的にはケリー基準を紹介した箇所を興味深く読みました。数式を使わず概念的な図表で説明しているため導入としてはわかりやすく、ケリー基準に対してどのような批判があったかも述べられており、触りくらいしか知らなかったので学びがありました。

リスクの係数(fractional kellyなどと呼ばれるらしい)とリターンについてグラフのような関係があり、グラフの頂点となる点において最大のリターンが得られる(オプティマルf)。係数を頂点よりも小さくすることにはリスク軽減の効果があるが、大きくしても良いことはない。株式投資に使われるイメージはなかったのですが、確率分布で結果が決まるようなゲームでも扱うことができて、システムトレードでは使っている人がいるようですし、仮想通貨botでもポジションサイズの調整に使われているようです。

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[今週のトレード] 2021/4/23

今週の資産推移は-0.3%(-53万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-2.3%、マザーズ指数が-3.1%と指数に対してアウトパフォームでした。

日本株が相対弱い中で、日銀の新しいETF買い入れルールを試したり、バイデン政権がキャピタルゲイン課税を強化するとかでお付き合いで下げたりする1週間でした。コロナの状況が悪くなると毎回そうですが個人のセンチメントが悪化し、週の後半はデカい出来高を付けている人気銘柄が順番に急落するみたいな雰囲気の悪い新興相場となりました。この状況であまりリスク取りたくないなと思って日経平均先物の売り玉をミニ10枚だけ増やしています。決算シーズンが終わるまでは今の水準を保ってほしいところですが。

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www.nikkei.com

東芝手じまいました。先週中にファンド(CVC)が提案をする予定と報道されていたのに週明けまでに提案がなく、TOB実施は無さそうと思って月曜の寄り4,300円で売ったところ、期待を持たせるニュースが後から出てきて金曜日に4,410円で引けています。TOB絡みのポジションは難しい。とくにTOBに詳しいわけでもなくて自分にエッジはありませんが、こういうところでいち早くポジションを取れるのが個人投資家の強みな気がするし、次にこういうケースがあればまた入りたいと思います。

GW期間に3回目の緊急事態宣言が出ることになり、3月中旬あたりからですが旅行やホテルなどコロナ直撃のセクタが目立って値を下げています。しかしワクチンの確保にも目処が立ち、他の先進国に遅れつつも今後は接種が進んでいくわけで、ポートフォリオに入れているアフターコロナの銘柄はそのままにするつもりです。

www.nikkei.com

今週の取引

6730 アクセル (+3,251,661)

手じまい。3/25に上方修正が発表されましたが、2021年3月期の業績があまり上振れるようだと、ガイダンスが横ばいか下手すると減益で出てくるおそれがあり、本決算前にポジションを落とすつもりでした。上方修正の発表後から徐々に株数を減らしていたところ、今週地合が怪しくなり、株価も高めの位置にいたのですべて手じまいました。

旧規定機の撤去にともなう特需で得られる受注の量は一定であり、それが2021年3月期と2022年3月期にどう按分されるかという話だと思っていて、2021年3月期に大きく計上されるようだとそのぶん2022年3月期の業績が悪くなるように思われます。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 168,403,226
  • 前日比 +1,004,616円 (+0.60%)
  • 月初比 +5,375,127円 (+3.30%)
  • 年初比 +42,385,307円 (+33.63%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] 億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 (メアリー・バフェット)

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バフェットに近しい人物がバフェット的なバリュー投資の方法を解説した本。企業をコモディティ型と消費者独占型の2つに分類し、消費者独占型の企業を割安なタイミング(相場全体の暴落や一時的な業績の悪化)で買って長期保有することを薦めています。

消費者独占型とは、より知られた表現でいうとモートがあるとか、競争優位性があるとか、そういうニュアンスの言葉です。本書では1/3ほどの文量を割いて、消費者独占型をどうやって見つければよいか説明しています。この部分はよく整理されており、とてもわかりやすく書かれています。とくに、

今ここに、何十億ドルもの資金と、これはと思う50人からなる経営チームを集める力があるとする。その力を利用すれば、その企業に太刀打ちできるような新会社を作り上げることが可能だろうか。(p.37)

という判断基準は正鵠を得ていると思いました。資本や人材だけでは乗り越えられないような、ブランドや知財、許認可、ネットワーク効果が必要だということですね。

気になる点としては、現在の相場環境では消費者独占型企業を割安に買えるチャンスが乏しいこと、本書に厳密に従うとほとんどの企業はコモディティ型に分類されてしまい、選択肢が狭まることでしょうか。たとえば最近の相場で選好されている半導体や海運といったセクタの企業は買えなくなります。

内容としては『千年投資の公理』と重複する部分が多く、『千年投資の公理』がより網羅的で分析的に書かれているのに対して、本書は要点を絞ってシンプルに書かれています。最初に読むなら本書のほうがよいでしょう。

消費者独占型企業の見分け方(定性的)
  • もしその企業が株主資本を全て配当で投資家に還元したと仮定して、後になにがしかの価値が残るだろうか
  • 今ここに、何十億ドルもの資金と、これはと思う50人からなる経営チームを集める力があるとする。その力を利用すれば、その企業に太刀打ちできるような新会社を作り上げることが可能だろうか
  • コンビニやスーパーなどで絶対に取り扱わないとならない商品を持っているか
  • インフレを価格に転嫁できるか
消費者独占型企業の見分け方(定量的)
  • EPSが増加基調にあるか
  • ROEが15%以上あるか
  • 多額の負債を抱えていないか
  • 内部留保利益の大きな割合を設備投資に割り当てなくてもよいか
株を買うタイミング
  • 相場全体の暴落。消費者独占型企業は暴落後1~2年のうちに元の水準に戻る
  • 景気後退
  • 戦略ミスや事故などの特殊要因
  • 企業の構造変化。合併や組織再編

[今週のトレード] 2021/4/16

今週の資産推移は+2.8%(+453万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.1%、マザーズ指数が+0.5%と指数に対してアウトパフォームでした。

先週まで申し訳程度に持っていたグロース株の売り玉(GMOGS、Sun*、HENNGE)を手じまいました。理由としては、

  • 半年ほど前の日経平均先物のヘッジがうまく利かない時期にやり始めたが、最近のポートフォリオはグロース株の割合が小さくなり、日経平均先物だけでもヘッジできている感覚があること
  • 年初からバリュー株優位の相場だったが、最近になってグロース株が持ち直してきていること

の2点で、そもそもポジションサイズも小さく、最近では惰性で持っている感じだったのでもういいかなと。キャプチャはTOPIXグロースをTOPIXバリューで割ったチャートです。

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今週の取引

3791 IGポート (+4,363,416)

手じまい。4/9に3Q決算発表があり、その内容を見て売りました。ここの業績は四半期単位だとブレが大きく、どういう決算が出てくるか事前にさっぱりわからなかったので、決算発表前に空売りで半分カバーして、翌日に売り買い両方とも解消した形です。

3Q決算で期待はずれだったのは、版権セグメントの売上が3.05億しかなかったことです。版権セグメントは直近の決算で強い数字が続いていました。2020/05と2020/11はNetflixの配信権が計上されたこと(それぞれ攻殻機動隊とGREAT PRETENDER。Netflixの配信権は一括で支払われることが多く、その四半期だけ強い数字になる)で上振れしていますが、2020/08はこれといって一時的な要因が見当たらず、手持ちの版権だけで5.48億の売上を得られたように見えます。そのため、今回の3Q決算(2021/02)でも2020/08に近い数字として、5億程度の売上があるというのが自分の期待でした。

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2Q決算発表から株価が1.5倍ほどになっており、目先で強気になれる理由もなくて、時価総額91億も安いのかどうかそろそろわからない(買ったときは時価総額60億台で、手持ちの版権から将来得られるキャッシュフローだけ考えても割安に思えた)。次が本決算発表になるが、業績予想が保守的な会社で、過去には赤字で出してきたこともある。そのあたりひっくるめてポジション外そうと考えました。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 168,928,550円
  • 前日比 -1,531,554円 (-0.90%)
  • 月初比 +5,900,451円 (+3.62%)
  • 年初比 +42,910,631円 (+34.05%)
現物

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信用

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先物

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