駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2019/10/18

今週の資産推移は-0.4%(-22万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.7%、マザーズ指数が+0.0%と指数に対してアンダーパフォームでした。

相変わらず指数は強く新興は弱い。ダメ決算だったロコンドあたりが売られるのはわかるとしても、自分から見て悪くない決算だったSanSan、ロゼッタが10%以上下げるのを見ると厳しいものを感じます。買われるのはSOU、UPRなどと指標的に割高でなく、テック企業じゃなく、業績の裏付けがあるところで、でも半導体セクタは異様に買われているし、今の相場は難しい。

今週の取引

8337 千葉興業銀行 (+145,196)

買い玉を手仕舞い

SBIの島根銀行への資本提携を見て買った地銀株。その後地銀セクタが盛り上がるかというとそんなこともなく、足下では指数に劣後しており(地銀だけの指数がないので銀行株ETFとの比較ですが)もういいやと思って手仕舞いました。

f:id:bone-eater:20191020015829p:plain

7050 フロンティアインターナショナル (-)

新規に買い玉を立てて持ち越し。

9/12発表の1Q決算が進捗率10.6%と悪く、そこから10%ほど株価を下げたところ。ただ1Qが悪いのは季節性で、上場時の有価証券報告書には以下の記載があります。四半期ごとの数字は売上しか載っていないですが、売上だけならYonYで+11%くらい伸びており、1Q決算が理由で売られているならチャンスかな、というのがまず1つ。

f:id:bone-eater:20191020020733p:plain

ここはイベント会社で、自分の詳しい業界ではないので定性的な評価はできないのですが、前期比+10%程度の受注残を持って今季をスタートしていること、国内の支社を2019年に4つ増やしていること、ハイペースな新卒採用(キャプチャはリクナビから)をしていることから、事業の順調な拡大が伺え、それに対してPER11.7は割安な水準に思えるというのがもう1つ。

f:id:bone-eater:20191020022655p:plain

f:id:bone-eater:20191020023055p:plain

あとは東京オリンピックの仕事を手がけており、オリンピック関連としてテーマ性があることもおまけでもう1つ。というわけで1年くらいは持ってみたい、その後は成長が鈍化しなければ、というくらいで保有するつもりです。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 61,320,970円
  • 前日比 +287,094円 (+0.47%)
  • 月初比 +663,804円 (+1.09%)
  • 年初比 +12,653,338円 (+26.00%)
現物

f:id:bone-eater:20191020023741p:plain

信用

f:id:bone-eater:20191020023749p:plain

先物

f:id:bone-eater:20191020023758p:plain

[今週のトレード] 2019/10/11

今週の資産推移は-1.2%(-77万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.4%、マザーズ指数が-3.5%と指数に対してまちまちでした。

今週は日中貿易交渉があり、ニュースとツイートに振り回されて乱高下する相場でした。部分的な合意には達したということで、日経先物は22,040円という高値で終わっています。大型と小型新興の乖離が激しく、8月からの日経平均マザーズ指数の乖離が足下でさらに拡がりました。指数ヘッジとの股割きで苦戦するパターンで、もうちょっとうまいこと連動していただきたいものです。

f:id:bone-eater:20191012161058p:plain

10月から新しい職場で仕事が始まり、もう一つ別に請けているWebサイト開発も佳境となり、仕事ばかりやっていて株に時間を割けなくなっています。決算シーズンの予習をやらないと。

今週の取引

7150 島根銀行 (-79,607)

買い玉を手仕舞い

3697 SHIFT (-32,349)

売り玉を手仕舞い

木曜日に本決算発表。強い今季予測を出してこりゃ売り持ちはダメだと思って手仕舞い。個別銘柄の空売りはいったんゼロになりました。

4295 フェイス (-)
4475 HENNGE (-)

新規に買い玉を立てて持ち越し。

フェイズは先日手じまったやつですが、10月頭の開示で9月に自社株買いしてたことがわかり、また買ってみるかと買いました。

HENNGEは今月のIPO銘柄。クラウドのアカウントを一元的に管理し、エンドユーザにシングルサインオンを提供するIDaaSと呼ばれるサービスの会社。国内ではトップシェアで65%程度らしい。

IDaaSは一度導入したら容易にはスイッチできないこと、海外に強い競合はいるもののサポートが必須で日本国内にサポート体制を敷けるかという点で参入障壁があること、SaaS各社の仕様の差違をケアする泥臭い開発が必要で後から参入するとキャッチアップにコストが要ること、何よりSaaSブームの中で現場に必要とされているサービスであることから筋の良いサービスです。小さめのポジションサイズで買いました。

指標的には割高もいいところで、こういう銘柄はどちらかというと新興マーケット全体の動向で上げ下げするので持ちづらいですが、魅力的な会社と思うんで少し持って見ようとおもいます。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 61,537,033円
  • 前日比 -690,766円 (-1.11%)
  • 月初比 +879,867円 (+1.45%)
  • 年初比 +12,869,401円 (+26.44%)
現物

f:id:bone-eater:20191012163920p:plain

信用

f:id:bone-eater:20191012163901p:plain

先物

f:id:bone-eater:20191012163852p:plain

[今週のトレード] 2019/10/04

今週の資産推移は+2.7%(+163万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-2.0%、マザーズ指数が-1.3%と指数に対してまちまちでした。

ISMの数字が悪くて指数主導で下げる週となりました。ただ金曜日発表の雇用統計はコンセンサスちょい下くらいで悪くなく、ここからさらに崩れていく感じはありません。TwitterのタイムラインはYH報告で溢れていて個人が喰らっている様子もないです。指数と個人投資家の雰囲気があまり相関しないのはここ最近の傾向だなと思います。

www.bloomberg.co.jp

今週の取引

3092 ZOZO (+201,405)

買い玉を手仕舞い

kabutan煽りで月曜日に+5%ほど上げて、元々そんなに長く持つつもりもなかったので手仕舞い

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 62,304,618円
  • 前日比 +1,406,236円 (+2.31%)
  • 月初比 +1,647,452円 (+2.72%)
  • 年初比 +13,636,986円 (+28.02%)
現物

f:id:bone-eater:20191005141329p:plain

信用

f:id:bone-eater:20191005141337p:plain

先物

f:id:bone-eater:20191005141345p:plain

[今週のトレード] 2019/09/27

今週の資産推移は+0.2%(+13万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-0.7%、マザーズ指数が+2.0%と指数に対してまちまちでした。

新興市場は賑わってはいましたが、ゲームとIPOに片寄っておりまんべんなくという印象ではなかったです。ゲームはコロプラドラクエウォーク)、スクスタ(klab, ブシロード)あたりが主役。ゲームとIPOだけ見ていると2017年の新興相場が戻ってきた観がありますが、信用残、マザーズ出来高は低調なままです。高PERの小型グロース株の値動きは厳しいままでちぐはぐな感じがします。

特に信用買残は2兆円を割りそうで、年初の約2.5兆から見ても低水準ですし、2兆円を割れるなら2013年2月以来になります。結局のところ資金が戻ってきているわけではなく、大型タイトルのリリースとIPOシーズンが重なってマネゲが発生しているだけなんでしょうか。

f:id:bone-eater:20190927233638p:plain

IPOではギフティChatworkがそれぞれ300億、600億のバリュエーションで上場してきました。SaaSバブルなどと言われていますが、この手のIT企業の成長性がこんなに評価されるようになったのはここ最近の傾向と思います。とくにChatworkの評価は自分には理解しがたいです。アメリカではWeWorkのIPOをめぐるごたごた(評価額450億ドル⇒100億ドルでソフトバンクIPOを差し止め)があり、宴の終わりっぽい雰囲気も出てきました。

jp.techcrunch.com

今週の取引

3092 ZOZO (+51,289)

買い玉を手仕舞い

ヤフーによる上限付きTOBで取ったポジション。2500円の手前で手仕舞いしました。狙ったとおりの値動きだったのに利益が少ない・・。自分のポジションサイズとして500万円(2000株)買いましたが低ボラティリティかつ下値が限定的なのでもっとたくさん持ってよかった。TOB期間にもし下げてくることがあればまた買いたい。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 60,678,810円
  • 前日比 -1,151,372円 (-1.86%)
  • 月初比 +5,004,369円 (+8.99%)
  • 年初比 +12,011,178円 (+24.68%)
現物

f:id:bone-eater:20190928000616p:plain

信用

f:id:bone-eater:20190928000625p:plain

先物

f:id:bone-eater:20190928000635p:plain

[今週のトレード] 2019/09/20 ドラクエウォーク、S高2つ

今週の資産推移は+6.8%(+383万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.4%、マザーズ指数が+1.9%と指数に対してまちまちでした。

先週までの流れと変わって小型新興の強い週でした。日経平均は22000あたりで足踏みしていますが、外国人投資家の買い越しは続いていますし、サウジアラビアの石油施設がドローン攻撃されるという悪材料がほぼ無視されたりと、大型も強い地合が続いているように見えます。

www.bbc.com

小型新興はドラクエウォークがリリースからセルラン1位を維持して、コロプラからゲーセク全体に盛り上がりが波及するという動きが目立ちました。ただ今週は小型新興全体が強かったと思います。

ポートフォリオではOSGとアイリッジがS高を付け、その恩恵で今週は大きなプラスになりました。アイリッジのS高は自分の期待するカタリストとはぜんぜん違う、どうでもいいようなリリースがきっかけで、こういうところも地合の良さを感じます。

iridge.jp

今週の取引

3710 ジョルダン (-)
3966 ユーザベース (-)

上2つは新規に買い玉を立てて持ち越し。

ジョルダンは木曜日に下方修正を出してくれて、懸念材料が無くなったので翌日に買いました。ここは業績予想はとりあえず強めに出して、ダメなら期中に下方修正するので、本決算をまたぐのはローリスクと考えること、JMaaSと野村総研資本提携を発表したときに今後に含みを持たせた文面だったこと、MaaSはまだこれから注目されるテーマと思うこと、あたりが理由です。三菱商事が今月MaaS Globalへの出資を発表しましたが、今後Whimのシステムを日本に持ち込んでくると思われ、来年から再来年にかけてシステムのベンダが出揃って一般向けにサービスが提供されるようになってくるはず。相場のテーマとしてもこれからだと思っています。

www.mitsubishicorp.com

ユーザベースは1年前くらいに売って、どこかで買い直そうと思っていたのをようやく買いました。今週Quartzの買収費用55億の借り換えをリリースしたのですが、借入期間が2026年までとだいぶ先で、希薄化を伴う資金調達の懸念がだいぶ薄らいだと考えました。あともう一つ思惑があって、稲垣さんが次回の株主総会までに優待をやるというようなことをNewsPicksでコメントしており、公に言ったことはちゃんとやる経営陣という認識なので、向こう半年くらいで優待新設のリリースが出る可能性が高いと思ってます。出すとしたらNewsPicksのアカウントだろうから、ユーザ層を考えても大きめの買い需要にならないかなと。高バリュエーションの新興企業に厳しい地合なのが不安ですが。

f:id:bone-eater:20190921020557p:plain

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 60,548,001円
  • 前日比 +74,235円 (+0.12%)
  • 月初比 +4,873,560円 (+8.75%)
  • 年初比 +11,880,369円 (+24.41%)
現物

f:id:bone-eater:20190921021426p:plain

信用

f:id:bone-eater:20190921021435p:plain

先物

f:id:bone-eater:20190921021455p:plain

[今週のトレード] 2019/09/13 日経平均22000回復、大型だけ強い相場

今週の資産推移は+0.5%(+31万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+4.7%、マザーズ指数が-0.9%と指数に対してまちまちでした。

外国人投資家主導で大型が買われて小型新興はさっぱり。日経平均ザラバですが22000を回復しました。TOPIXマザーズ指数がこれだけ乖離するのも珍しい。自分のポートフォリオ日経平均先物でヘッジしているため小型新興の個別株と股割きになっており、なかなか厳しいことになっています。先物のヘッジがなければ悪くないパフォーマンスでしたが。

f:id:bone-eater:20190915205117p:plain

巡回している個人投資家のblogを見ても、新興銘柄を中心にやっている人はまったく恩恵がない一方、大型株、バリュー株を中心にやっている人は大きくプラスになっていて、スタイルによってきっちり分かれている印象です。

今週の取引

4295 フェイス (-1,497,671)

買い玉を手仕舞い

一時はプラス100万を超える含み益を見たポジションが、どうしてこうなった・・。今年はいくつも大失敗のトレードをやっていて、そりゃパフォーマンスも伸びないわけです。せめてトントンくらいでクローズできなかったのか。振り返りをしておきます。

f:id:bone-eater:20190915205842p:plain

  • 5/12: 自社株買い5.05%のリリース。取得期間は7/1~で、1年弱と長めに取っているが、過去に大規模な自社株買いをやったときには取得期間開始から2ヶ月ほどで集中的に枠いっぱいまで買ったことから、今回も同じパターンを期待できると考えた。自社株買い発表翌日から買っていって6000株ほどになる。

  • 6/28: 自社株買いの発表後、徐々に株価は上げて、800円弱だった株価が取得期間の開始前に1000円を越える。130万の含み益となる。後知恵で言うとここが手じまうチャンスだったが、7月に入れば自社株買いが始まるという予断が強くポジションを維持した。発表から3割くらい上げたのだから、自社株買いの買い需要で上げる値幅としては十分だと今から振り返れば思うし、半分くらい売っておくべきだった。

f:id:bone-eater:20190915210611p:plain

  • 7/12: 自社株買いの取得期間が始まるも株価は下げる。ポジションはそのままにしていて、含み益は20万くらいに減る。

f:id:bone-eater:20190915211354p:plain

  • 7/26: 株価が800円を割り込み、自社株買い発表前の水準に戻る。このあたりから枚数を増やし始める。なぜ増やしたのかというと、まだこの辺りだと自社株買いへの期待感が強かったのと、B/Sに現預金が120億ほどあり時価総額とほぼイーブンなことが下支えになると考えていたと記憶している。結果を見るとここで枚数を増やしたのは損失を広げることになった。

  • 8/13: 1Q決算発表。もともと今期の業績予測も低かったが、その下を行くクソ決算が出てくる。株価は700円を割って、1ヶ月くらい600円台で推移する。クソ決算と地合の悪さから枚数を減らし始める。あとは8月月初に自社株買いの進捗のリリースが出ず、買ってたら出すだろうから7月はゼロ株だったことがわかる。

f:id:bone-eater:20190915211942p:plain

f:id:bone-eater:20190915212410p:plain

  • 9/13: 9月に入るとバリュー株が選好される地合もあってかリバウンドし、800円手前まで買われる。リバウンドに沿って少しずつ売って、9/13に全部売り切って終了。9月月初にも自社株買いのリリースは出ず。

以上のような流れで、最大の反省点は「7月に入れば自社株買いが始まる」という予断が強すぎたことでしょうか。ここを冷静に見られていたら半分くらいは高値で売っておけたのではないかなあ。また、仮に自社株買いが始まっていたとしても、それまでの上げ幅を見るとどれだけ上値があったかは疑問で、カタリストや業績を根拠としたトレードじゃないのだからほどほどの利益が取れたらそれで満足すべきだったということも言えそうです。

途中から買い増しをして枚数を増やしたのも悪かったです。ピーク時に1300万ほどのポジションになっており、これは資産額のおよそ20%になります。自分のポジションサイズとしては大きいし、今からするとそれだけの根拠があったわけでもなかったです。そもそも自社株買いのリリースにはザラバで買うと明記されておらず、過去はザラバで買ったという実績があるだけです。ここはファンドと揉めているのと、持ち合いで保有されている株式があるので、大株主からトストネットで買い取るという可能性があります(7月以降買っていないのはその選択肢を残しておきたいからでは)。最初はこの可能性も認識がなかったのですが、とにかく大きなポジションを持つにはもっと強い根拠があるべきだと思いました。

3092 ZOZO (-)
6757 OSG (-)
7150 島根銀行 (-)
8337 千葉興業銀行 (-)
8699 澤田HD (-)

上5つは新規に買い玉を立てて持ち越し。

ZOZOはヤフーによる上限付きTOBで。2620円で50%まで買うという内容で、ざっくり6割を2620円で買い取ってもらえるとして、残りを2160円で市場で売れるとして、2620×0.6+2160×0.4=2436。足下の株価はそれに近いくらいで、買っておけば期待値あるだろうという考え。

OSGは高級食パンのフランチャイズが好調で、9/9発表の2Q決算短信に記載されたセグメント情報を見て買いました。1Qと2Qの比較がこれで、リニアに伸びていくとは思えないですが夢のある数字ではあります。

f:id:bone-eater:20190915220317p:plain

f:id:bone-eater:20190915220351p:plain

足下で25店舗、会社的な目標は3年で100店舗で、これからは東京で得た評判でもって地方に展開していくみたい。高級食パンはタピオカみたいな一時の流行りで終わりそうにもおもうのですが、少なくとも次の決算発表まで期待を引っ張るのはできるでしょうし、1~2ヶ月くらいは持っておくつもり。

www.jiji.com

島根銀行千葉興業銀行はSBIの「第4のメガバンク」構想で買いました。地銀はここ1年くらい下げ続けのセクタでしたが、これが反転のきっかけになるんじゃないかなと思って。澤田HDは地銀ではないのですがその連想で思い出して、IRサイトで公開されている直近のハーン銀行の業績が悪くないのと、次の四半期決算に17億の特別利益が乗るのとで買いました。ポジションサイズとしては3つとも小さめです。

www.jiji.com

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 56,718,131円
  • 前日比 -656,408円 (-1.14%)
  • 月初比 +1,043,690円 (+1.87%)
  • 年初比 +8,050,499円 (+16.54%)
現物

f:id:bone-eater:20190915221942p:plain

信用

f:id:bone-eater:20190915221950p:plain

先物

f:id:bone-eater:20190915222001p:plain

[投資本] ヤバい決算書 (長谷川正人)

f:id:bone-eater:20190915183738p:plain

過去にあった上場企業の破綻、粉飾のケースを取り上げて、開示資料からどのようにその兆候を読み取れたかを解説する本。

取り上げられているのはJALスカイマーク、シャープ、アーバン、江守グループ、東芝オリンパスなど。有名で分かりやすいケースが選ばれているという印象で、マニアには物足りないがこういうのに初めて触れる人にはちょうどよい案配でしょうか。

解説の内容にはとくに斬新な視点もなく、決して深い分析ではないように思いますが、約10年分の業績やキャッシュフローが表になっていたり、バランスシートが図になっていたりと、うまくまとめられており読みやすいです。財務3表がお互いどのような関係にあるかなど、会計の入門書に載っているような内容がコラムとして章の間にはさまっており、初心者向けに前提知識がなくても読めるよう配慮されています。

本書全体を通じてキャッシュフロー計算書を見ることの重要性、特に営業キャッシュフローのマイナスの定常化が危険な兆候であることがどの事例でも繰り返し出てきます。あとは以下のような点がチェックポイントとして挙げられています。

  • 収益性の低下

  • 売上債権の増加

    • 架空の売上を計上した場合、入金はされないので売上債権だけが膨らむ
    • 売上の伸びに比べて売上債権の増加が著しい場合は粉飾の疑いがある
    • 江守グループの事例では、破綻前2年間の売上げの伸びが1.8倍であったのに対し、売上債権の伸びは2倍であった
  • 棚卸資産の増加

    • 期末在庫(棚卸高)をかさ上げすると、その分売上原価を減らすことができる
    • 売上げの伸びに比べて棚卸資産の増加が著しい場合は粉飾の疑いがある
    • アーバンの事例では、破綻前3年間の売上げの伸びが4.3倍であったのに対し、販売用不動産の伸びは13倍であった