駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2023/6/30 5億円到達、更新停止のお知らせ

このブログを開設してから6年半になります。開設から長いこと自分とごく身近な知人だけが読む過疎ブログでしたが、最近になって運用する金額もアクセス数も増えて、このブログをどうしようか考えるようになりました。5億円に到達したのを1つの区切りとして、この記事を最後にブログの更新を停止します。

過去の記事はそのまま残して見られる状態にしておくつもりです。数百万の元手を約100倍に増やした記録であり、集中投資やフルレバのような極端なリスクテイクを避けて、分散したポートフォリオとほどほどのリスク量を維持してもこれくらいのパフォーマンスは達成できるという1つの事例として参考にしてもらえたら嬉しいです。

このブログを読むガイドラインになると思い、どういうスタイルでやっているか簡単な記事にまとめてみたので、もし興味あればあわせてご覧ください。文字ばかりの記事になってしまい、読みづらかったらすみません。疑問や不明点があったら、コメント頂ければできる範囲で回答します。

daken.hatenablog.jp

わたしは2015年のチャイナショックで一度退場しました。無一文からプログラマーの仕事に精を出して相場に戻ってきて、そのときは手元のお金をこれほど増やせるなんて想像もしなかった。株を通じてたくさん知り合いが増えて、新しい仕事に繋がったりもして、相場はわたしにたくさんのものを与えてくれました。このブログを読んでくれる人たちにとってもそうであることを願っています。今までありがとうございました!

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 503,050,766円
  • 前日比 +24,522,354円 (+5.12%)
  • 月初比 +61,664,937円 (+13.97%)
  • 年初比 +179,694,689円 (+55.57%)
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わたしのスタイル

やりたいこと

やりたいことの流れ
  1. 株価があがりそうなイベントが近い将来に発生しそうな会社をピックアップする
  2. ピックアップした会社でなるべく分散したポートフォリオを作る
  3. 指数ショートを使ってリスク量をコントロールする
  4. 狙ったイベントが起きたり起きなかったりして、トータルで何となく儲かる
「株価があがりそうなイベント」って何なの?

決算(上方修正を含む)を予想して先回りすることがもっとも多い。小型で目立たない会社であっても決算で目を引く数字を出せば注目される。コンセンサス(そもそも小型株はコンセンサスが明らかでないことが多いが、四季報予想を見たり、SNSや掲示板の雰囲気からなんとなく推測している。てんで外れることも多い)を上回る決算を出すのは小型株の株価の水準が変化するきっかけとなりうる。

大型株であればアナリストのカバーがあり、先のことを見て売買する機関投資家もいて、1年後くらいの業績変化を織り込んでいくが、小型株の参加者はより近視眼的で足下の業績に引きずられて株価が形成される傾向がある(これも最近は変わってきていて、個人投資家のレベルが上がるに従って業績を織り込む度合いが高まっていると感じる)。また、小型株は参加者のレベルが低いため、将来の業績をいくらかでも推測できれば利益に繋げやすい。

他には自社株買い、増配、分割、優待新設、TOB、市場変更などがあり、会社によっては開示資料などから事前に予想できるケースがある。自社株買いと増配を狙って先回りするポジションはよく取る。他はあまりやらない。これらのイベントはそのときどきで株価の反応の度合いが変わってくるので、よりイベントドリブンに近いやり方になるし、マーケットを観察したり過去の値動きを検証することが重要になってくる。イベントドリブン専門でやっている参加者もいて彼らと競合することにもなり独特の難しさがある。

「近い将来」っていつなの?

短いものは次の決算、長いものは2年後くらいを目処にしている。もっとも短いものは決算発表直前にポジションを取って発表後に即座に手じまう一泊二日のポジション(いわゆる決算ギャンブル)。もっとも長かったのはシダックスでちょうど3年かかった(コロナの影響があり期待していた業績回復が遅くなった)。保有期間が長くなるとそれだけ不確実性が高まるため、2年後に好業績が期待できるというケースでは相応に確信の度合いがなければ触らないようにしている。

どれくらい長い目線のポジションを持てるかは人によって変わってくる部分で、1年も同じポジションを持つなんて到底できないという人も多い。2年後の飛躍を信じて腰を据えてポジションを持てるのは他の個人投資家に対する優位性だと思っている。

「なるべく分散したポートフォリオ」って?

セクタ(業種)をばらすことと、内需/外需、新興/それ以外、ディフェンシブ/シクリカルといった軸で大きく偏りが出ないようにしている。定量的に管理しているわけじゃなくて感覚でやっている。サイズは小型株に偏るが、これは自分のスタイル上どうしようもないので受け容れている。株を始めたばかりのころは新興株だらけのポートフォリオで、たまにある新興総崩れみたいな日にボロクソ食らっていたので、それを避けたいという意図がある。

銘柄数は30前後で、そのときどきでもう少し増えることがある。決算シーズンは50を超えることもある。『ウォール街のランダム・ウォーカー』に分散効果のグラフが載っていて、グラフの形を見ると20くらいは持ちたい気がするし、同じような動きをする株がポートフォリオにいたりするのでそのへん考慮すると30くらいあると良いかなと考えている。「分散効果は投資における唯一のフリーランチ」という言葉もあるくらいで、わたしは日本株に集中した投資をしているので、せめてその中では分散を利かせたい。

「リスク量をコントロール」って?

期待値がありそうなアイディアが見つかればなるべくポジションを取るようにしており、自信の度合いによってざっくり以下のようなサイズにしている。

  • 不確実な点もあるが期待値がありそうな気はする: 運用額の3%
  • 期待値があると自信を持てる: 運用額の5%
  • 強い自信を持てるしこのポジションで負けたら仕方ないと思える: 運用額の10%

そうやって30もポジションを取ると、個別株のポジションが運用額の180%くらいになったりする。しかしマーケットリスクを180%ぶんも取りたくないので、運用額の80%だけ指数をショートすれば差し引きネット100%になってふつうのフルインベストメントと同じことになる……はず。

実際にはしょっちゅう股割きになるしヘッジといいつつどれだけヘッジとして機能しているの? という突っ込みどころはある。個別株にレバレッジをかけるにも指数ショートにもコストがかかるから、そのコストを上回るリターンの上乗せがないとやる意味ないよねという話もある。でもうまくいけばパフォーマンスをブーストできるし、自分の選んだポートフォリオが指数に勝てるはずという不遜な信念を(今のところは)持っているのでやっている。ここ最近は以下のような範囲での推移となっている。

  • 個別株ロング: 150-200%
  • 指数ショート: 50-80%
  • ネット: 80-120%

ネットをもっと大きく動かす人もいるけれど、わたしは自分の相場観をまったく信頼していないし自分に指数の動きを当てられるとも思わないので、あくまでネット100%が基本でそこからあまり動かさないようにしている。ショートには日経平均をもっぱら使って、たまにTOPIXやNASDAQを使うこともある。

「トータルで何となく儲かる」って本当にそうなるの?

これはねえ……どうなんでしょう。期待値があると思っているポジションに本当に期待値があるかはわからないし、実際のところあったりなかったりするんだろうけど、いちおうここ7年くらい何となく儲かってはいて、トータルで期待値のあるトレードができているのだとはおもう。ただマーケットは常に変化するもので、株のパフォーマンスなんて曖昧でランダム性の強いものだし、これからも同じことをやって儲かるかどうかはわからない。

やってること

インプット

日々のルーチンとして以下のようなものをインプットとしている(優先度の高い順番)

  1. 適時開示
  2. 証券会社レポート
  3. 株仲間との議論
  4. 株ブログとTwitter

もっとも重要なのは適時開示を読むこと。上場企業の発表する一次情報であり、仮説を立ててアイディアをひねり出す元ネタとなる。夕方から夜にかけてTDnetで開示資料に目を通すことを日課にしており、よほど忙しい日でなければとにかくこれだけはやっている。決算短信、決算説明資料、成長可能性資料、自社株買いや子会社買収の開示には一通り目を通し(ただしどれだけ時間を掛けて読むかは企業ごとに差がある)、気づいた点をメモに控えるようにしている。

適時開示を読むのは「株価があがりそうなイベント」を示唆する記述を見つける宝探しのようなもので、将来の好決算や前向きな変化の予兆を見つけたい。そのため、事業の見通しや業界の状況を述べている箇所や、業績予想や、KPIの推移を中心に見ていく。それ以外の雑多なシートは読み飛ばしてよい(そういう読み方をしないと処理しきれない)。「このシートに書いてあることで将来のP/Lがどう変化するか」をイメージしながら読んでいくクセを付けると見落としが減ると思う。

一部の企業は業績を予想するための方程式の材料になるもの、たとえば為替感応度やユニットエコノミクスなどを開示資料に記載してくれている。それらを見つけたときはどこかに控えておくと後で役に立つことがある。

アナリストや記者の取ってきた一次情報が含まれるコンテンツとして証券会社のレポートや専門的なメディア(業界紙など)の記事も有用なインプットとなる。個人投資家にレポートを公開している証券会社は数少ないが、一通り口座を開いて興味あるものに目を通している。野村證券とSMBC日興証券がとくに質の高いレポートを出しており、この2社のレポートは毎朝読んでいる。残りの証券会社は週末など時間のあるときにまとめてチェックすることが多い。

レポートはレーティングや目標株価を見ても意味はなく、むしろヘンにアンカリングされて害になる気がする。大切なのはそこに書かれたファクトや業績予想のロジックを吟味することである。そのときどきで興味のある業界紙を読んだり、関連する公的な統計や業界団体の発表資料があれば、どれだけ参考になるかは別としていちおう参照している。たとえば造船会社のポジションを持っているなら「海事プレス」「海事総合誌COMPASS」を読んだり、日本船舶輸出組合が毎月発表している輸出船契約実績を見ておくと業界のトレンドをなんとなく把握できる。

他の個人投資家と交流したり、株ブログやTwitterでさまざまなスタイルの参加者がどういうことを考えてどういうトレードをしているか知るのは、そのときどきのマーケットの雰囲気を捉えるのによい。株へのモチベーションを維持することにも繋がっているように感じる。

投資アイディアの検討

投資アイディアの見つけ方には個別性が強く、一概にこうやればよいと述べることは難しい。もっとも一般的な流れとしては、その企業の収益構造を理解して、開示資料などから材料を集めてきて目先の業績を予想して、コンセンサスと比較する。業績が株価にまだ織り込まれていないだろうと考えられたら、それは立派な投資アイディアである。

実例を見てもらうとイメージしやすいとおもう。わたしのベストトレードの1つと言えるのがこの記事に書いたIGポートのトレードで、狙い通りの業績が出てくれて2Q決算でストップ高を取れた。この記事に書いたような数字の詰めをいろんな企業について日々やっている。

daken.hatenablog.jp

同じ開示資料を読んでも、そこから得られる洞察の深さはその人の持つ知識によって変わってくる。地道な積み重ねで自分に理解できる企業や業種を1つ1つ増やしていくことが大切で、努力量で勝負できる秀才型のアプローチである。わたしはcisさんやテスタさんのような天才トレーダーではないので、この方法が自分に合っていると思っている。

バリュエーション

バリュエーションをどう扱うかはおおむね投資アイディアに、とくにポジションの保有期間に従属すると考えている。たとえば決算ギャンブルのポジションであれば、多くは一泊二日、長くても1週間くらいしか保有しないのだから、その間にその企業のバリュエーションが変化する可能性は低いだろう(もちろん決算の内容がそのきっかけになることはあるし、それを期待してもいるわけだけど、実際にそれが起こる頻度はそこまで高くない)。逆に長期的に保有するポジションであれば、その間にマーケットの環境に変化が生じて、その企業なり属するセクタなりに許容されるバリュエーションの水準が変化する可能性は高くなる。2021年から2022年にかけてPSRで評価されるようなSaaS企業の許容バリュエーションが大きく切り下がったことは記憶に新しい。

ハッキリした線引きが自分の中にあるわけではないが、想定される保有期間が3ヶ月(言い換えると次の決算発表まで)に満たない場合はバリュエーションを気にしない。PERが50とか100とか付いていたり、自分の目線から見て高すぎる株であっても、コンセンサスを上回る決算になりそうだとか、なにかポジティブな開示が出そうだと考えたらポジションを取るし、それで明らかにパフォーマンスが損なわれているという感覚はない。保有期間が3ヶ月を超えるに従って、バリュエーションを考慮する比重が徐々にあがっていくようなイメージを持っている。

バリュエーションを見るときには(1)ヒストリカルPER、(2)似通った上場企業との比較(いわゆるcomps)の2点を参照し、現在の株価がどのあたりの水準にあるかを確認する。相対的に高い水準にいればそのぶんだけポジションの期待値が下がるように思われるが、定量的な評価はできておらず、感覚でポジションサイズを調整している。本来なら(3)としてその企業の将来の業績やキャッシュフローから想定される理論的な企業価値(DCF法や配当割引モデルなど)を確認すべきと思うが、自分の能力の問題もあって手が回っていない。バリュエーションについてはもっとしっかり勉強したい。マッキンゼー『企業価値評価』を読もう読もうと思いつつ手が付いていない。

トレード

投資アイディアにもとづいて以下のようにポジションの遣り繰りをしている。

  • ポジションを建てるとき: そのとき持っている投資アイディアの中から取捨選択してポジションを建てていくことになる。相対的に自信の持てるものは即座にポジションを建てて、そうでないものはストックしておいて決算ギャンブルに回す。しかし原則論でいえば、自分が考えるようなことは他の参加者だって考えているはずだし、(その投資アイディアが正しいとして)どのタイミングで株価に織り込まれるかはランダム性が強く予測しがたいのだから、さっさとポジションを建てたほうがよいのだろう。いわゆる打診買いのようなことはせず、欲しい数量を一度に買うことが多い。そのポジションに期待値があると考えるから買うのだし、それなら欲しいだけの株数を一度に買えばフルに期待値を取れるのだからそうすべきで、打診買いはアイディアに自信の無いものがやることである。ただし最近は流動性の問題から数日にわけて買うことが増えている。

  • ポジションを手じまうとき: そのポジションをどういうふうに手じまうかは投資アイディアに従属するため、ポジションを建てたときにあらかじめ手じまい方は決まっている。決算ギャンブルであればその決算を通過したら手じまうし、上方修正などのイベントに期待するポジションであれば上方修正が出るはずの期間を過ぎたら結果はどうあれ手じまうし、未来の業績に期待するポジションであればその業績が実現したら手じまうし何かの理由で否定されたらそれはそれで手じまう。マーケットが急落しボラティリティが高まる局面で、グロスを落とすために相対的に自信のないポジションを手じまうことはあるが、たとえば「いまはネット120%あって重たいから100%まで落とそう」とかそれくらいの減らし方で、そこまで大きくポジションを減らすことはない。性格が逆張りなので相場が下がったのを理由にポジションを手じまうことに抵抗があり、対処が遅れて大きなドローダウンを食らうことも多い。

なお、わたしは執行には優位性がなく、というか明らかにへたくその部類であって、雑に売り買いして過大な執行コストを支払っているという自覚もあるので、その点について書けることはなにもない。もっと執行のうまい人にかわりに売り買いしてもらえたらきっとパフォーマンスが向上するのにとよく考える。

やらないこと

個人投資家が株に割ける時間は限られており、貴重な時間をパフォーマンスに繋がること"だけ"に使うべきである。やったほうがよいことを挙げていったらキリがないが、そのリストを削っていってやることを絞り込むのが大切だと考えている。

  • チャートは見ない。テクニカル系の指標なども見ない。持ち株の値動きは昼休みと引け後にさっと確認すればそれで十分である
  • 四季報は持ち株だけ確認して、通読はしない
  • 日経新聞や一般紙はTwitterのタイムラインに流れてきた記事だけ読むが、全体を読むことはしない
  • マクロの動向を過度に追わない。個人投資家が中央銀行の動静を気にしたり、地政学的なリスクをケアするのはむしろパフォーマンスを損ねるケースが多いように思われる
  • ザラ場は基本的に見ない。売り買いは寄り後と大引け前の時間帯にやっている。ただし買うかもしれないIPOの初値が付くときと、決算シーズンだけは見れる範囲でザラ場を見ている

わたしのパフォーマンスは適時開示を愚直に読むことから得られていると考えており、適時開示を読んでそこからアイディアを得ることに時間を優先的に使うように心がけている。

[今週のトレード] 2023/6/23

今週の資産推移は+3.2%(+1450万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.5%、マザーズ指数が-0.0%と指数に対してアウトパフォームでした。

今週は東証大型株指数-1.8%に対して東証小型株指数が-0.4%、ようやく指数ショートが順風になる環境になりました。しかしこういう相場になるとヘッジといいつつ自分の取っているエクスポージャーがいかに偏っているかを思い知らされます。ザラ場に簡単に日経平均が500円くらい動くピーキーな値動きが続いており、一時期の強さはなくなったものの高原でもみ合っています。野村6/19のクオンツレポート『日本株買い余力を残す投機勢』では海外勢にはまだ買い余力があり、とくにマクロヘッジファンド日本株ポジションを縮小した状態で株高がペインになっているそうな。

6月IPOはここまで7社が上場しましたが、地合のせいで初値が高くなってしまいここまでほとんど触れず。ABEJAは初値で時価総額400億ちょいになるのを見て、たしかに良い会社だろうけどこれは高すぎるでしょ、とスルーしたらそこからさらに2倍まで付けました。いずれも時価総額を見たら買えない水準で空中戦をやってる感じで、金曜にCUCだけ触りましたがこれも時価総額950億はまだまだ高すぎるような気がして腰は引けています。とにかく初値が高くてそこからのアップサイドに乏しいものばかりなので、グロース株を買うにしてもわざわざIPOセカンダリをやらなくて良さそうに思います。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 464,973,692円
  • 前日比 -6,466,790円 (-1.37%)
  • 月初比 +23,587,863円 (+5.34%)
  • 年初比 +141,617,615円 (+43.80%)
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信用 (野村)

[今週のトレード] 2023/6/16

今週の資産推移は+0.8%(+347万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+3.4%、マザーズ指数が+7.5%と指数に対してアンダーパフォームでした。

アメリカCPIはコンセンサスを下回りFOMC金利据え置き(ただしドットプロットはタカ派的)と、マクロイベントを株式市場にとって都合の良い形で通過して日本株は今週も上値を追いかけています。日経平均は年初来で+29.2%となりました。年初にこれを予想していた人はほぼいないでしょう。ものすごい相場を目の当たりにしていると思います。

jp.reuters.com

www.bloomberg.co.jp

今週はINTLOOPが決算後に売られたこともあってギリギリのプラスにおわり、上げ相場について行けていない焦燥感があります。指数ショートとネットして1.2倍くらいのレバレッジが掛かっており、指数と同じくらいは増やしたいのですがまったく追いつかない。triplaを2Qは季節性が弱く見栄えの悪い決算になることが明らかだったので決算前にいったん手じまって、思った通りの決算が出てきてさあ買い直そうと思ったらあっという間にリバウンドしてしまい同じ株数を買えず。こういう決算絡みのポジション調整は裏目に出ることもあるけど、トータルではプラスに寄与していると思うのだけど、でもちゃんと集計してるわけじゃないしコストをさっ引いたらどうなんだろうなあ。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 450,472,397円
  • 前日比 +13,941,243円 (+3.19%)
  • 月初比 +9,086,568円 (+2.06%)
  • 年初比 +127,116,320円 (+39.31%)
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[今週のトレード] 2023/6/9

今週の資産推移は+1.1%(+484万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.9%、マザーズ指数が+2.0%と指数に対してアンダーパフォームでした。

指数に勝てない日が続きます。今週は東証大型株指数+2.1%に対して東証小型株指数+1.3%で依然として大型株優位、先物主導で吊り上げるように上がって行く場面はたびたびあるけれど1ヶ月くらいずっと続くのはあまり記憶にない。2020年11月以来かな、あのときも苦しかった。こういうときにうまいことやる器用さはないので小型株のターンがくるまで耐え忍ぶことになります。

今週はユーザーローカルを手じまい。月曜日にkabutanの煽り記事で10%くらい上がって「ここが売り時だな!」と全部売ったらなんと今週+33.2%、いちばんおいしいところを取り逃すことになりました。あーあ……。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 447,003,021円
  • 前日比 +805,989円 (+0.18%)
  • 月初比 +5,617,192円 (+1.27%)
  • 年初比 +123,646,944円 (+38.24%)
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信用 (野村)

[今週のトレード] 2023/6/2

今週の資産推移は+0.6%(+252万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.7%、マザーズ指数が+4.4%と指数に対してアンダーパフォームでした。

先週は一部のセクタばかり買われる二極化した相場でしたが、今週は半導体が一休みしてグロース株が物色されて、いくらかはやりやすくなりました。ただ大型株の優位は変わらず(東証大型株指数の今週+2.2%に対して小型株指数は+0.5%)、指数ショートでヘッジしていると股割きになるのはそのままです。指数に勝てない日が多くストレスを感じます。株ブログを見ても小型株中心のポートフォリオの方は指数になかなか勝てていないようです。

先週で決算後のポジション入れ替えを終えたこともあってポートフォリオは変わらず、このところ忙しいこともあってしばらくはあまり弄らずに行くと思います。今月のIPOラッシュが始まるまでに予習をやっておかないと。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 442,161,394円
  • 前日比 +7,043,647円 (+1.62%)
  • 月初比 +775,565円 (+0.18%)
  • 年初比 +118,805,317円 (+36.74%)
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信用 (クリック)

信用 (野村)

2023年5月の振り返り

パフォーマンス

外国人投資家の買いで大型株ばかり上がる相場で日経平均は今月+7.0%、セクタでは半導体が目立って選好されてアドバンテストが今月+69.9%という驚異の買われ方でした。外国人投資家は8週間連続の買い越しで、総額3兆6000億円という金額は2013年12月以来の規模だそうです。2013年のときと違って日本を買う理由が明確でなく、消去法で選択されているように思えて釈然としない感じもあります。

www.nikkei.com

ただ、NVIDIAのLLM向けの需要に支えられてTSMCの先端プロセスの稼働率がフル稼働に戻っているという話があり、半導体セクタの上げも根拠があって近い将来の折り込みをしているのかもしれないし、相場全体の動きにあまり予断を持たないようにしたい。いつも同じことを書いているような気もしますが。

今回の決算シーズンはグロース株の業績当てゲームをやるよりも、配当が増えそうなやつを買う方が期待値を取りやすいという変則的なルールで、そこさえ押さえていれば難易度としてはイージーだったと思います。グロース株の好決算には出尽くしがあるけど、高配当なら事前にアナウンスがあって高い確度で予測された増配であっても素直に買われ、配当利回りで6%くらいまでは株価が押し上げられるので安定度が段違い。配当利回りだけを見て株を買う層の厚みを感じました。今月のパフォーマンスは決算絡みのトレードで何とか格好が付いた形。

今年の6月はIPOが多いですが、小型でパッとしないものが多く、あまり盛り上がらないのでは。小型新興の資金はいったんそちらに拘束されるでしょうが、戻ってくるのも早いのではと思っています。

ポートフォリオ

ポートフォリオの状況です。今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと以下の通り。

  1. 月の途中で買ったもの: +2650万 (#2, #6, #7, #9, #10, #11, #13)
  2. 月初から持ってたもの: +960万 (1.の7つ以外)
  3. 短期トレード: +1110万
  4. 指数ヘッジ: -2030万
  5. 配当: +20万
  6. 源泉徴収: -620万

1.は高配当枠として#6, #7を、目先の業績や受注を期待して#2, #9, #10, #11, #13をポートフォリオに入れました。決算シーズンの月で多めの入れ替えとなっています。

2.は月初67593万のポジションサイズに対して+960万となり、パーセンテージにして+1.4%。TOPIXに2%ほど劣後しており、サイズによる格差が大きい相場で小型株中心のポートフォリオとしては順当な負け方でしょうか。日経平均先物で建てている指数ヘッジと股割きになり、2.だけでは指数ヘッジのマイナスをカバーできず、やはり5月は難しい月だったと思います。

3.はほとんどが決算ギャンブルによるもので、最大のプラスはセグエの+340万、最大のマイナスはギークスの-141万。ギークスは前期に広告費をたくさん使っていて、今期はその反動でガッツリ増益のガイダンスになるだろうと思ったら四季報予測にも届かない期待外れのものが出てきました。買収したオーストラリアの子会社ももっと利益貢献すると思っていましたがさっぱり……。

業種の構成。機械(#2)と輸送用機器(#7, #9)が増えて2位と3位に、かわりに情報通信が減って4位になりました。4月との比較ではシクリカルに偏りましたが、外需と内需で分けたらまだ内需の方が大きいポートフォリオで、バランスとしてはまあこんなものじゃなかろうか。ポートフォリオの分散の観点では電気・ガスの会社を買っておけばよかったと思いますが、株価はここまでの上昇で目先の出来事をだいぶ織り込んだように見え、今からは買いづらいと感じます。

日本株マーケット

電気機器、精密機器、機械が上位に並んでいるのは半導体が盛り上がった影響が大きそう。保険業は大手の決算がおしなべて強かったからかな、各社大きめの自社株買いも出していましたし。業績改善への期待がある電気・ガス業も上位にいますね。下位のほうを見ると、海運業が最下位なのは決算が株主還元的に期待外れだったから? 石油・石炭と非鉄金属コモディティ市況が軟調だったからでしょうか。全体としては上げ相場でしたが業種ごとの差が大きく、2極化した相場だったことが伺えます。

ボラティリティーと高ベータがトップ2にいるのは半導体セクタがそうだから? 全体的にグロースっぽいファクターが上位、バリューっぽいファクターが下位にいるし、低配当利回り>高配当利回りになっていたりして、自分の感覚と乖離があるな……。今月買われたセクタの特徴がそのまま上位にきているような気がするし、ファクターよりもセクタで売り買いされた結果のような(よくわかってないですが)。今月の日本株はなにか極端な動きをしていたと思うし、Twitterのタイムラインにいるクオンツ系の人たちも苦戦していたみたいで、普段とは違う1ヶ月だったんでしょうね。