駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

2022年4月の振り返り

パフォーマンス

3月後半のリバウンドも今は昔、上海をはじめ中国の大都市がロックダウンに入ったり、ロシアと西側諸国の鍔迫り合いがエスカレーションしてポーランドブルガリアへの天然ガス供給が止まったり、FRB理事がマーケットの臨界点を試すようなタカ派発言を連発したり、悪いニュースが矢継ぎ早に出てきて散々たる1ヶ月に。ゴールドやビットコインも下がってコモディティも頭打ちの値動きになり、マーケットは総じてリスクオフモードになっています。

今月はあまりポートフォリオを動かさず、うっかり手を付けてしまった原神をやりつつ決算の予習をしていました。好決算などポジティブな開示があってもなかなかモメンタムが続かない状況で、個人メインの銘柄は視聴率が落ちたらたちまち値を消してしまうので、結果的にはいくらか上がったら小まめに減らしておくのが正解でした。フロンティアインターナショナルや守谷輸送機を上がったところで2~3割でも減らしておけばなあ。そうしようか迷いはしたんですが。

TOPIXマザーズ指数を足して割ったくらいで、指数どおりと言えなくもないパフォーマンスではありますが、感覚的には数字よりも厳しい月でした。打っても響かない、なにをやっても勝てないという、1月の無理ゲーっぽさに近い感じ。TOPIXが1%くらいプラスなのに自分の資産はマイナスという日が連続したり、全体が上げるときにポートフォリオが付いていかずヘッジに負けることが多かったです。指数が上がってるのに自分の資産が増えないと精神的にしんどい。

今年に入ってからたいていのニュースがリセッション懸念に帰着してしまい、「インフレだ! リセッションだ!」「逆イールドカーブだ! リセッションだ!」「中央銀行の引き締めだ! リセッションだ!」「欧州エネルギー危機だ! リセッションだ!」ってのを延々やっていて、Twitterのタイムラインを眺めていてもセンチメントの悪化を感じます。

去年11/17からのドローダウンは年末の出金を調整して-15.2%となりました。だいぶ借金返済が遠のいてしまったなあ。

ポートフォリオ

ポートフォリオの一覧表です。決算ギャンブルなどのド短期のポジションは省いています。まず今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと、

  1. 月の途中で買ったもの: +70万 (#2)
  2. 月初から持ってたもの: -2,430万 (#2以外)
  3. 短期トレード: +70万
  4. 指数ヘッジ: +360万

1.はお気持ちインフレヘッジで買ったINPEXのみ。

2.は月初に31,961万あったところ-2,430万で、ポジションサイズに対して-7.6%。月間騰落率の単純平均は-5.3%で、#19. #20などポジションサイズの大きなものが2桁パーセント下げたのがパフォーマンスを損ねています。「この時価総額なら明らかに安いぞ」と思って買ったものがあれよという間にそこから3割くらい下げていくんだよな、これが下げ相場……。

3.はほぼ決算ギャンブルで、今月は決算ギャンブルには厳しい地合でしたがトータルでプラスにはなりました。最大の利益はワッツの+54万、損失はエーアイテイーの-21万でした。

4.はいつも通りの指数ヘッジですが、個別株の買いポジションに対して35%くらいの金額を建てていたのに、小型新興株が劣後する月だったため2.の損失を15%くらいしかカバーできていない。日経平均&TOPIXマザーズ指数がこれくらい乖離する月は多くありませんが、ヘッジの難しさというか、そもそも自分がやっているのはどこまでヘッジと言えるのかと考えさせられます。

日本株マーケット

今月はファクターごとのリターンにあまり差が付いておらず、日替わりでころころ変わる一貫性のない地合で、1ヶ月をならすといずれのファクターも平均に近いところに落ち着いたという印象です。低ボラティリティと低ベータがトップ2で、下げ相場の中でボラティリティの小さい銘柄が相対的にマシだった、ということでしょうか。

農林水産業がトップなのはウクライナ情勢の影響、資源高にもかかわらず電気・ガスが上位にいるのは原発再稼働の折り込みによるものと思われます。最近ずっと相対弱かった食料品が上位にいるのはもう値上げの時期に入ったからでしょうか(野村のレポートによると原料高を織り込む時期は下げるけど、値上げが始まると指数をアウトパフォームする傾向があるそう)。中国のロックダウンでリセッション懸念が喧しかったためかシクリカルセクタが下位に並んでいます。

所感

  • ドル円のレートが130円を超えて、円建てで資産を保有することのリスクが喧伝されています。自分の資産は9割以上が日本株にアロケートされており、最近お誘いいただいて海外不動産の投資話を聞く機会があったりもして、今後の資産運用をあらためて考える機会になっています。

  • 自分のここ数年のパフォーマンスは、日本語で開示資料を読めること、日本の個人投資家コミュニティに属していること、消費者として店舗を訪れたり製品を試したりできることに依存していて、日本株だから出せたものと認識しています。(もちろん地合や運のおかげでもあります。もう一度500万の元手から2億にしようとしてもきっとできないでしょう)

  • 日本株以外のアセットでは優位性を出せないし、日本株でこれだけ増やせているんだからこのままでいいだろう……と思っていたけれど、今年はぜんぜんダメでTOPIXにも劣後しており、この状態が続くようなら資産のいくらかを外貨建てのアセットに替えることを考えたい。まず全世界株式のインデックスファンドを買って、あとは不動産かコモディティかな。もう少し日本株を頑張るつもりではありますが。