駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[投資本] アルゴリズム取引の正体

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東証カジノでも猛威を振るうアルゴリズムについて書かれた本。2018年11月の出版で、HFTにも1章が割かれているなど、それなりに最近の事例までフォローされています。株とFXのアルゴリズムが扱われており、文量としては株が8割、FXが2割くらい。

この分野の概観をまとめたという感じで、取り上げられているアルゴリズムもぐぐって見つかるようなレベルの記述に留まっていますが、見通しを掴むにはよくまとまっています。大学の教科書みたいなスタイルで、文体も硬くやや読みづらいです。ただ、言葉の定義などをいちいち丁寧にやって進めていくので、前提知識がなくても読めるようになっています。

最近は日本株もあらゆる銘柄にアルゴがいるような状況で、株のトレードをしていると日常的にアルゴの動きを目にします。本書を読んでいると「あっ、このアルゴよく見るやつだ!」とか思い当たる箇所が多々あって、株をやる人はそういう意味で楽しめるはず。トレードにそのまま役立つような本ではありませんが、トレードステーションなどでシステムトレードをやるような人であれば参考になるのかも。

本書で扱われているアルゴリズムは以下の通り。

執行アルゴリズム

執行のリスクやコストを抑えるためのアルゴリズム

アイスバーグ (Iceberg)

注文を小出しにするアルゴリズム。本当の注文数量のうち、板には一部しか見せず、板に載せた注文が約定すると次の注文を発注する。

ステルス (Stealth)

自分の注文を板に出さず、板に買いたい値段の注文が出てきたらそれをテイクする。

ペギング (Pegging)

最良気配から一定値もしくは一定割合離れた指値注文を出し、最良気配が変動するとそれに追随させるアルゴリズム。マーケットメイクに使われることもある。

レイヤリング (Layering)

各価格の中で優先度の高いポジションを取るために、複数の価格に分散して指値注文を入れる。

流動性ドリブン執行 (Liguidity Driven Order)

板の流動性を監視して、流動性が一定以上になったときに発注する。

SOR (Smart Order Rouiting)

複数の市場から最良の市場に発注する。

ベンチマーク執行アルゴリズム

執行結果を何らかのベンチマークに近づけるアルゴリズム機関投資家が大口注文に使用する。

TWAP (Time-Weighted Average Price)

時間で平準化して発注するアルゴリズム。取引したい数量を等時間間隔に分割して発注する。

VWAP (Volume-Weighted Average price)

自己のVWAPを市場のVWAPに近づけることを目指すアルゴリズム。日中の出来高分布で正規化して分量をスライスして発注することが多い。

POW (Percentage of Volume)

市場の出来高に対して一定割合を占めるように発注する。

PI (Price Inline)

VWAPの変形版。VWAPよりも現在の価格が小さいときは大きめの数量で、大きいときは小さめの数量で発注する。

MOC (Market on Close)

自己のVWAPを市場の終値に近づけることを目指すアルゴリズム

IS (Implementation Shortfall)

売買意思決定時の市場価格をベンチマークとするアルゴリズム

マーケットメイキングアルゴリズム

マーケットメイクに使用されるアルゴリズム。売り買い両方の注文を板に出す。

市場仲値参照

市場仲値を参照して自己の注文価格を決定する。

市場実勢価格連動

板の状況が変化して価格がどちらかに動いたときに、取り残された指値注文をテイクする。

市場流動性活用

板に他の参加者の大口注文があるとき、その手前に発注する。

裁定アルゴリズム

マーケットの歪みに注目して裁定をおこなう。

同一商品間裁定

同一の商品が複数の市場で取引されている場合に、その価格差を裁定する。

理論的裁定

デリバティブなど、金融価格などのモデルに従って理論的な価格が算出できる対象について、理論価格との価格差を裁定する。

統計的裁定

他の市場参加者が気付いていない統計的な歪みを裁定する。

ディレクショナルアルゴリズム

値動きを予測して積極的にマーケットリスクを取る。

トレンドフォロー (Trend Following)

過去時点で発生したトレンドが未来も続くことを期待して取引を行う。

モメンタムトレーディング (Momentum Traing)

短期的に発生したモメンタムに乗る取引を行う。

ミーンリバージョン (Mean Reversion)

価格変動が行きすぎたときに均衡価格に戻ることを期待して取引を行う。

レンジトレーディング (Range Trading)

値動きがあるレンジで推移することを期待して取引を行う。

ニュース・イベントドリブン (News / Event Driven)

企業のニュースや指標の発表など、株価の動く契機で取引を行う。

市場操作系アルゴリズム

他の参加者を誘導するなどして市場操作を狙う。不正な要素を含むこともある。

フロントランニング (Front Running)

ブローカーが顧客からの注文情報を利用して、自己に有利な自己売買を行う。

スプーフィング (Spoofing)

複数の価格に大量の注文を出し、他の投資家の予測を誤認させる。

ストロビング (Strobing)

一瞬だけ板に注文を出すことで、他の参加者の予測を誤認させる。

モメンタムイグニッション (Momentum Ignition)

特定方向に注文を出すことで他の参加者の予測を誤認させる。

ストップロスイグニッション (Stop Loss Ignition)

他の投資家のストップロス注文を狙って値動きを誘導する。

プッシュザエレファント (Push the Elephant)

売買意思があると思われる大口注文が板にあるときに、自己の注文で最良気配を更新することで大口の注文を誘導する。

ゲーミング (Gaming)

自己の注文で最良気配を更新し、気配値を参照しているダークプールの価格を操作する。

[今週のトレード] 2019/04/26

今週の資産推移は+0.5%(+35万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.1%、マザーズ指数が+0.7%と指数に対してまちまちでした。

GW前の閑散相場。11連休もあるので手じまい売りが出るとか言われていましたがそんなこともなく、小動きで終わりました。

4月はちょいマイナスくらいで終わりました。日経平均のヘッジ売りで股割きになったのと、エヌリンクスの決算で食らったのが痛かった。その2つで-5%くらい寄与。 今月は難しかったです。指数は大人しめでしたが個別の動きはトリッキーで、素直にモメンタムに乗れる人が勝つ相場でしたね。

今週の取引

5204 石塚硝子 (-)

買い玉を立てて持ち越し。

今季予測がサプライズ的に良かったもののスイングトレード

www.nikkei.com

6722 エイアンドティー (-155,027)

買い玉を手じまい

決算ギャンブルでダメだったやつの損切り

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 65,628,793円
  • 前日比 -113,077円 (-0.17%)
  • 月初比 -32,995円 (-0.05%)
  • 年初比 +16,961,161円 (+34.85%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2019/04/19

今週の資産推移は-0.5%(-35万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.7%、マザーズ指数が+1.9%と指数に対してアンダーパフォームでした。

先週と同じような流れで、大型株が主導で日経平均TOPIXをアウトパフォームする週でした。NT倍率は過去1年の高値を付けました。

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ポートフォリオで上げたのはプロレド(+8.5%)、アドバンテスト(+6.9%)、エスケーエレクトロニクス(+5.8%)、フロンティア(+4.8%)。下げたのはエヌリンクス(-24.6%)、メディアリンクス(-11.3%)、多木化学(-7.2%)、アイリッジ(-7.0%)でした。

今週の取引

6094 フリークアウト (-)
6664 オプトエレクトロニクス (-)
6722 エイアンドティー (-)
7725 インターアクション (-)

上4つは買い玉を立てて持ち越し。

フリークアウトは最近いくつか買収をして海外(特にアジア圏)に進出中で、今後の業績拡大を期待して買った。海外進出がうまくいくかはまだ何とも言えないのですが、ここはアドテク会社の中でもエリート集団で経営陣も優秀と認識していて、どちらかというと人材のクオリティへの期待感が大きいです。伊藤忠の資本が入った安心感もあります。ネット広告の会社はどんどん系列化が進んでいて、独立系のまま残るのはごく僅かになっていますね。

オプトエレクトロニクスは1Qで強い決算を出した後に調整して、買えるところかなと思って買ったもの。エイアンドティーは決算ギャンブル用。インターアクションは買いたいと思っていたらMSSOを発表して、そこから3割くらい下落して調整中だったところ、MSSOの行使停止のリリースを出したので買った。ここは事業内容はよいのですが需給が悪くて、信用買い残が発行株数の10%くらい積み上がっているのがちょっとアレですが。

3917 モバイルファクトリー (+255,955)
6332 月島機械 (+487,524)
6578 エヌリンクス (-24,069)
7809 壽屋 (-230,738)

上4つは買い玉を手じまい

モバイルファクトリーはだいたい決算ギャンブルで持っていた建玉。1Qは進捗率25%と平凡な決算を出して、GUしたので売りました。月島機械は次が本決算の発表で、前期の数字がよいはずなので今期予測の見栄えが悪くなる懸念があっていったん売った。今期予測によっては買い直せると思います。エヌリンクスはクソ決算を出して今期予測が3割くらい減益、決算説明資料もわけわからなかったので売り。壽屋は場中にしょぼい材料を出して10%くらい上に跳ねたのでここでいいやと思って売りました(その日のうちに全戻しした)

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 65,277,155円
  • 前日比 +1,313,085円 (+2.05%)
  • 月初比 -384,633円 (-0.59%)
  • 年初比 +16,609,523円 (+34.13%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2019/04/12

今週の資産推移は-0.5%(-31万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.3%、マザーズ指数が+0.4%と指数に対してまちまちでした。

先週に引き続き大型が強く、日経平均だけ上げ続ける週。金曜の日経平均先物は22,070円で引けて、このまま行けば週明けGUで22000円回復となりそうです。その割に相場全体としては振るわず、騰落レシオはキャプチャの通り。海外勢の片寄った買いでつり上げられるパターンですね。

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木曜の引け後には安川電機の本決算発表がありました。今期予測も減益で受注も振るわないというネガティブなものでしたが、翌日の値動きは-3%ほどで寄りついてから上げていってプラ転して終わりました。この内容でも許されるのかという感じで、今回の決算シーズンを示唆する動きだったような気がします。

www.asahi.com

ポートフォリオは苦戦中。日経平均先物でヘッジするせいで股割きになっているのと、エヌリンクスの決算でS安を食らったのがマイナスに寄与しています。ついに今月マイ転となりましたがここから戻せるかどうか。10連休前で個人のセンチメントが弱いこともあって、今月はどうも厳しい状況が続きそうです。

今週の取引

6857 アドバンテスト (-)

買い玉を立てて持ち越し。

アドバンテストはどこかで買おうと思っていたシクリカル銘柄で、決算通過で今期の予測を見てからにしたかったのですが足下の相場でシクルカルが強いので買ってしまった。

2334 イオレ (+388,231)
6093 エスクローAJ (+211,119)

上2つは買い玉を手じまい

イオレは買値から3割ほど上げてもういいかなと思って。エスクローAJは決算ギャンブルのつもりで買ったものの、決算前に10%ほど上げたので発表当日に手じまいました。強めの自社株買いを発表して翌日GUだったので結果としては持ち越した方がよかった。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 65,625,324円
  • 前日比 -1,909,552円 (-2.83%)
  • 月初比 -36,464円 (-0.06%)
  • 年初比 +16,957,692円 (+34.84%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] バフェット 伝説の投資教室 (ジェレミー・ミラー)

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ウォーレン・バフェットが過去に書いた投資家へのレターを編集した本。バフェットは1956年に自身のファンドを立ち上げ、年に2回のペースで出資者に運用状況を報告するレターを書いていました。それらのレターから著者がテーマごとに抜粋し、解説を付けるという構成になっています。同じような本として『バフェットからの手紙』がありますが、『バフェットからの手紙』はバークシャー・ハサウェイの年次報告書を編集したもので、本書はそれよりも時期的に前ということになります。

内容はファンドの投資内容が2/3、ファンドの運営方針が1/3というところ。後者は今となってはあまり読む意味がないように思われますが、前者はバフェットの投資哲学がうかがえて参考になります。ただ具体性に乏しい箇所が多く、「指数に勝つことが大事」「複利効果を味方にしよう」のような一般論に終始する章もあります。バフェットの書く文章は得てして修辞的で難解なのですが、著者がうまく解説をつけていて読みやすい本になっています。

興味深く思ったのは、ファンドの運用規模が大きくなったことによる投資手法の変化です。バフェットのファンドは10万ドルほどで設立され、その後の好調な運用成績で7年後には700万ドルを超えるまでになりました。

私のシケモク戦略は、少額を運用している間は非常に上手くいきました。実際、1950年代に無料の煙を得る機会が幾度となくあったおかげで、その後の10年は相対ベースでも絶対値ベースでも人生最高の成果を上げることが出来ました。 ところが、この戦略に大きな欠点があることが次第に明らかになってきました。シケモク投資はある程度までしか対応できなかったのです。投資金額が大きくなると、まるで上手くいきませんでした。

シケモクとは財務面で割安な銘柄、いわゆるネットネット株のことです。ファンド設立から間もない時期のバフェットは師匠のベンジャミン・グレアムの影響からもっぱらシケモク投資をやっていましたが、60年代中盤になると相場の好調さもあって割安な銘柄が少なくなり、優良企業に集中的に投資するスタイルに変わっていきます。また、TOB裁定取引や今日でいうアクティビストのようなこともやるようになります。

運用規模の変化で試行錯誤する様子は本書のあちこちから伺え、60年代になるとそれまでのような高いパフォーマンスを上げ続けるのは難しいということをレターの中で述べるようになり、1967年にはファンドの公式な期待利回りを下げることになります。著者は1章を割いてこの問題を扱っています。

バフェットは1956年の設立から1970年に身を引くまでファンドの運用を手がけましたが、15年もあると相場の状況もさまざまです。バフェットのファンドは全ての年で指数をアウトパフォームしましたが、それでも上げ相場ではグロース投資のファンドにパフォーマンスが劣後する年が続くことがありました(これは2000年前後のITバブルでも見られた)。バフェットはバブルな時期には「一般市場の水準は、内在価値を上回る値付けになっていると私は見ています」と出資者に説明し、相場が下げに転じるとパフォーマンスがぼろぼろになったグロースファンドを軽く揶揄したりします。

本書で書かれているバフェットの投資方法は、全体的に今の個人投資家がそのまま真似できるものではないですが、読んでいくとあちこちにヒントがある本と思います。

[投資本] テンプルトン卿の流儀 (ローレン・C.テンプルトン)

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テンプルトン卿(ジョン・テンプルトン)の生い立ち、投資哲学、トラックレコードについてまとめた本。テンプルトン卿は20世紀中盤から終盤にかけて活躍したファンドマネージャーで、彼のテンプルトン・グロース・ファンドは長期間にわたってマーケットをアウトパフォームし続け、すばらしい実績を残しました。

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テンプルトン卿の投資スタイルはバリュー投資です。幅広い候補から割安な投資対象を見つけ出し(バーゲンハンティング)、水準が訂正されるまで長期保有します。マーケットが悲観の極みにあるときに勇気を持って買うことが大事だということが繰り返し言葉を換えて出てきて、最後の売り手が市場を去った後に機敏に買い手側に回るんだ、「ウォール街に血が流れているときが最高の買い時」だと述べられます。翻ってバブル相場に対しては1章を割いて、南海泡沫事件から2000年ごろのITバブルに至るまで徹底的にdisっています。

テンプルトン卿の投資で良いのは、個別銘柄の分析だけでなく、世界情勢や国家体制などのマクロな視点から投資対象を選択していることです。アメリカ株に限らず世界中の株式に投資するし、相場が悪いときには債券に資金を移したりもしています。(ITバブルの崩壊)

投資家の課題は悲観論や恐怖、不安から生み出される投資機会をつかむことにあるが、たいていは国ごとに将来の見通しが異なっている。国によって見通しや投資家心理が異なることで資産価格にも国ごとの落差が生じる。もっと端的に言えば、国ごとの見通しの違いから株式のバーゲン価格にも差が生まれる。

ローレン・C・テンプルトン.テンプルトン卿の流儀 (Kindle の位置No.828-831). . Kindle 版.

本書で取り上げられたテンプルトン卿の投資でも、以下の2ケースは特に面白いです。マーケットが暴落したり、他の投資家に「この国は駄目だ」と思われている状況から買い向かっており、だからこそ大きな利益をあげています。投資では大衆の逆を行くことが大事だとよく言われますが、そのよい実例になっています。それ以外にも学びのあるケースがあって(たとえば9.11テロの直後に航空会社の株を買い向かったりしている)、通読の価値がある本だと思います。

第二次世界大戦

  • 1939年、第二次世界大戦が勃発。欧米の株式市場は暴落した。
  • テンプルトン卿はやがてアメリカが戦争に巻き込まれると確信し、そうなればアメリカの産業が軍需に沸くと考えた。
  • テンプルトン卿は元上司から資金を借り入れ、アメリカのマーケットで1ドル以下の全銘柄を買った。1ドル以下としたのは業績の悪い企業ほど軍需の恩恵の度合いが大きいと考えたから。全銘柄としたのはリスクヘッジのため。
  • 購入した株は平均で4年保有した後に売却し、最終的に1万ドルの資金が4万ドルになった。
  • ミズーリ・パシフィック鉄道は0.125ドルで購入した株が105ドルにまでなった。(ただしテンプルトン郷は高値のだいぶ手前で売ってしまったらしい)

日本の高度成長

  • 第二次世界大戦直後の1950年代、大多数のアメリカ人の認識では日本は後進国であり、安価で劣悪な製品を生産する停滞した国だった。
  • テンプルトン卿は戦後まもなく日本を訪れ、日本が工業国として復興すると確信した。
  • 当時の日本には国外の投資家が資本を日本から持ち出すことができないという規制があった。海外の投資家が日本への投資を避ける一因だったが、テンプルトン卿は日本の国際化にともなって規制がなくなると考えた。(実際にその後なくなった)
  • 当時の日本株は割安であり、PERはわずか4倍だった(特定の銘柄のことか、マーケット全体の数字かは読み取れず)。テンプルトン卿はこの時期の日本株日立製作所イトーヨーカドーなどを購入した。
  • その後、日本の高度成長に伴って日本経済の評価は高まり、国外からの投資を集めるようになった。テンプルトン卿のファンドは1960年代後半から70年代にかけてこの恩恵を受け、高いパフォーマンスをあげた。

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[今週のトレード] 2019/04/05 令和、バイオバブル一服、IPOラッシュ終わる

今週の資産推移は+0.4%(+27万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.1%、マザーズ指数が-4.1%と指数に対してまちまちでした。

大型が強く小型新興が弱い週。新興は年初から盛り上がっていたバイオが崩れて、オンコリス(-48.3%)、窪田(-21.9%)、アンジェス(-20.8%)と派手に下げました。オンコリスは1週間で半分くらいになってたんですね。相場全体としては堅調で、アメリEUも強い値動きが続いています。あとは元号が令和にきまりました。

今週後半はシクリカルな銘柄、特に半導体セクタが強く、ポートフォリオではエスケーエレクトロニクスやニューフレアテクノロジーが大きく上げました。米中貿易交渉の進捗を期待してとか言われています。まだ半信半疑ですがようやくリバウンドのときがきたのかもしれません。

ポートフォリオで上げたのはメディアリンクス(+16.3%)、イオレ(+15.2%)、エスケーエレクトロニクス(+12.9%)、富士山(+10.6%)、ニューフレア(+9.0%)。下げたのはジョルダン(-14.9%)、DI(-3.9%)でした。

そして2月からのIPOラッシュが終わりました。銘柄ごとの損益(含み損益込み)は下表の通りで、トータルで20万ほどのプラス。売買した金額に対してちょっとしか勝てておらず、一歩間違えればマイナスだったでしょう。

上場日 コード 銘柄名 損益
02/22 (金) 7049 識学 0
02/26 (火) 4429 リックソフト 0
02/27 (水) 4430 東海ソフト -177207
02/28 (木) 4431 スマレジ 523260
02/28 (木) 7050 フロンティアインターナショナル 717542
03/05 (火) 1887 日本国土開発 -83460
03/12 (火) 7673 ダイコー通産 98780
03/13 (水) 4434 サーバーワークス -126997
03/14 (木) 7057 エヌ・シー・エヌ 0
03/15 (金) 4435 カオナビ -487406
03/18 (月) 7058 共栄セキュリティーサービス 0
03/19 (火) 4436 ミンカブ・ジ・インフォノイド 0
03/19 (火) 7059 コプロ・ホールディングス 0
03/19 (火) 1451 KHC -98722
03/20 (水) 7060 ギーク 380311
03/25 (月) 4437 gooddaysホールディングス 0
03/28 (木) 7674 NATTY SWANKY -623807
03/28 (木) 7062 フレアス 0
03/28 (木) 7061 日本ホスピスホールディングス 0
03/29 (金) 4438 Welby 75719
03/29 (金) 7063 エードット 0
合計 198013

眺めて思うのはIPOはスイッチを切り替えないといけないということです。下に振れたらさっさとぶん投げてもう触らないという諦めのよさが求められますが、スイング~中長期のポジションをいじる感じでやっているとポジションを引っ張ってアホみたいにマイナスを叩いてしまう。

カオナビのマイナスは大部分避けられたはずで、上場初日に明らかにVCのまとまった売りが出ていたので、それを察知した時点でその日はもう諦めるべきでした。VCがたくさん売ったやつはたいてい2~3日は調整に掛かるので,その後に狙えばよかった。NATTYは自分の基準では初日を引っ張ってしまったのはしかたないですが、2日目以降はもう少し速めに手仕舞いに入るべきでした。

今週の取引

4438 Welby (-)
3912 モバイルファクトリー (-)
6093 エスクローAJ (-)

上3つは買い玉を立てて持ち越し。

Welbyは医療アプリの会社。ビジネスモデルの綺麗さ、デジタルガレージの資本が入っている毛並みの良さ、ロックアップOK、というあたりで買いました。持ち続けたい銘柄ですがPER200越えの超割高で、新興市場全体が崩れることがあれば持ちきれないかも。

モバイルファクトリーエスクローAJは決算期待で。モバイルファクトリーはNiaiticの新作が出るタイミングで連想で買われないかなという薄い思惑もありますが、決算の数字が悪ければそこで売るでしょう。

2652 まんだらけ (+11,478)
7674 NATTYSWANKY (-623,807)

上2つは買い玉を手じまい

まんだらけは塩漬け化していたのをようやく手仕舞い。NATTYSWANKYはIPOから下げていくので見切りを付けて売りました。ちょっと損失が大きすぎますね。IPOの見切りが遅いのは悪い癖です。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 65,932,522円
  • 前日比 +1,307,081円 (+2.02%)
  • 月初比 +270,734円 (+0.41%)
  • 年初比 +17,264,890円 (+35.48%)
現物

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信用

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先物

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