駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

2023年3月の振り返り

パフォーマンス

SVB破綻に端を発した銀行危機に振り回された激動の1ヶ月でした。CSの救済合併が決まるかどうかギリギリの交渉をやっていた週末に名古屋に行っており、スマホをちらちら見ながら週明けどうしようか考えていたことを思い出します。結果的には中央銀行や政府が迅速に対処し、いったんマーケットは落ち着いています。自分はというとポートフォリオに銀行株を入れていなかったこともあり、ほとんどリアクションは取らず、平常運転で今月を終えました。

今月はtripla、INTLOOPと2つの決算でS安を食らいつつ、IPOで帳尻あわせて大きめのプラスになりました。最近の決算への反応は小型株でもちゃんと内容を見られている印象があり、期待されていた成長性が否定されたり、会社の主張に疑義があるものは寄ったあとも下げ続けるけれど(アライドアーキテクツなど)、見た目の悪さなどで下げただけで内容に問題のないもの(triplaなど)はわりとすぐに値を戻す傾向があります。個人投資家のレベルが上がっているというか、値動きを作るような資金量の大きい個人がそういう動きをしているのかなと思っています。

銀行危機がこれで収束となるのか、どこかの銀行が危なくなって再燃するのかはわかりませんが、証券会社のレポートを見ると、日本の銀行は健全であり株価も売られすぎという論調が多いです。今年の経済成長率も日本は先進国の中で相対的に良い見通しで、街を歩いていてもあちこち人で賑わっていて活気があるし、今回の銀行危機があってもいまのポートフォリオを持つことにあまり不安は感じていないんですね。それで正しいのかは後になってみないとわからないけれど。

ポートフォリオ

ポートフォリオの状況です。今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと以下の通り。

  1. 月の途中で買ったもの: +1500万 (#1, #7, #11, #13, #15, #33)
  2. 月初から持ってたもの: +1920万 (1.の6つ以外)
  3. 短期トレード: +400万
  4. 指数ヘッジ: -720万
  5. 配当: +20万
  6. 源泉徴収: -450万

1.はIPOを3つ(#1, #7, #11)と、株主還元の強化を発表したものを3つ(#13, #15, #33)。ハルメクは初値で13000株買って、少しずつスライスしていって残り4000株。今月のIPOは地合に恵まれてチャンスが多かったですが、値動きの難解なものが目立ち、難易度は低くなかったと思います。Arentやアクシスは買おうか迷いましたが、仮に初値で買っていたら持ちきれずに投げていたでしょう。

2.は月初63511万のポジションサイズに対して+1920万となり、パーセンテージにして+3.0%。triplaは決算前に減らしていたこともあって月間でプラスになりました。サンクゼール、IGポートなど上げトレンドにあるポジションが素直に上がってくれたという印象です。配当落ちがポートフォリオ全体で600万ちょい。

3.は決算ギャンブルで+340万、その他で+60万。決算ギャンブルは手数は少なかったものの好調で、anycolorの+131万が最大の利益、日本駐車場開発の-25万が最大の損失でした。

4.は現在指数ヘッジをほとんど日経平均先物で建てており、日経平均が相対強かった(今月+2.2%)ためマイナスが大きくなっています。

6.は源泉徴収でさっ引かれたぶんはこれまで適当に混ぜていたけど、今月は金額が大きめだし分けてみました。このあたりどうまとめるのが適切なんだろう。1.~3.の正味のパフォーマンスを見るという意味では分けた方がよいのかな。

日本株マーケット

銀行と保険が2桁マイナスでワースト、証券とその他金融も銀行危機の影響で売られました。不動産もそのあおりかな。このあたりのセクタを持っていなかったのは今月のパフォーマンスが良かった理由の1つでしょうね。海運は配当落ちの影響が大きそう。

上位はあまり傾向が見えませんが、トップの電気機器は半導体株が買われた影響でしょうか(SOX指数は今月+9.2%)。他には医薬品や食料品などディフェンシブなセクタが強めだったみたい。

低PBRや低自己資本比率がワーストなのは銀行や証券が売られたからで、高配当利回りが下位にいるのは配当落ちの影響なのかな。アメリカ市場がグロース優位の1ヶ月で(ダウ+1.9%に対してナスダック+6.7%)、そのわりに日本のマザーズ指数はTOPIXに負けていて乖離がありますが、ファクターを見るとグロースっぽいものが上位に並んでいて、感覚的にもこちらのほうが今月の相場をよく表している気がします。