駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[投資本] 上場ベンチャー企業の粉飾・不公正ファイナンス(門脇徹雄)

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2010年前後に上場廃止となった新興企業30社について、上場廃止にいたる経緯をまとめた本。1社あたり6ページを使って、テンプレに沿って淡々と事実を記述するスタイルで、分析的な記述には乏しいです。投資家の目線で知りたいような、たとえばどうすれば事前に粉飾を見抜けたか、といったことは書かれていません。

悪名高い粉飾の事例としてエフオーアイ(売上の97%が架空だった)くらいは聞いたことがありましたが、他にも売上を何倍にも水増しした極端な粉飾の事例がいくつもあり、問題がいきなり明るみに出て株価が突然死した事例もあって、読んでいてゾッとさせられます。また、傾いた会社が反社などに食い物にされる事例について、第三者割当増資やMSCBで調達した資金がどのように社外に流出したかが書かれており、たまにクソ株がシナジーのかけらもなさそうな分けのわからない会社を買収することがありますが、あれはこういう目的でやっているんだなと理解が深まりました。

2000年代に新興市場でトレードしていた人なら、懐かしい社名が出てきて面白く読めるかもしれません。無味乾燥とした書きっぷりであまり入り込めず、自分はさっと目を通すような読み方になってしまいました。

[今週のトレード] 2021/7/21

今週の資産推移は-3.5%(-705万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.4%、マザーズ指数が-1.8%と指数に対してアンダーパフォームでした。

木、金が祝日で3日だけの週。週初の二日間で急落して三日目でリバウンドという今年何度も見たパターンで、下げ方が中途半端だから信用買い残も整理されないんでしょうね。火曜日はIPOセカンダリや個人に好まれる銘柄が大きく下げて、Twitterを見るとこの日にポジションを縮小した人はそこそこ多かったようです。雰囲気が悪いみたいなことを言う人が多く個人のセンチメントは落ち込んでいる印象があります。今週からオリンピックが始まりますが関連銘柄が特に動くことはなく、むしろ足下で下げているものが目立ちます。直前で無観客での開催になったり、ごたごたが続いている影響もあるのかもしれません。

www3.nhk.or.jp

来週から決算シーズンに入ります。今月ここまで、ディスコ、安川電機、KOAなど決して悪くない決算や上方修正を出しながら売られる反応が目立ち、シクリカルセクタは決算が出口になる傾向が見られます。不穏さを感じつつも事前にリストアップした通りにポジションを取っていますが、来週以降の反応によっては修正が必要になるかも。4-6月は個人消費の弱かった時期で、強い決算を出しそうな銘柄は外需が多く、自分のリストも外需銘柄が中心となっています。

今週の取引

4432 ウイングアーク (+2,321,940)

手じまい。SanSanがウイングアーク株を売却したというリリースがあり、内容を見て売りました。

今月19~20日に160万株を売却したとのことですが、この二日間の出来高は約70万株しかありません。ブロックトレードかなにかで売却したものと考えられますが、売却先によってはこれからザラ場に売りが出てくることが考えられます。SanSanの手元には約80万株のウイングアーク株が残ったことになりますが、資金需要のある会社と思うし、中途半端に保有するよりは残りも今後売却する可能性があるように思われます。目先で需給悪化のおそれがあるならいったんポジション外そうと考えました。

www.nikkei.com

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 194,418,364円
  • 前日比 -679,595円 (-0.35%)
  • 月初比 -1,681,946円 (-0.86%)
  • 年初比 +68,400,445円 (+54.28%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2021/7/16 2億円到達

今週の資産推移は+5.9%(+1129万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.0%、マザーズ指数が-0.8%と指数に対してアウトパフォームでした。

日経平均+0.2%に対して東証小型株指数+1.9%と小型株優位の週で、指数よりも強い地合だったと感じます。IPOセカンダリが持ち直すなど個人のセンチメントも回復しており、このまま決算シーズンに入ってほしいところ。

今週は指数を5%くらいアウトパフォームしていますが、決算発表翌日にS高となったきずなHDで+400万、今週+20.3%のアートスパークで+300万、IPOセカンダリのラキールで+100万、決算ギャンブル(enjinなど)で+200万、その他ひっくるめて+100万くらい。きずなHDはほぼ底値で買えており、バリュー投資の目線で割安なやつを買ってそのうち上がるのを待つという自分のスタイルにハマったポジションで、こういうのを取れると嬉しいものですね。

ようやく口座の残高が2億円になりました。年末に1000万出金しており、累計の利益でも2億円を超えたことになります。しょせんは曖昧模糊とした裁量トレードであり、大したことをしているわけではないし他の参加者と比べて自分が優れているとも思えず、そのうち勝てなくなるときが来るでしょうが、それまでは東証カジノでバクチに明け暮れるつもりです。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 201,468,653円
  • 前日比 +5,751,964円 (+2.94%)
  • 月初比 +5,368,343円 (+2.74%)
  • 年初比 +75,450,734円 (+59.87%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2021/7/9

今週の資産推移は-2.3%(-441万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-2.2%、マザーズ指数が-2.7%と指数に対してまちまちでした。

木金の二日で日経平均が1000円ほど急落。木曜日に渋谷で買い物をして、帰り道にSBIのアプリを見たら先物が600円くらい落っこちてて、相当やられる覚悟をして金曜日を迎えたものの、一日終わってみればむしろプラスと拍子抜けの展開となりました。金曜日は小型新興のほうが下げに耐えてリバウンドも強くて、地合の良さを再確認したという感じ。自分のポジションサイズはこの1週間でほぼ横ばいで、1Q決算に期待できなさそうなイノベーションを落として代わりにアステナを買ったくらい。あとは決算ギャンブルの短期ポジションを遣り繰りしています。キャプチャは日経平均先物の時間足です。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 190,177,111円
  • 前日比 +1,878,917円 (+1.00%)
  • 月初比 -5,923,199円 (-3.02%)
  • 年初比 +64,159,192円 (+50.91%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] ファイナンス理論全史 (田渕直也)

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ファイナンス理論の歴史を概観した本。UKIさんがTwitterで推薦していたのを見て読みました。ルイ・バシュリエによるランダムウォーク理論の提唱からスタートして、効率的市場仮説、現代ポートフォリオ理論、行動ファイナンスといったテーマが扱われます。

単にキーワードを列挙してその内容を説明するのではなく、なんらかの理論が登場し、理論への批判がなされ、それを乗り越えるような新しい理論が出てきて……という経緯を追っていく書き方になっており、ファイナンス理論の大きな流れが掴めるようになっています。一つ一つの理論への説明には深入りせず、数式もほとんど使わずに書かれています。

これまでにファイナンス理論やクオンツ系の本を何冊か読みましたが、本書はそれらの下敷きとなるもので、本書を先に読んでおけばよかったと思いました。たとえば以前読んだ本では期待リターンの算出方法についてCAPMの説明をして終わっていて、CAPMはどうも単純化されすぎているように思えて疑問が残ったのですが、本書ではCAPMに厳しい前提条件が置かれていること、その欠点に対してファーマ=フレンチのモデルが提唱されたことが述べられていて腑に落ちました。

著者はわかりやすくかみ砕いて説明する能力が非常に高く、他の著書も読んでみたいと思いました。金融関連の入門書を何冊か書いているようです。しかし毎回そうですがファイナンス理論の本を読むと「実際のところインデックスファンドを買うのがベストなのでは?」と感じて個別株をやる意欲を削がれる気がしますね……。

[今週のトレード] 2021/7/2

今週の資産推移は-2.0%(-402万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-0.3%、マザーズ指数が+0.3%と指数に対してアンダーパフォームでした。

6月の資産推移は+2.6%(+501万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.1%、マザーズ指数が+5.0%と指数に対してまちまちでした。

今週は日本株はあまり動かず。アメリカだけ好調で、SP500は今週+1.7%となり最高値を更新しています。そろそろやることの多い時期に入ってきて、相場はあまり見ないで、6月末に出てきた有報を拾い読みしたり、7月決算の予習をやっています。ワクチン接種で先行するアメリカの消費動向を気にするようにしていますが、モノからサービスへの移行が起きつつも、アパレルやアルコールは強かったりして、人が街に出ることで変化が現れているとおもいます。モビリティの動きをみるとテレワークはアメリカでは定着しそうですが、日本でも同じ傾向になるのかどうか。キャプチャはみずほ経済・金融ウィークリーから。

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6月は指数と同等のパフォーマンスとなりました。ポートフォリオで6月に2桁パーセントの値動きがあったのは岡本工作機械+37.4%、CARTA+23.7%、BuySell+20.1%、テラプローブ+19.1%、アクシージア-19.8%でした。おおまかな金額の内訳としては2桁プラスの4銘柄で+1000万、2桁マイナスの1銘柄で-100万、IPOセカンダリでやらかして-200万、IPOセカンダリを除く短期トレード(主に決算ギャンブル)で+100万、配当落ちで-100万、その他ひっくるめて-200万(いずれも含み損益込み)。新興市場が賑わった一ヶ月でしたがあまり乗れなかった。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 194,584,130円
  • 前日比 +4,525,205円 (+2.38%)
  • 月初比 -1,516,180円 (-0.77%)
  • 年初比 +68,566,211円 (+54.41%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2021/6/25

今週の資産推移は+0.2%(+41万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.8%、マザーズ指数が+1.7%と指数に対してアンダーパフォームでした。

月曜日に日経平均が-3.3%(-953円)下がるも、火曜日から力強いリバウンドが始まって1週間終わってみればいずれの指数もプラスとなりました。月曜日に思いのほか下がるのにビビって、確信の度合いが低いポジションを減らしたり売ったりしてしまいましたが、これは結果的には間違いでパフォーマンスを損ねることとなりました。テーパリング懸念とはいったい何だったの。

先週に続いてIPOセカンダリは低調で、吸収金額が数十億あるものはたいてい公募価格を割って初値を付けるし、そこからさらに下げていくケースが目立ちます。自分はというとペイロール、セレンディップ、アイドマ、全研本社と触って合計で約200万の確定損失となりました。何やってんの。気質が逆張りなので、好意的に見ているIPO銘柄が公募価格より下の水準でダラダラしているのを見るとつい買ってしまって、それで損切りが続いて損失を積み上げた感じ。IPOセカンダリは難易度が高く期待値を取りづらいので、よほど自信がなければ手を出さない方がよい、と頭では分かっているのに前々から同じようなポジションを取ることがあってトータルするとそこそこ負けていると思われます。今週はあらためて反省しました。

しかしIPOセカンダリは今月から急に反応が悪くなって驚いています。原因としては過密スケジュールやモダリスのロックアップ破りの件が指摘されており、個人的にはロックアップ破りが個人投資家のセンチメントを冷やした効果は大きいように感じられます。ただ、そもそも大した見所のない小型株が需給だけで公募価格の3倍とかで寄るほうがおかしな話で、今くらいの値動きのほうが正常であるとも思います。

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今週の取引

6640 I-PEX (+1,839,261)

手じまい。前回の決算シーズンで取ったポジション。月曜日の下げ相場で手じまいました。ここは1Q決算は良かったものの1Qの数字がピークのように思われ、あまり長くは保有しづらかったです。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 198,604,387円
  • 前日比 +5,562,854円 (+2.88%)
  • 月初比 +7,515,501円 (+3.93%)
  • 年初比 +72,586,468円 (+57.60%)
現物

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信用

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先物

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