自分の投資対象となる銘柄のリスト(監視リストとかユニバースとか言われるやつ)の作り方を初心者向けにまとめた本。以下のような方法が説明されます。
1. 200銘柄バスケットを作る
- 四季報や業界地図のような網羅的に上場企業を掲載した本から、200銘柄をピックアップする
- 200銘柄は偏りなく選ぶ。たとえば東証33業種から5銘柄ずつ選び、残りをそのとき注目されているテーマから選ぶなど
- 1社1社精査する必要はなく、適当に選んでもよい
2. 20銘柄バスケットを作る
- 200銘柄をトレードツールのリスト機能に入力し、毎日ニュースや値動きをチェックする
- 1ヶ月くらいチェックを続けたら、200銘柄のなかから20銘柄をピックアップする
- 20銘柄は業種や時価総額に偏りがないようにする。200銘柄の中から選んだ理由も分散させる
3. バーチャルトレード
- 実際のお金は使わず、ノートを作って20銘柄を仮想的にトレードする
- ノートにはトレードごとに銘柄名、買った株価、買った理由、売った株価、売った理由、損益額、反省コメントを記載する
書名に「脱イナゴ」とあるように、Twitterのタイムラインや雑誌記事等で見かけた銘柄だけが選択肢ってのはダメですよ、上場企業全体から自分でリストを作りましょうという趣旨で、それ自体はたいへんよいとおもいます。整理して書けば50ページやそこいらで済むところを「イナゴはけしからん」「サラリーマン投資家は有給を取ってトレードしよう」みたいな話で水増ししていて内容は薄いです。また、自分のリストを作るというコンセプトを伝えることに主眼が置かれており、銘柄の選択方法についてはカッコに入れられている感じです。
監視リストって秘伝のタレみたいに継ぎ足して作っていくもので、最初に無理やり200銘柄ピックアップするのはちょっと違うような気もしますが、こういうのをやったことがない人が感触を掴むための取っかかりとしては悪くないと思いました。売り買いをバーチャルトレードでやることにしているのも良心的です。