駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2021/8/27

今週の資産推移は+12.0%(+2335万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.6%、マザーズ指数が+5.6%と指数に対してアウトパフォームでした。

先週末の流れから一転して月曜日から上げ相場となり、特にここまで売られていたグロース株が買い直されました。転換のきっかけと思えるようなニュースがあったわけではなく、強いて言えば東南アジアのコロナ状況が改善しているくらいでしょうか。金曜夜のジャクソンホールでパウエル議長が年内のテーパリング開始をアナウンスしましたが、バーナンキショックの再来どころか米国株は上げで反応しており、目先のリスク要因が一つなくなった格好になりました。

つくづくマーケット全体の動きはわからない。ともかく地合が良くなったことでデコルテとアクシージアを買い直しています。先週手じまった日本郵船や日本製鉄は自分が売った位置より高い株価に戻っており、これらも週明けに買い直せればよかったですが手が動かなくて買い直せず。

www.nikkei.com

今週は指数を8%くらいアウトパフォームしています。ポートフォリオの週間騰落率の上位は全研本社+21.6%、CARTA+17.7%、JFE+14.3%、シダックス+11.5%でした。今週はマイナスのポジションがほとんどなくて、保有している小型株、新興株がこぞって上がってくれました。

日経平均が相対的に弱かったため、個別株のポジションに掛かっているレバレッジの分だけプラスになった形で、約4億ある個別株の買いが平均+6.5%で+2600万、日経平均先物の売りが-300万で、差し引いて+2300万くらい。股割きの逆パターンで、日経平均先物でヘッジしているのが良い方向に働きました。毎週こうだとありがたいのですが。

今週の取引

9885 シャルレ (-)

新規に買いました。8/10発表の1Q決算を見て、シャワーヘッドの事業が伸びているのを面白いと思って、翌日から買い始めて欲しい株数になりました。

ここは資産バリュー株で、現金同等物から負債を差し引いて100億くらいあるのに、最近の株価は時価総額60億くらいで推移しています。1Q決算後に少し上がりましたがそれでも時価総額68億です。シャワーヘッドが見直されるきっかけにならないかと思ったんですね。

シャルレには「ウルトラファインバブル技術製品等製造販売事業」という恐ろしく長い名前のセグメントがあります。このセグメントは子会社の田中金属製作所およびWATER CONNECTから構成され、売上の大部分をシャワーヘッド「ボリーナ」が占めるものとみられます。1Qのセグメント業績を単純に4倍すると売上22.4億、営業利益10.6億となります。シャルレの業績はコロナ前のFY19/03でも営業利益3.6億であり、ここ数年の利益水準から大きく上振れして着地する期待を持てます。

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ボリーナは最近ブームになっている高価格帯のシャワーヘッドです。上場企業では他にMTGが「ReFa」ブランドでシャワーヘッドを出しています。ボリーナは1~2万円の価格帯で、美容効果を訴求して女性向けのマーケティングで売っています。

田中金属製作所はボリーナの累計販売本数をプレスリリースなどでときどき公開しています。あまり標本数を取れなかったのですが、グラフにプロットするとここ1年くらいで売れ行きが伸びていることがわかります。

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直近の累計販売本数を見ると、2020/5/26に40万本(プレスリリース)、2021/4/23に65万本(岐阜新聞)と、1ヶ月あたり約2.3万本売れているようです。ペースを維持していれば足下で75万本ほどになっているはずです。こまめに累計販売本数を公開してくれると安心できるし、5万本売るたびにプレスリリース出すとかしてくれたらよいのですが。

シャルレの本業は下着の訪問販売です(レディースインナー等販売事業セグメント)。毎年のように売上が低下している下り坂の事業で、前期はコロナの影響を受けて赤字となっていますが、今期は1Qから黒字を計上しており、売上も回復傾向にあるように見えます。前期にわずかな人数ですが従業員のリストラをやったこと、営業拠点の整理をしたことも寄与しているかもしれません。このセグメントは状況がよくわかっていませんが、コロナ前の業績に戻ってくれるといいな、くらいに思っています。

なお、シャルレは田中金属製作所およびWATER CONNECTを2020/7に買収しました。シャワーヘッドのブームが始まった時期で、とても良いタイミングで買ったんですね。前期3QからP/Lに連結されていますが、訪問販売のコロナ悪影響と相殺されて会社全体の業績は代わり映えしない数字になっていました。自分は今期1Qの決算を見てシャワーヘッドなんてやってたんだと気づきました。

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今後はボリーナの売れ行きが落ちないうちはポジションを保有するつもりです。季節性で2Q、3Qが強く、今期のガイダンスが営業利益6億と保守的に見えるので、3Qの決算発表までに上方修正が出てくることも期待しています。ボリーナの状況を知るため、WebサイトやSNSアカウントをまめにチェックするのと、Amazonやカカクコムのランキングを定期的に取って推移を見るつもりです。

最大のリスク要因はやはりボリーナの売上が落ちることです。美顔器やナノケアドライヤーといった美容家電のような売り方をしていて、このジャンルの製品は流行に左右されるため売れ行きにブレが大きいという認識です。MTGやヤーマンの業績は非常にボラタイルですが、ウルトラファインバブル技術製品等製造販売事業セグメントも似たようなものではないかと思っています。

美容効果の訴求の仕方を見ても(キャプチャは公式サイト)、ググるとたくさん出てくるアフィリエイト記事の書き方を見ても、かなり引っかかるところがあり、改正薬機法で表現規制が厳しくなる状況下で影響を受ける可能性があるかもしれません。

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競合製品にシェアを取られる可能性もあります。ボリーナはこの手のシャワーヘッドでは先行組で、後発の競合からシェアを守る立場にあります。雑誌の比較記事をみるとボリーナの評価は中くらいというところで、ミラブルという競合製品がとくに高い評価を受けているようです(Amazonのレビューだと同じくらいだし、媒体にもよると思います)。今後ボリーナがシェアを維持できるかは気にかかります。

自分でも試してみようと思ってキャプチャのボリーナを買ってみましたが、美容効果があるかはさておいて、シャワーの水滴が細かくなって、肌への当たりがやさしくなるのはハッキリわかります。部屋に備え付けてある汎用品のシャワーヘッドと比べたら体感できるだけの差があるし、まあ1万円くらいならありなんじゃないかな、けっしておかしな製品ではないとは思いました。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 217,924,544円
  • 前日比 -1,162,865円 (-0.53%)
  • 月初比 +27,887,931円 (+14.68%)
  • 年初比 +91,906,625円 (+72.93%)
現物

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信用

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先物

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