駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

2022年の振り返り (4) 来年のこと

2023年どうしましょう。自分の現時点での考えを書き残しておきます。

  • アメリカ、EUともにリセッションが不可避と言われ、上下どちらかと言われたら下げそうな気はする。ただ自分がもっぱら触る小型株を見ると割安に思えるものが目立つようになったし、マザーズ指数も2021年11月から40%くらい下がってグロース株もそれなりに説明の付く水準になったとおもう(赤字掘りまくりのよくわからないやつらを除いて)。積極的にリスクを取りにいくような局面ではないけれど、ビビって日和ることもないと思う。ネット80-100%くらいを維持して平常運転かちょい抑えめくらいでいきたい

  • 街を歩いていると人がたくさんいて百貨店もアパレルも繁盛しているし、観光地は人でごった返しているし(これは全国旅行支援の効果が大きいでしょうが)、生活の実感として不景気には感じない。個人消費を相手にしている会社の月次も好調なところが多い。反面、外需企業は円安で押し上げられていた部分が剥落しそうだし、グローバルなリセッションの影響をより強く受けるだろう。だから外需よりも内需を選好したほうがよいのでは

  • 株ブログやTwitterなどを見ていると、個人のビューはかなり弱気に感じられる。リセッションがくるからノーポジだ、みたいなことを言う人も散見されるし、そこまで行かなくてもポジションを軽めにしている人が多いようである。機関投資家の出す見通しを見るとそこまでネガティブではないし、今年のマーケットが実際どうなるかはわからないけど、個人の弱気さにはギャップがあるように思われる。個人の投げが出るような局面があれば積極的に拾いにいってもよいのでは(ただ信用買い残は水準を維持しているので自分の観測範囲が偏っているせいかもしれない)

あとは投資アイディアというか、目先の業績についての観点を思いつくまま書いてみます。

  • 受注から納品までのリードタイムが長い(1年以上とか)企業は、2022年に原材料の価格上昇で利幅が削られて利益率を落としたケースが多い。これらの企業は上昇した原材料価格を前提とした受注を消化するようになれば元の利益率に戻るだろうから、2023年に業績の回復が見られる企業が多いはず。建設や機械といったセクタに多い。ただリセッションによる需要減、為替の影響、エネルギーや人件費の値上がりなどで相殺される企業もあるだろうから個別の収益構造の理解が重要になる

  • 同様に円安によるコスト増加で利益率を落とした企業も目先は業績の回復が見られるはず

  • 2022年は値上げで利益率が向上した企業がまま見られたが2023年にも同様のケースは出てくるとおもう。値上げの告知をWebサイトに掲載する企業が多く、最近はできるだけ各社のサイトで値上げ情報をチェックするようにしている

  • インバウンド、旅行関連のセクタは外国人旅行客の数が戻るまでは期待を引っ張れるはずで、中国の状況を見るとまだ時間がかかりそう。2022年もたびたびテーマとして注目されて盛り上がったが、2023年も続く息の長いテーマになるとおもう。ただ株価を見るとコロナ前に戻っている企業も多く、会社によってはコロナ期間でファイナンスをやったり財務が痛んでいたりするから積極的に買いたいものは少ないようにも思える

  • あちこちの記事に載っている値上げの一覧表を見ると、インフレは2023年に入っても(すくなくとも生活実感としては)続きそう。生活防衛銘柄というか、たとえばリユース、ディスカウント系の小売店、一部のネット企業などには引き続き追い風の環境となりそう

  • 統計情報など見ても採用の需給はタイトであり、人材関連の企業には良い環境が続きそう。自分の所属するIT業界もとくにIT技術者がたりておらずたいへんな売り手市場になっており、人材採用に強みのある企業は強い業績を出せそうである

  • PBRが1倍を割れているのはけしからんみたいな風潮もでてきて、2022年に引き続き高水準の株主還元を発表する企業が出てくると期待している。2022年を振り返るとそれらの企業はモメンタムをつけて上がったケースが多かった記憶があり(おそらく高配当株を選好するような参加者は足の遅いことが多いのだと思う)、2023年にもチャンスがあるかもしれない。また、高配当株は相場が崩れたときにアウトパフォームする傾向があり(長期的にはわからないが2022年はそうだった実感がある)、ポートフォリオの分散にも寄与していたし、その点でも積極的にポートフォリオに入れたいとおもう

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