駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2019/02/22 2018年のYHを越える

今週の資産推移は+5.8%(+315万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.0%、マザーズ指数が+6.3%と指数に対してまちまちでした。

ポートフォリオで上げたのはオプティマス(+19.2%)、アイリッジ(+19.0%)、UFHD(+17.7%)、CARTA(+14.6%)、マツオカ(+10.0%)。下げたのは三精テクノロジーズ(-4.7%)、シリコンスタジオ(-4.1%)、トレックス(-2.8%)。

世界中強い相場で先進国の指数も上げてダウはついに26000を回復、日本株にもバブルが戻ってきた観があります。今週はかぶたんの煽り記事でS高になったり、四季報の業績修正でS高になったりと、懐かしい光景が展開されていました。主観的にはものすごくお金が増えたつもりでしたが、それでもマザーズ指数には負けているんですね。

今週は個人的に1つ山を越えました。資産が2018年のYHを上回り、去年の12月に食らったドローダウンを回復できました。

  • 2018/12/3 5575万
  • 2018/12/25 4094万 (-26.6%)
  • 2019/2/22 5750万 (+40.5%)

12月はまるで崖から落ちるようで、際限なく資産が減っていく恐怖の月でした。資産を1/4ほど削られてこれを取り戻すにはどれだけかかるだろうと思ったものですが、たったの2ヶ月で達成できるとは。自分のポートフォリオがよかったとかトレードがうまかったとかではなく、ただ上げ相場を素直に取れただけのことです。本当に相場はわからない。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 57,504,257円
  • 前日比 +492,300円 (+0.86%)
  • 月初比 +3,811,714円 (+7.10%)
  • 年初比 +8,836,625円 (+18.16%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] EasyLanguageプログラミング入門 (本郷喜千)

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トレードステーションに搭載されているシステムトレードプログラミング言語『EasyLanguage』の入門書。投資の本というよりは技術書です。マネックス証券のプレゼント企画で当選して送っていただいたものの半年くらい本棚の肥やしにしていて、ようやく読みました。

プログラミングを始めてやる人を想定して書かれており、変数や制御構文といった基本的な概念を1つ1つ説明しています。プログラミング経験者にはまだるっこしい箇所が多く、全体として冗長に感じられるでしょう。駄犬はプログラミングは本職でシステムトレードは未経験ですが、半分くらいの内容は読み飛ばしました。ただ、トレードステーションでシステムトレードをやる取っかかりとしてはよくまとまっており、プログラミング経験者でも読む価値があるように思います。

内容としては、トレードステーションの操作方法、プログラミングの基本的な概念の説明から始まり、一般的なテクニカル分析(RSIやボリュームレシオなど)の実装、注文発注のストラテジー実装、バックテストの方法までを扱います。最後まで手を動かせば、とりあえずシステムトレードで自動的に注文を出すところまでは到達できます。

トレードステーションはよくできたツールと思いますが、けっこう制約があるのも事実で、たとえば日本の株式市場に上場されている4000ちょいの全銘柄を横断的に扱うことはできないようです。同時にデータを取得できるのは50銘柄までで、発注ができるのはそのうちの1銘柄だけです。設計としてはチャートの上で動くプログラムという感じなんですね。

もちろんこの本に書かれたプログラムをそのまま動かしても勝てるわけではないので、そこから先は自分でやらないとなりません。とりあえずマネックス証券のトレードステーション口座に少額のお金を入れて、出来高と値動きでエントリーする簡単なロジックを作ってトレードさせてみるつもりです。せいぜい期待値トントンのトレードでしょうが、まずは自分のお金を張ってやってみる経験を積みたいです。

株の取引コスト高すぎ、減らしたいというお話

今週はこのシーズンのぼくを毎年苦しめる恒例行事、確定申告の準備をやっていて、ついでに2018年の取引にかかった諸費用を集計してみました。証券会社のWebサイトから取引履歴のCSVをダウンロードして、Excelでぽちっとな。2018年はクリック証券と楽天証券を使ったので、それぞれ費目ごとに数字を出して……と。

諸経費 クリック証券 楽天証券 合計
手数料 ¥127,893 ¥164,688 ¥292,581
管理費 ¥12,115 ¥12,410 ¥24,525
信用金利 ¥429,258 ¥559,368 ¥988,626
貸株料 ¥19,038 ¥23,339 ¥42,377
品貸料 ¥20,355 -¥146,100 -¥125,745
名義書換料 ¥16,048 ¥20,370 ¥36,418
合計 ¥624,707 ¥634,075 ¥1,258,782

締めて126万ほど。軽自動車が買えちゃうね。いやあ、お高い。ちりも積もればなんとやらで、1つ1つの取引、ポジションでは小さな金額だけど1年分足し合わせたら馬鹿にならない。2018年の資産がざっくり平均5000万くらいだから、資産に対して2.5%くらいが取引コストになっている。

内訳を見ると信用金利が99万と全体の8割くらいを占めており、信用でポジションを維持するのがいかに不利かというのがわかります。クリック証券、楽天証券ともに大口優待を取ると信用金利がいくらか下がるんですね。それを取ってこれだから、正規のコストを払っていたらこの1.5倍くらいの金額だったでしょう。

日々の相場で細かなコストの違いを気にせずテキトーに取引しているのも事実で、今年は意識して抑えていきたい。一円を笑う者は一円に泣く。

余力が空いていたら信用のポジションを現引きする

たぶんこれが一番だいじ。余計な信用金利を支払ってはいけない。ただ即金規制の銘柄(主にIPO銘柄)を触るために現物の余力をいくらか空けておきたいことがあって、IPOのスケジュールを見ながらコントロールしたい。

貸株金利の高い銘柄を貸株に回す

楽天証券は貸株のサービスを提供しており、駄犬も去年から貸株をやるようになりました。新興銘柄は2%以上の貸株金利が付く銘柄がけっこうあって、自分のポジションで貸株金利の高いやつは貸株に回したい。

現物を買うときは1日信用で買ってから現引きする

楽天証券は信用手数料が無料で、一般信用で建てた建玉をその日のうちに決済すると金利も付かず、現引き手数料も掛からない。ふつーに現物を買うと手数料が掛かるのに信用で建ててから現引きするとタダで済むというのを最近知って、大いに活用したい。

制度信用銘柄の現物を売却するときは空売りして現渡しする

これも同様で、ふつーに現物を売るよりも信用で建ててから現渡しするほうがコストが安いことが多い。ただ一般信用の売りは手数料が銘柄によって異なるため、買いと違って売りは手数料のチェックが必要。

中長期のポジションを信用でレバレッジ掛けずに、現物だけでやりくりすれば良いんでしょうが、今はまだ高いリスクを取っていきたいんですよね。

これくらいを意識してトレードしつつ、月次で掛かった取引コストをチェックする、とかやるといくらか減らせないかなと思う。明日からやってみます。

[今週のトレード] 2019/02/15

今週の資産推移は+0.5%(+29万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.5%、マザーズ指数が+1.1%と指数に対してアンダーパフォームでした。

相場は堅調でしたがポートフォリオの決算がダメで、壽屋とトレックスは下方修正を出しました。ざっくりその分だけ指数に負けたという感じ。選びに選び抜いた銘柄がダメ決算を出すとがっかりしますが、壽屋なんかは惰性でポートフォリオに置いている塩漬けっぽい銘柄になっており、全体見直した方がよいのかもしれません。

ポートフォリオで上げたのはUFHD(+21.1%)、マツオカ(+14.8%)、シンポ(+6.9%)。下げたのはCARTA(-11.4%)、エスケーエレクトロニクス(-9.5%)、トレックス(-9.5%)、壽屋(-8.3%)。

アメリカが相変わらず強く、ダウは26000手前と史上最高値をうかがう位置まで戻しています。モメンタムだけ見たらまだ上がありそうですがこんなに上げるような環境とも思えず、自分にはわからない相場が続いています。Twitterのタイムラインを見ると上手い人たちは上目線が多いようです。

今週の取引

6298 ワイエイシイ (-831,902)

買い玉を手仕舞い

まあまあ決算の決算を出して、翌日5%くらい上げたところで売りました。足下の数字はよくても決算説明資料に書かれた受注残が落ちていて、来期の業績には期待できないと考えたため。それにしても不思議なのは売った翌日になぜかS高になったことで、なんかタイミングをミスった気がします。損益は昨年末に損出しのクロスをしたのを通算した数字で、けっこうなマイナスになっています。

3907 シリコンスタジオ (-)
9268 オプティマス (-)

上2つは新規に買い玉を立てて持ち越し。

シリコンスタジオは、赤字続きのゲーム部門の整理が終わったことと、ミドルウェア部門が黒字化したことから、今期は業績回復が見込めそうなので買った。オプティマスは2Qまでの数字が悪くて下方修正必至と思っていたら3Qの数字が良くて、業績予測を達成できるのではと思って買った。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 54,355,936円
  • 前日比 -415,728円 (-0.76%)
  • 月初比 +663,393円 (+1.24%)
  • 年初比 +5,688,304円 (+11.69%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] ゾーン、ゾーン最終章 (マーク・ダグラス)

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トレードの精神面について分析した本。著者のマーク・ダグラス氏は80年台にメリルリンチでトレーダーの仕事をし、その後トレーダーのコーチングをする会社を立ち上げたという経歴の持ち主。『ゾーン』『ゾーン最終章』と2冊で続き物のようになっていますが、ゾーン最終章はダグラスの死後に遺稿をまとめて出版したもので、内容はゾーンとほぼ共通しています。どちらか片方だけ読めば十分と思います。

書名にもなっているゾーンとは、精神的不快感や恐れなしにリスクを受け入れる涅槃のような精神状態のことを指します。書中では以下のように表現されています。

自分が「ゾーン」にいる状態とは、本質的に自分の心とマーケットが同調している状態を意味する。その結果、あたかも自分自身とその他のマーケット参加者の集合的意識の間に何の分け隔てもなくなったかのようになり、マーケットがまさに何をしようとしているか感じられるようになるのである。つまりゾーンは、ただ単に集団心理を読み取れる状態だけではなく、それ以上、つまりマーケットと完全に同調している状態の心の空間なのだ。

マーク・ダグラス; Mark Douglas. ゾーン ウィザード・ブックシリーズ (Kindle の位置No.1701-1705). パンローリング. Kindle 版.

株のトレードでポジションを取るとき、たいていの人は心がざわめき、不安や恐怖感を抱くものでしょう。少なくとも駄犬は精神面においてまったくの凡人なので、ちょっと大きなポジションを取るとストレスを感じるし、その後の値動きでメンタルが振り回されてしまいます。本書ではそのような感情の原因を分析して、どうすればゾーンの境地に至れるかを述べています。

本書の内容はやや回りくどく、あちこちで枝葉に分かれますが、骨子は以下のようなものです。

「分析に対する幻想」を理解する

マーケットの値動きを分析し、その方向に賭ける人はたくさんいます。ですが、それはあくまで自分の想像力に基づくものであって、分析結果が当たるにせよ外れるにせよ、値動きの真の原因がわかることは決してありません。

マーケットに参加する世界中のトレーダーの意図をあまさず知ることは不可能です。そのため、適切な分析をすれば確実に勝てるという考えを持ってはいけないとダグラスは言います。

「分析に対する幻想」は、適切な分析をすれば、ほかのトレーダーたちの売買注文が値動き方向に及ぼす影響度を正確に予測して、損失リスクを実際に取り除いて確実に勝てる、という信念から生じる。言い換えると、「分析に対する幻想」を抱きながらトレードをしているときは、あたかもギャンブルの要素を取り除いて、値動きに賭けられるかのように思える。だが、これほど真実からかけ離れていることはなく、そんなことを信じていると、最終的には非常に高い代償を払うはめになる。

マーク・ダグラス; ポーラ・T・ウエッブ. ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスの最後のアドバイス (Kindle の位置No.1948-1952). パンローリング株式会社. Kindle 版.

トレードの世界では無リスクや低リスクの状況はありえないのに、自分は例外だと考えるトレーダーがいて、彼らは自分の分析と異なる方向にマーケットが動いたときに大きな苦痛を感じます。また、自分の分析に固執するとドローダウンが大きくなりがちで、負けを認められずに破滅的な損失を被ることもあります。

結局のところマーケットが次にどう動くかはわからないので、マーケットの好きなままにさせて、それがどういう動きであろうと受け入れる心理状態がトレーダーには求められます。

確率で考える

その時々のマーケットの動きがわからなくても、トータルで利益をあげることはできます。そのためには確率で考えることが必要だとダグラスは言います。

カジノ業者は客とランダムな勝負をしているのに、一貫して収益を上げています。カジノで行われるギャンブルには、統計的な優位性が胴元にあるからです。たとえばブラックジャックは掛け金の約4.5%が胴元に残るルールで、十分なゲーム数があればカジノ業者の手元には確実に利益が残ります。

優れたトレーダーはカジノ業者と同じ戦略を採っており、1つ1つのトレードの結果にかかわらず、最終的には自分が勝てることを知っています。

分析によって得られるものは、一連の予測、つまりサンプルサイズがある程度大きな予測に対する統計的なエッジ(優位性)だけだ、ということを私は学んでいる。この場合には、私が選ぶどのサンプルに対しても勝率を判断できる。しかし、そのサンプル内の個々のトレードの勝率は常に未知であり、判断できない。

マーク・ダグラス; ポーラ・T・ウエッブ. ゾーン 最終章 トレーダーで成功するためのマーク・ダグラスの最後のアドバイス (Kindle の位置No.2181-2184). パンローリング株式会社. Kindle 版.

この考え方は一見あたりまえのように思えますが、ダグラスはコーチングの仕事で「自分は確率で考えていると思い込んでいながら実際はそうでないトレーダーを何百人と見てきた」といいます。具体的な例としてボブというトレーダーのことが紹介されています。期待値がプラスのトレードを積み重ねれば最終的に利益を出せると頭ではわかっていても、実際に実行できるとは限らないということです。

信念の役割

勝てるトレーダーになるために必要なのは「私は一貫した勝者である」という信念を確立することだとダグラスは言います。具体的には以下の7点が挙げられています。

①私は自分の優位性を客観的に確認している。 
②私はすべてのトレードでリスクを前もって決めている。 
③私は完璧にリスクを受け入れている。あるいはトレードを見切ることをいとわない。 
④私は疑念も躊躇もなく自分の優位性に従う。 
⑤私はマーケットが可能にしてくれた勝ちトレードから利益をつかみ取る。 
⑥私はミスを犯すことへの自分の対応を継続的に監視している。 
⑦私はこうした一貫した成功の原理の絶対的必要性を理解している。したがってけっしてそれを破らない。

マーク・ダグラス; Mark Douglas. ゾーン ウィザード・ブックシリーズ (Kindle の位置No.3313-3318). パンローリング. Kindle 版.

これらの信念を確立するために、自分を信頼し自信をもつこと、トレードにおいて一貫性をもつこと、「売買演習」を実施すること(自分の決めた優位性とルールに厳密に従って最低20回のトレードをすること)が大切だと述べられています。

まとめ

この記事を読むと、いかにも当たり前のことばかりと思われるかもしれません。「期待値がプラスのトレードをしよう」「リスクリワードレシオで考えよう」というのは誰もが耳にしたことがある言葉でしょう。しかし、知識として知っていても、実際にポジションを取ると心に恐怖が生まれるものだと思います。本書はその背景を分析的に書いており、自分のことと照らし合わせて面白く読めました。

本書の内容は、テクニカル分析を使う短期トレーダーを前提に置いています。中長期でポジションを持つ投資家にはあまり合わないかもしれません。

[今週のトレード] 2019/02/08 サンバイオ寄ってリバる

今週の資産推移は+0.2%(+9万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.8%、マザーズ指数が-5.0%と指数に対してアウトパフォームでした。

年初からゆったりリバウンドしてきた日本株が木金の2日で一気に崩れ、にわかに暗雲立ちこめてきたという感じ。21000を回復するとかしないとか言っていたのに、気付いたら20000が目の前という。日経平均先物引け値は20250円でした。

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サンバイオは火曜日に2,440円でやっと寄って、リバウンドして、金曜日に3,690円の高値がありました。駄犬は火曜日に寄り付近で買ったけどその日のうちに手じまって+2万くらい。期待値プラスだと思いつつポジションを引っ張れなかったです。損失への忌避心みたいなものがどうしてもあって、ポジションを小さくする方向、閉じる方向にバイアスが掛かっていると思う。改善したいポイントです。

ポートフォリオで上げたのはエスケーエレクトロニクス(+4.5%)、アイリッジ(+4.4%)、津田駒(+3.5%)。下げたのはセプテーニ(-10.6%)、エヌリンクス(-9.7%)、マツオカ(-7.0%)でした。

ポートフォリオの今週の決算はシンポ1社だけで、前年とほぼ同じ数字を出して、株価はやや下げました。来週に決算発表が集中しており来週が正念場です。

今週の取引

2168 パソナ (+800,732)

買い玉を手仕舞い

昨年末の安値から40%くらい上げて、昨年ポジションを取り始めてからの通算でもトントンくらいになってやれやれ売り。面白い銘柄と思うので監視リストには入れておきます。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 54,155,757円
  • 前日比 -642,141円 (-1.17%)
  • 月初比 +463,214円 (+0.86%)
  • 年初比 +5,488,125円 (+11.28%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] 新高値ブレイク投資術 (DUKE。)

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著名な個人投資家が自身の投資歴と投資手法について書いた本。

手法は一言でいうと「テーマ性を重視したモメンタム投資」という感じ。レンジブレイクで買って、買値より下げたらすぐに手じまい、伸びるようなら買い増ししていきます。著者によるとテクニカルとファンダメンタルズを組み合わせているとのことですが、ファンダメンタルズはほぼ売上高と経常利益の推移しか見ておらず、テクニカルにかなり偏重しています。ただ、著者はCPAを持っており経営企画の仕事をしている人なので、著書に書かれていないだけで財務分析もしっかりやっているのかも。

自身も述べているようにウィリアム・オニールに影響を受けており、「カップウィズハンドル」、「ディストリビューション日」などオニールの言葉が頻繁に出てきます。銘柄のスクリーニング基準もオニールのCANSLIMに似ています。10%下落したら損切り、など具体的な数字で判断基準が挙げられており、内容に具体性があるのはとても良いです。

少数の銘柄に絞ってポジションを取り、ピラミッディングで株数を積み増していくという攻撃的なスタイルで、強い相場では大きな利益を上げられる手法です。逆に今のような下げ相場には向かないでしょう。以下は投資手法に関する箇所のメモ書きです。

投資手法

  • 新高値更新銘柄を日次でチェックして、チャートの形と材料から買う銘柄を決める
    • カップウィズハンドル、レンジ(ボックス)の上抜け
    • 出来高の急増
    • わかりやすいテーマ性、ストーリーがあり、他の投資家の目線で魅力的であること
  • 買った後はピラミッディングで買い増ししていく
    • 買ったあとにまたレンジを形成したらその上抜けで買う
    • 4回まで買い増しする。1回あたりの買い付け金額は毎回同じにする
    • 買値より10%下落したら損切りする。ナンピンしない
    • 指数より弱い値動きが続いたら手じまいする
    • レンジが上に移動するたびに損切りのラインを上げていく、いずれかのタイミングで損切りラインになったら手じまいする
    • 悪材料が出たら手じまいする
  • 画期的な新製品、M&A、政策銘柄、技術革新などいわゆるテーマ性のある銘柄を買う
  • 時価総額500億以下の銘柄を買う。大型株は買わない。