駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2022/7/1

今週の資産推移は+1.3%(+294万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.2%、マザーズ指数が-3.8%と指数に対してアウトパフォームでした。

6月振り返りの記事に書きたいことは書いたのでこちらは簡単に。リセッション織り込み中で怖い相場ですが、値動きが怪しくなってきた高配当株を減らしてグロース株に入れ替え中。活況のIPOセカンダリではサンウェルズのみ買ってます。野村のレポートでFY25/3のEPSが252円と予想されており、アンビスと同じかそれに近い評価をされるならまだ上値がありそう、不景気になっても業績が落ちづらい事業だし機関投資家も買えそうだし、資本構成きれいだしロックアップも完璧だし……みたいな感じです。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 235,622,508円
  • 前日比 -7,943,368円 (-3.26%)
  • 月初比 -7,943,368円 (-3.26%)
  • 年初比 -18,213,026円 (-7.18%)
現物

信用

2022年6月の振り返り

パフォーマンス

6/10に発表された米国CPIが8.6%と予想を上振れしてセンチメントが急激に悪化、下げ相場に突入したと思ったら下旬にかけてなんとなくリバウンドし、指数は小幅な下落に収まりました。しかしリセッション懸念はさらに高まり、半導体がヤバいだの住宅市場がヤバいだのと先行き不安なニュースがどんどん出てきて、相場の雰囲気は指数以上に悪くなっているように感じます。ここからリセッションに入るとして、その先を取りに行くような動きが出てくるにはまだ時間がかかりそう。

今月のIPOはやけに活況で、吸収金額大きめの銘柄が次々上場したわりには初値から買われて上げていくものが目立ちました。たしかに今月のIPOはわりと粒がそろっていたと思いますが、それにしても意外な強さで、個人の待機資金や投機への意欲はそれほど落ちていないのかもしれません。ここ2ヶ月くらい日本株のほうが相対強く、アメリカ株に向かっているお金が少しは日本株に戻ってきてくれるとよいのですが。

今月は主にシダックスのおかげで指数を大きく上回るパフォーマンスとなり、ワンチャンあれば今年プラ転できそうなところまで戻ってきました。1年終わってプラスかマイナスかで精神的にぜんぜん違うわけで、できることならプラスで終わりたい。今年後半が平穏なマーケットでありますように。

ポートフォリオ

毎月貼っているポートフォリオの表です。今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと、

  1. 月の途中で買ったもの: +100万 (#7, #9, #10, #13, #17)
  2. 月初から持ってたもの: +560万 (1.の5つ以外)
  3. 短期トレード: +380万
  4. 指数ヘッジ: +200万
  5. 配当: +140万

1.は高配当枠で#13と#17を、前から買いたいと思っていたグロース株で#7, #9, #10を入れてます。ピープルは隠れ高配当で、今期の業績がEPS100-120円あたりに着地すると思っていて、配当性向100%なら配当利回り7-8%になるから買えるでしょ、で買っています。グロース3つは成長性に対して割安であり、かつ今後リセッションに入ったとしても業績へのダメージが小さいものを選んでいるつもり。トビラシステムズは携帯キャリア相手の売上が大きく、サービスも不景気で解約されにくいはず、タカヨシは小売りで主に野菜や弁当を扱っておりこれも不景気の影響は小さいだろうとか、そういう感じです。

2.は月初29,670万のポジションサイズに対して+560万となり、パーセンテージにして+1.9%。指数を上回るパフォーマンスを出せた月となりました。先月に続きシダックスの寄与が大きく、今年は本当に助けられています。

3.は決算ギャンブルが+2万、IPOセカンダリが+150万、決算発表後の短期トレードで+230万。決算ギャンブルは三井ハイテックで-110万と喰らったのが響いてほぼトントンに終わりました。1Qの決算短信を見て勝利を確信したのにどうしてこうなった……。あとはファーマフーズの決算発表後のリバウンドを取れたのが+140万と大きめに寄与しています。

日本株マーケット

リセッション懸念を背景にディフェンシブ、低ベータのセクタが買われ、農水や食料品が上位に。電気ガスがトップにいるのは原発再稼働をテーマに電力株が買われたのと、コモディティ価格が一段落しているからかな。景気敏感株はおしなべて下位におり、今年ここまで好調だった資源株も今月は低調でした。

バリュー優位の1ヶ月だったような印象でしたが低PERが下から3番目におり、ファクターよりもセクタの選好が強かったんでしょうか。低PERが下位なのはシクリカルバリューが売られたからで、低PBRや低ROEが上位なのは金利の動向で銀行や保険が買われたから、とか。今年ここまで強かった高配当株が今月はそうでもなくて、高配当利回りと低配当利回りでほとんど差がないのが気になります。

所感

  • マクロ要因でマーケットの動きがガラッと変わるため、どうしてもインフレだの金利だのを気にしてしまうし、マクロのニュースや有識者の見立てを追っかけるのに以前よりも時間を使っています。しかしマクロ経済のことは結局たいしてわからないし、限りある時間をそっちに使ってしまうのは良くないよなと思っています。自分の利益の源泉はあくまで開示を読んだり調べ物したりして得られるボトムアップなアイディアにあるわけで。

[今週のトレード] 2022/6/24

今週の資産推移は-0.8%(-198万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.7%、マザーズ指数が+8.1%と指数に対してアンダーパフォームでした。

一日ごとにガラッと景色が変わる慌ただしい週。1週間通してはシクリカルバリューと資源株が下げて、ディフェンシブとグロースが上げました。相場の動きに脈絡がなく、ランダムで極端な値動きに振り回されている感じで、今はいつもにもまして相場のことがわからない。金曜日にはグロースが異様に買われてマザーズ指数+5.7%となりましたが、そんなに上げる理由も見当たらず、月曜日に同じだけ下がって元に戻ってもたいして驚かないでしょう。

6月第3週の東証主体別売買動向で海外勢が1.7兆も売っており、彼らが直近で積み上げた資源株のロングやハイグロースのショートが巻き戻された、という説明は付けられるかもしれません。今週の不規則さはコロナショックの底でファンドが強引にアンワインドをやってたときに似ていたようにも思います。しかし個人が買い手に回っていて1兆円も買っているのはなんとも不穏な動きです。

あちこちの発表するリセッション確率が徐々に上昇中で、この数字は少し前まで10-20%あたりに集中していましたが、50%越えも当たり前になってきました。この数字が日々大きくなっているうちはリセッション織り込みモードが続くだろうし下値を見ておかないといけないんじゃなかろうか。100%近くなっていよいよリセッション不可避ってムードになったり、逆に数字が減り始めたら潮目が変わるのかなと思って見ています。

とにかくよくわからないし、今週マザーズ+8.1%に対して資産はマイナスだし(短期トレードでやらかしたとかではなくて、ふつうにポートフォリオがマイナスだった)、クラッシュがきたときに買える余力を持っておきたいしで、ポジションはしばらく控えめにしておくつもり。今日時点で資産に対してネット83%ですが、もう少し落としてもよいのかも。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 232,683,056円
  • 前日比 +3,570,541円 (+1.56%)
  • 月初比 +2,978,781円 (+1.30%)
  • 年初比 -21,152,478円 (-8.33%)
現物

信用

[今週のトレード] 2022/6/17

今週の資産推移は-3.1%(-754万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-5.5%、マザーズ指数が-9.6%と指数に対してアウトパフォームでした。

先週金曜日に発表された米国CPIが予想より高く、インフレのピークアウトが期待されていたところに真逆の結果が出てきて総崩れのリスクオフモードに。月曜からずっと下げっぱなしで精神的に削られる1週間でした。ダウは大台の30000ドルを割ってしまい、Twitterのタイムラインもとにかく雰囲気が沈んでいます。

www.bloomberg.co.jp

今週の業種別指数をみるとプラスは農林水産業と食料品の2つだけ、鉄鋼電気機器機械あたりが下位にいてインフレ耐性があるはずの資源株も弱く、またしてもリセッションを織り込む動きになっています。しばらくはこんな相場が続くんでしょうか。たぶんそうなるんだろうなあ。

今週は月曜日に相対的に自信のないポジションをざっと売って、値動きを見ると高配当の銘柄がよく耐えているので今は下落耐性のあるところにお金を置いておこうと思い、金曜日にかけて高配当銘柄を買ってました。あとは小型のグロース株でいけそうなところを少しずつ買っています。先週末に比べると個別株のポジションサイズは-3300万減少し、個別株の買いと指数ヘッジをネットして口座のお金の85%くらい。自分にしては控えめのリスクテイクとなっています。何を買ったらよいのかよくわからんな、と思いながら手探りでやっている感じ。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 234,661,348円
  • 前日比 -2,419,656円 (-1.02%)
  • 月初比 +4,957,073円 (+2.16%)
  • 年初比 -19,174,186円 (-7.55%)
現物

信用

[今週のトレード] 2022/6/10

今週の資産推移は+4.2%(+971万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.5%、マザーズ指数が+2.5%と指数に対してアウトパフォームでした。

木曜に6月IPOの目玉ANYCOLORが上場して2日連続でS高。決算への反応も甘くて期待を下回る内容でもあっさり許されるケースが目立ち、新興市場の雰囲気は良くなってきました。日本株が相対強いのも継続中ですが、ECBが引き締め方針を示して欧州株が売られたり、WTI原油が120ドルを超えてインフレ懸念が盛り返したり、マクロのネガティブなニュースが多いのは気になります。今夜には注目の米国CPIが発表されます。

www.nikkei.com

www.bloomberg.co.jp

マザーズ指数も東証グロース市場指数も底を這うような動きになっており、そろそろ買い始めて良いんじゃないかと思って、決算シーズンに新たに買ったポジションをいくらか畳んで小型のグロース株にお金を移しています。今年はずっと大型株、バリュー株優位が続いており、流れに逆らうようなポジションになるので、気合いの入った買い方ではありませんが。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 242,202,222円
  • 前日比 -784,129円 (-0.32%)
  • 月初比 +12,497,947円 (+5.44%)
  • 年初比 -11,633,312円 (-4.58%)
現物

信用

[今週のトレード] 2022/6/3

今週の資産推移は+3.4%(+773万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.4%、マザーズ指数が+3.9%と指数に対してまちまちでした。

京都旅行に出かけておりポートフォリオは放置気味でした。日本株は依然として相対的に強く(ダウは今週-0.9%)、ファンダ・需給の両面から説明を見ますが、どちらかというと日経記事のCTAが買ってるから、というのが要因として大きいように思われます。とくに今週後半は大型主導の上げ方で小型の個別はおいて行かれる感じでした。

note.com

www.nikkei.com

ともあれ日本株は堅調なのでもう少しポジションを増やしてもよさそうですが、何を買うかが悩ましい。小型グロースで割安に思えるものを買うか、機械、半導体など大型シクリカルを買うかの2択かなと思っています。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 232,496,515円
  • 前日比 -610,934円 (-0.26%)
  • 月初比 +2,792,240円 (+1.22%)
  • 年初比 -21,339,019円 (-8.41%)
現物

信用

2022年5月の振り返り

パフォーマンス

VIXが30を越える荒っぽい相場でしたが終わってみればアメリカも含めて指数は小動き。ウクライナ情勢、QTなどネガティブな材料の消化が進むも、次から次へと新しいネタを見つけてきて(今月は小売企業の決算)ぎゃーぎゃーやっている感じ。何日か上がる日があっても「どうせ下げ相場の中の短期ラリーなんでしょ」と思ってしまうし、今年はここまでずっとそのパターンが続いています。

今月は決算ギャンブルの寄与もあって指数を5%くらいアウトパフォームできました。去年11/17からのドローダウンは年末の出金を調整して-11.4%となり、相変わらず年初来マイナス圏で一進一退しています。このドローダウンを埋められると精神的にラクになれるんで、何とかそこまで持っていきたいものですが。

5月下旬には金利や為替の動きも一服して目先のイベントも捌けて、なんかそろそろベットを上げても良さそうだなと思えて、少しだけポジションサイズを増やしています。売り買いをネットして100%をすこし越えるくらい。ただ前出の「どうせ下げ相場の中の短期ラリーなんでしょ」という考えもあって、自分にしては控えめなリスクの取り方は続いています。

ポートフォリオ

今月のパフォーマンスの内訳をざっくり出すと、

  1. 月の途中で買ったもの: +450万 (#3, #6, #9, #10, #14)
  2. 月初から持ってたもの: +180万 (1.の5つ以外)
  3. 短期トレード: +530万
  4. 指数ヘッジ: -100万

1.は決算シーズンということもあり多めに入れ替えました。買った理由を簡単に書いておくと、#3はワクチン特需と思われた&13ヶ月あった前期を上回るガイダンスを出してきてサプライズと思ったから、#6は配当だけ見て、#9はQ1でガイダンスが出てくるはずでそこをまたごうか迷っていたところ自社株買いを発表したのでとりあえず買った、#10は自社株買いの関与率が高いのとセクタの分散にもなるので、#14はログミーファイナンスの書き起こしで今にも自社株買いをやりそうなテンションの発言があったので&プリクラ値上げするので。なんか自社株買いに絡むポジションが多いですね。他にも決算を見ていくつか買ったものの(第一稀元素化学工業、ダイレクトマーケティングミックスなど)、値動きが微妙だったので月末までに手じまっています。

2.は月初に28,158万あったところ+180万で、ポジションサイズに対して+0.6%。決算をミスりまくったわりには指数と同じくらいのパフォーマンスになっていますが、シダックスが+2.4%寄与しているのが大きいです。決算ミスった組の中ではスプリックスのみ手じまってます。

すこし前の記事にも書いたとおりスプリックスは自分が開示資料をちゃんと読めておらず、1Q決算を見て「湘南ゼミナールの立て直しに成功して収益性が改善している」と認識していたのが大間違いで実際はたんなる会計要因でした(決算期のズレを親会社にあわせたため季節性の出方が変わっていた)。ここを正しく理解していたら2Q決算までに手じまったか、少なくとも株数を減らしていたと思います。自分のスタイルでこういうのを喰らったらダメだよなあ。

3.はほとんどが決算絡みのトレードによるもの。今回の決算シーズンはアメリカの株式市場がごたごたしていてボラティリティも高く、強気にポジションを取りづらくて決算ギャンブルのポジションが小さいサイズになりがちで、難易度のわりに利益を積めなかったのが悔やまれる点です。今年は中長期のポジションで損失を出しながらも短期トレードでは勝てており、ここでリカバリしたかった。

日本株マーケット

5月のファクター。「高PER」「高過去3年平均売上高成長率」が下位におりバリュー>グロース、とくに月の前半はグロースが大きく劣後していた印象です。決算の反応では高配当、大型株が選好されていましたが、ファクターリターンを見てもその傾向がうかがえます。今月は移動平均線からの乖離が高低ともに上位にいるのが特徴的ですが、これはモメンタムとリバーサルが両方とも利いていたということなのかな。そういう時期もあるんですね。

海運、資源系が上位でシクリカルなセクタも全体的に強め。海運は川崎汽船を決算ギャンブルで触ったものの当日中に手じまってしまい、その後の上昇はまったく取れず。去年の振り返りをしたときにこういう大型株でモメンタムに乗っていくやつで利益を出したいと思ったものですがあえなくスルーとなりました。ポートフォリオに多い情報通信やサービス業が下位におり、セクタローテーションの恩恵はなかった月だったようです。

所感

  • なかなか思うようにパフォーマンスが出ず、最近はモチベーションの落ち込みを感じます。個別株は自分のイメージ通りに株価が動いて勝てるから面白いのであって、やっても勝てない、打っても響かないようだと嫌気がさしてくるものだと思います。開示を読んだりのルーチンは習慣になっているからまあやるけれど、それ以外の勉強や調査っぽいことに使う時間が減り気味になっている。でも無理してやるものでもないですからね。