駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[投資本] 麗しのバフェット銘柄 (メアリー・バフェット)

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『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術』の続編。前作の内容が良かったのでこちらも読んでみました。

深いモートがあって安定したビジネスを営む会社の株を割安なタイミングで買いましょう、ということを懇切丁寧に噛み砕いて書いており、たとえばコカコーラやハーシーのような強いブランドを持つB2C企業をとくに高く評価しています。また、ROEROTCといった指標に注目して高クオリティの銘柄を買うことを推奨しています。ROTCはあまり聞かない指標ですが、日本語に直すと総資本利益率であり、純利益÷総資本で計算されます。意図的に株主資本を低く抑える企業があるため、ROEだけでなくROTCもあわせて見たほうがよいとのこと。

前作とおおむね重複した内容であり、前作の焼き直しという印象が強いです。どちらか片方を読めば十分であり、主張がよりシンプルで、分かりやすくまとまっている前作のほうがお薦めです。ただし前作と翻訳者が違い、本書はより平易で一般的な投資の用語が使われており、翻訳の質は本書のほうが優れているように思いました。

[今週のトレード] 2021/5/21

今週の資産推移は+10.8%(+1833万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.1%、マザーズ指数が+4.1%と指数に対してアウトパフォームでした。

今週は指数を大きくアウトパフォームしました。週の後半に小型新興の強い相場となり、木・金の二日間で一気に資産が増えました。ポートフォリオではBuySellが今週+32.1%、プレミアアンチ+19.5%、イノベーション+14.0%、CARTA+13.1%、フロンティアインターナショナル+10.2%、スプリックス+9.3%、岡本工作機械製作所+8.9%、ドリームインキュベータ+8.7%、アートスパーク+8.0%、シダックス+6.2%となりました。

とくに木曜日にはTOPIX+0.0%、マザーズ指数+1.1%に対して資産+5.2%とあまり見ない増え方をしました。30~40銘柄に分散したポートフォリオなので、1日で指数と5%も乖離することは珍しいです。好決算なのに値動きの冴えなかった銘柄が地合の回復で買われる流れになって、その恩恵を受けられた印象です。

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決算シーズンが終わり、決算ギャンブルの建玉がすべて捌けて、ポートフォリオがすっきりしました。外需、とくに半導体の銘柄をポートフォリオに入れておきたいと考えて買い入れたのと、他にも決算の内容をみていくつか入れ替えをしています。どうも油断すると内需の会社ばかり買ってしまう傾向がありますが、なるべくバランスの取れたポートフォリオにしたいという意識はあります。

決算ギャンブルの建玉の確定損益は合計+8万と、トントンくらいの結果に落ち着きました。地合の悪化がなければもう少し勝てていたと思います。以下は今回の決算シーズンの所感です。

  • セクタによって決算への反応が分かれました。シクリカルなセクタはおしなべて強い決算を出しましたが、ここ半年ほどで株価が上がっていた半導体や電子部品は決算発表後に売られる動きが目立ちました。その反面、自動車部品、化学、鉄鋼といったセクタは好決算に素直に反応して株価が上がることが多かったです。決算シーズンの後半では自動車部品のポジションを薄く広く取って、トータルで利益になりました。日鍛バルブ、ティラド、I-PEX、共和レザー、タイガースポリマー、ミクニ、北川鉄工所などです。

  • コロナからの業績回復にともなって増配や復配のガイダンスを出す企業が目立ちました。今回の決算シーズンではとくに小型株は配当の増額に強い反応があり、自分の目から見て理解できないような買われ方をする銘柄もまま見られました。次回の決算シーズンに向けて覚えておきたい動きです。

  • コロナ恩恵と看做されている銘柄は好決算を出しても買われることはなく、出尽くしになって売られる値動きとなりました。これも今回の決算シーズンで顕著な傾向であったと思います。とくにキラキラ系のグロース銘柄は厳しい反応が目立ちました。

今週の取引

6125 岡本工作機械製作所 (-)

決算で買った外需銘柄その1。半導体製造装置の受注状況を見て買いました。ここは「工作機械」と「半導体関連装置」の2セグメントから構成されており、利益率に大きな差があります。前期の業績を見ると工作機械の営業利益率2%に対して、半導体関連装置は26%もあります。直近の5期を見ても工作機械は2-8%、半導体関連装置は13-26%の範囲となっており、半導体関連装置の受注状況に会社全体の利益が左右されます。

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そこで決算短信の受注状況を見ると、半導体関連装置は109億の受注残があります。前年同期比で2倍近い数字です。

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また、四半期ごとの受注高を見ると、FY2019からFY2020にかけて低調だった半導体関連装置の受注がFY2021に入ってから盛り返してきています。

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半導体関連装置セグメントではシリコンウエハの表面を平滑にする装置を主力としており、バックグラインダー、ポリッシングマシン(CMP)といった装置を製造しています。これらの装置はシリコンウエハの製造および半導体製造の前工程に使用されます。最近になってシリコンウエハの不足が報じられており、増産に動くシリコンウエハメーカーがあってここの機械へのニーズに繋がっているのではと思っています(ちゃんとした裏は取れていないです)。

www.nikkei.com

装置のラインナップがきれいに重複する競合他社は見つかりませんが、上場企業の中ではディスコと東京精密が近いようで、この2社の受注状況が良好であるのもポジティブに捉えられるように思います。

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受注残が業績の先行指標となる会社で、値動きを見つつ保有して、半導体関連装置の受注が落ちるタイミングがあればそこで売却するつもりです。

6627 テラプローブ (-)

決算で買った外需銘柄その2。半導体製造の後工程を受託する、半導体業界の言葉ではOSATといわれる会社です。車載向けの割合が大きく、最近の半導体不足が追い風になる会社で、少し前から監視リストに入れていたものの、ルネサスの工場火災が気になって買えていませんでした。1Qの決算説明資料に「主要顧客の工場火災の影響は限定的」「⾞載向けロジック製品を中⼼に好調な需要が継続」とあり、業績予想の数字も見て買えるかなと思いました。

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ここは四半期決算のたびに1~2四半期先の業績予想を開示します(半導体業界の会社にときどき見られるスタイル)。1Qの決算短信に記載された業績予想を見ると、2Q単体で10.2億の営業利益が出る見通しになっており、3Qの利益は非開示ですがまず2Qと同じ水準の利益が出るだろうし4Qも好調なトレンドが持続するとして、通期でざっくり営業利益35億、EPS160円くらいの着地でしょうか。

OSATは巨大な設備投資と減価償却が特徴の装置産業であり、前期の数字でいうと売上183億に対して減価償却が88億もあります。限界利益率が高く(ざっくりですが60~70%と思われる)、売上が伸びると利益に大きく反映されます。Powertechの月次(そこまで強い相関性はないが、同業でもあり先行指標にはなると思っている)を見ながら保有して、業績予想が弱含むことがあればそこで売るし、株価が上がれば減らしていくイメージでいます。

6640 I-PEX (-)

決算で買った外需銘柄その3。コネクタメーカーで自動車、スマホ、PCが主用途。前出の2つに比べると自信の度合いは低いのですが、決算ギャンブルで買っていたので買値が低くて精神的に持ちやすく、1Qの内容もまあ良かったので継続して保有することにしました。決算発表前に3000株まで買ってあって、決算発表翌日に1000株追加してます。あまり引っ張らず適当に手じまうつもり。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 187,922,253円
  • 前日比 +3,837,225円 (+2.08%)
  • 月初比 +20,318,944円 (+12.12%)
  • 年初比 +61,904,334円 (+49.12%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] ファクター投資入門 (アンドリュー・L・バーキン、ラリー・E・スウェドロー)

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主要なファクターを取り上げてそれらの特徴について論じた本。市場ベータ、サイズ、バリュー、モメンタム、クオリティ、ターム、キャリーの7つのファクターについて書かれています。

著者は有用なファクターに必要な要件として以下の5点、

持続性

長期間にわたり、異なる経済体制下でも有効である

普遍性

あらゆる国、地域、セクター、アセットクラスで有効である

安定性

どのような定義でも有効である

投資可能性

机上のみならず、取引コストなど実践するときの検討事項を考慮した後でも有効である

合理的な説明

そのプレミアムとそれが存続する理由をリスクや行動に基づいて、合理的に説明することができる

を挙げた上で、それぞれのファクターについて要件を満たすかどうか検討していきます。読んでいておもしろいのは「合理的な説明」の箇所で、そのファクターについて広く知られた後でもなぜプレミアムが消失しないのかが述べられます。全体的な傾向としては、行動経済学というか、マーケット参加者の振る舞いのバイアスによって説明されることが多いようです。より高いリスクを取る対価(リスクプレミアム)として説明されることもあります。

株式市場におけるアノマリーとして、小型株効果やモメンタム効果がよく話題になりますが、なぜそれが有効なのかしっかりした説明がなされることはまれです。たびたび疑問に思っていましたが本書はその答えを示してくれるものでした。

書名に「入門」と付いていますが入門書というには難易度が高く、ファクター投資について基礎的な知識があることを前提に書かれています。ファクターとは何かがそもそもわからないようだと本書はハードルが高く、より平易なものを読んでから手を着けた方がよいでしょう。

以下は本書で挙げられている合理的な説明のメモ書きです。書かれていることが絶対の正解というわけではなく、さまざまな人たちが定量的な根拠に基づいてこのような説明を試みているということです。本書の巻末には文献へのリファレンスがまとめられています。

サイズファクター

  • 小規模の企業には大きな財務レバレッジ、弱い資金調達力、激しい利益の変動、キャッシュフローの不確実性といった特徴があり、より高いリスクプレミアムが求められる
  • 景気サイクルのリスクに対する補填。小型株は不況期に業績が比較的低迷する傾向にあり、不況期にパフォーマンスが振るわない資産にはリスクプレミアムが求められる
  • 小型グロース株はショートするために株式を借りるコストが高くなる傾向があり、貸株の供給も限られるため、アノマリーが持続することが可能となる

バリューファクター

  • バリュー企業は過剰な生産能力を保有しており、好況期のみ生産能力を十分発揮できるためリターンが景気循環的となり、それに見合うリスクプレミアムが求められる
  • バリュー企業は苦境に陥っている企業であり、財務レバレッジが高く、キャッシュフローの不確実性が高いため、より高いリスクプレミアムが求められる
  • バリュー企業への投資家の期待は悲観的であるが、ファンダメンタルズが改善しても悲観的な期待はなかなか好転しない(アンカリング)ため、ミスプライシングが発生する
  • 可能性は小さくても巨大な報酬をもたらす「宝くじ」投資を好む投資家が多いためグロース企業は割高になり、グロース株の相対的に低いリターンがバリューファクターのプレミアムに反映される

モメンタムファクター

  • 投資家は企業の業績などの発表に当初は過小反応を示し、やがて長期的に価格が修正される
  • 多くの決算発表が行われた後の数日は、投資家が膨大な量の情報に圧倒されてしまうため、連続した株価の変動がより多く現れる(限定注意バイアス)
  • 投資家は利益の出ているポジションを早めに手じまい、損の出ているポジションを持ち続ける傾向がある(気質効果)

[今週のトレード] 2021/5/14

今週の資産推移は-0.5%(-84万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-2.6%、マザーズ指数が-6.7%と指数に対してアウトパフォームでした。

週の中盤に世界的なマーケットの調整があり、とりわけグロース株が売られました。マザーズ指数は今月ここまで-9.8%と下げています。原因としてはアメリカのCPIと金利高の織り込みが挙げられています。

www.bloomberg.co.jp

今週は決算発表のピークで、決算ギャンブルのポジションが積まれた状態で急落を喰らうことになりました。ポジションサイズの推移を見ると、5/11には3.63億の買いポジションを持っていて、これに対してヘッジの日経平均先物売りはミニ40枚のままでした(差し引きすると資産額に対して1.4倍くらいのネットロング)。結果的には決算ギャンブルで取ったポジションの分だけヘッジも増やしておくべきでしたが、最近は指数ヘッジと個別株の買いポジションで股割きになることが多くて、どうもヘッジを大きくすることに心理的な忌避感がある気がします。定量的に基準を決めておいて機械的にやったほうがよいのかもしれません。

今回の決算ギャンブルの結果は、まだ全て手じまっていませんがトータルでトントンくらいの着地になりそうです。今回はやはりマーケットの調整と重なった影響が大きく、自分は決算発表の1週間くらい前にポジションを取るので、決算発表までに10%下げて決算発表翌日に5%上がるみたいな推移のポジションも多かったです。決算シーズン全体の所感は来週書きます。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 169,595,555円
  • 前日比 +4,168,904円 (+2.52%)
  • 月初比 +1,992,246円 (+1.19%)
  • 年初比 +43,577,636円 (+34.58%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2021/5/7

今週の資産推移は+1.7%(+283万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.8%、マザーズ指数が-3.3%と指数に対してまちまちでした。

GW明けで木、金の2日だけ。先週の記事でAI Insideに絡めて「これがきっかけでSaaS株が全面的に値を崩すようなことにはならないと思っています」と書きましたがさにあらず、時価総額の大きい銘柄を中心に売られて今週2日間でfreee-14.3%、BASE-10.9%、マネーフォワード-7.9%、HENNGE-7.9%、ついでにマザーズ指数も-3.3%とグロース株の弱さが目立ちました。アメリカでもARKKの下落が記事になっています。

www.bloomberg.co.jp

代わりにオールドエコノミー、特に鉄鋼と海運が上げています。金曜日の決算で日本製鉄が強いガイダンスを出したのを見て、来週火曜日に決算発表の神戸製鋼所を買いました。今のポートフォリオ内需に片寄っているのが気になっていて、できればこの決算シーズンで外需の割合を増やしたい。来週が決算発表のピークで忙しい時期がもう少し続きます。

jp.reuters.com

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 170,431,945円
  • 前日比 +4,932,152円 (+2.98%)
  • 月初比 +2,828,636円 (+1.69%)
  • 年初比 +44,414,026円 (+35.24%)
現物

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信用

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先物

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[投資本] テクニカル分析の迷信 (デビッド・アロンソン)

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テクニカル分析の手法を統計的に評価し、有意性のある手法とそうでない手法を見分ける方法を議論した本。

世の中にはさまざまなテクニカル分析がありますが、なぜその手法で将来の値動きを予測できるのか、定量的な根拠が示されることはほとんどありません。株の本に「チャートがこの形になったら上がる」「移動平均線がこうなったら買い」などとあっても、その根拠には触れていないことが多いですし、触れていたとしてもたいていは群集心理などにもとづく曖昧な説明です。

それらの手法が本当に役に立つものなのか、読んでいて疑問に感じる人は多いでしょう。株を始めた頃の自分も、RSIって売られすぎの状態がわかるというけどちっとも勝てないな、とか思いながらトレードをやっていましたが、当時の自分が本書を読んでいたらムダな回り道を1つ避けられたはずです。

さて、本書の流れを簡潔にまとめると、テクニカル分析の手法は以下のように分類されます。

  1. 主観的テクニカル分析
  2. 統計的に有意でない客観的テクニカル分析
  3. 統計的有意性を持つ客観的テクニカル分析

1.は客観的に定義することができず、人によって解釈がバラバラになってしまう手法で、たとえばトレンドラインのようなものです。2., 3.は客観的に定義できる、つまり検証可能なアルゴリズムに変換できる手法であり、統計的有意性検定の結果によって2.と3.に分かれます。

われわれにとって価値があるのは3.のみですが、既存のテクニカル分析の大部分は、客観的な定義は可能であるものの統計的な有意性を示すことはできず、2.に含まれます。実際、著者がテストしたテクニカル分析のルールの中に、統計的な有意性を示すものはありませんでした。

ケーススタディの第二の目的は、S&P500指数に適用したときに統計的に有意なリターンを生み出すルールを発見することであった。このために、第8章で述べた6402のルールの検証を行い評価した。

(中略)

第二の目的に関しては、残念ながら統計的に有意なリターンを生み出すルールを発見することはできなかった。つまり、6402のルールのいずれも、検証において、有意水準0.05で虚無仮説を棄却できるほど高い平均リターンを生み出すことはできなかったということである。 (本書第9章より)

とはいえ、著者はテクニカル分析を全面的に否定しているわけではありません。効率的市場仮説を論駁してマーケットには非ランダムな値動きがあることを述べた上で、「科学的なテクニカル分析」で非ランダムな値動きを捉えることを読者に勧めています。クオンツとかシステムトレーダーと言われる人たちがやっているアプローチですね。

科学哲学や統計学の基礎的な議論から入っていくので冗長であり、難解な箇所もあります。ボリュームもあって精読するのは大変ですし、読み飛ばしながら興味を持てるところだけ読んでいけば良いと思います。他にないオリジナリティがあり、正しいスタンスで相場に取り組むための一助となる本です。とっつきづらさを乗り越えて読むだけの価値があります。

[今週のトレード] 2021/4/30 AI Insideが馬脚を現す

今週の資産推移は-0.5%(-80万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-0.9%、マザーズ指数が-0.9%と指数に対してアウトパフォームでした。

4月の資産推移は+2.8%(+457万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-2.9%、マザーズ指数が-0.1%と指数に対してアウトパフォームでした。

決算シーズンが始まりました。序盤の反応はまちまちで、中の下というところでしょうか。すでにコロナ前の株価を回復しているシクリカルな業種には、良い内容でも決算発表翌日に売られるものが目立ちますが、自動車部品などそこまで業績の回復を織り込まれていない業種だと、素直に上げることが多いようです。また、前回からそうですが、コロナ恩恵と看做されている銘柄は良い決算を出しても厳しい反応になるケースが多いです。

4/28にAI Insideが評価の前提をひっくり返す開示を出して、翌日は寄らずに終わりました。今回明らかになったのは、代理店のNTT西が無料キャンペーンをやって最低契約期間1年で大量の契約を取ったが、その契約の8割くらいが1年かそれ未満で解約されそうだということです。会社固有の事象とは思いますが、グロースのスター株であること、信用買い残が発行済株式数の9.8%と個人が買っていることから、新興市場への影響が心配です。これがきっかけでSaaS株が全面的に値を崩すようなことにはならないと思っています。

kabumatome.doorblog.jp

今回の件は決算説明資料を隅々まで読んで、かつNTT西がどのようにサービスを売っているか調べれば事前に察知できる可能性も(たいへん難しいながらも)なくもなかったように思われ、批判的に開示の内容を読むことの大切さをあらためて認識しました。半年そこいらで9000もの顧客にサービスを売って、OCRを自力で業務フローに組み込める顧客はそのうちの一部だろうし、この会社の人員数からサポートできるのかとか、考えていけば疑問を持つこともできたでしょうし。

4月は指数を4%程度アウトパフォームできました。決算ギャンブルをはじめとする短期のポジションが+570万も貢献しており、中長期のポジションはトータルでマイナスでした。短期ポジションでこんなに勝てる月は珍しいのですが、確定損益の大きいポジションを見ると、

となっており、大きく喰らったポジションが東芝しかなかったわりに、IPOセカンダリの丁半博打で勝てたのと決算で当たりを引けたのが大きかったようです。指数の弱い月にこうやってカバーできるのはありがたい。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 167,603,309円
  • 前日比 +654,469円 (+0.39%)
  • 月初比 +4,575,210円 (+2.81%)
  • 年初比 +41,585,390円 (+33.00%)
現物

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信用

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先物

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