駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2018/08/24

今週の資産推移は+1.1%(+52万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.7%、マザーズ指数が+3.7%とマーケットに対してまちまちでした。

月火で下げて水木金と鬼リバという1週間でした。マザーズ指数の上げ幅のわりに資産は伸びませんでしたが、アイペットが週間で-8.7%下げたのと、日経リバのヘッジ売りがマイナス寄与したのが大きかったです。アイペットは火曜日に4,795円の上場来高値を付けて、金曜の終値は4,130円で、なんか急にピーキーな値動きになっています。何なんだろうこれ。

今週の取引

8043 スターゼン (-117,151)

買い玉を手仕舞い

決算で急落した後のリバ狙いでしたが、まったくリバらずに下げていくんで売りました。

3662 エイチーム (-)
6578 エヌリンクス (-)
6654 不二電機工業 (-)

上3つは新規に買い玉を建てて持ち越し。

エイチームと不二電機工業は来月決算発表で、決算までのスイングトレードで買ったもの。エイチームは一時2000円を割っていて、ちょっと売られすぎにも見えました。

エヌリンクスは8/24の金曜日に分売があり、分売価格付近で1日中推移していたのをちまちまと1500株まで拾いました。ここは足下の業績が好調であること、今月上方修正を出したのですが2Qしか修正しておらず通期の上方修正に含みを残していること、アルテマの好調さから買いました。駄犬はスマホのゲームをいくつかやっていますが、最近ゲームのタイトルでGoogle検索するとアルテマがGameWithやらAppMediaやらの競合サイトより上にあることが多くて、SEOうまくいってるんじゃないかなという気がいたします。ぜんぜん定量的ではないですが。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 48,345,617円
  • 前日比 -67,673円 (-0.14%)
  • 月初比 +875,474円 (+1.84%)
  • 年初比 +12,576,465円 (+35.16%)
現物

f:id:bone-eater:20180826182239p:plain

信用

f:id:bone-eater:20180826182210p:plain

[今週のトレード] 2018/08/17

今週の資産推移は-1.8%(-89万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.3%、マザーズ指数が-4.5%とマーケットに対してまちまちでした。

今週も相変わらずの下げ相場ではあったんですが、マザーズ指数-4.5%に対して日経平均は-0.1%とほぼ横ばいで、乖離の目立った週となりました。また、ポジティブなニュースが伝わって日経平均が1時間で300円もリバるなど、値動きはむしろ強さを見せることが多かったです。今週の動きには目先の底打ちを感じた人が多かったと思います。今週はトルコリラの暴落もありました。

kabumatome.doorblog.jp

決算相場もようやく終わりました。今回の決算相場は4つも喰らった銘柄がありましたが、決算通過で上げた銘柄とネットしたらトントンくらいで悪くはなかったです。喰らったのは以下の銘柄で、

  • 4293 セプテーニ クソ決算 7/27 -21.2%
  • 2120 LIFULL 下方修正 7/27 -8.7%
  • 6513 オリジン電気 クソ決算 8/09 -20.1%
  • 3966 ユーザベース 普通の決算 8/14-11.0%

オリジン電気は自分によくわからない会社を業績予想だけ信じてポジションを取って、結果クソ決算で被弾するというパターンで損失を出しており要反省です。セプテーニもネット広告事業がこのところ良くないのをわかっていながら買ったという点であまりよくなかった。LIFULLとユーザベースは中長期の目線で買っているのでまあいいかなという感じです。

今週の取引

7717 Vテク (+80万くらい)

買い玉を手仕舞い

1Q決算の進捗率が17.5%といまいちだったこと、1Qの受注が悪かったこと、有機ELの設備投資ブームが終わった(と言われている)こと、信用買い残がいまだに発行株数の15%くらいあることから売りました。11,800円で買って2年くらい持っていた銘柄で名残惜しい。ここはピークで3万円を超えたあたりから下げ続けて、結局約2万円で売ることになりました。売るタイミングはよくなかったです。

7809 コトブキヤ (+135,579)

買い玉を手仕舞い

決算発表前日に半分売って、強めの決算が出て、決算翌日にやたら上げたので残り半分も売りました。前日に減らしたのは独自IPのフレームアームズ・ガールの新作アニメを作るコストが今期に発生するはずで、今期予測が悪いのではないかという懸念があったからですが、出てきた数字は増益予測でした。2億とかそこいらのコストが掛かると思われ、ここの利益の規模から考えると影響がありそうなものですが、新作は劇場版なので今期のうちに回収できるっていう計算なんすかねえ。結果としては前日に減らす必要はなかったです。いったん売りましたが押したらまた買いたい。

7927 ムトー精工 (-73,976)

買い玉を手仕舞い

決算ギャンブルの建玉。結果はダメな決算を出して翌日はGDで、寄りで売って損切となりました。

4249 森六 (-)

新規に買い玉を建てて持ち越し。

ここは前期の業績がよくて、でも来季はダメなんじゃ? と思われていたら案の定減益の予測を出して、やっぱダメじゃんって売られていたところ、1Qで好決算を出したというパターンで、自分はサプライズだと思ったので買った。減益予測で売られたところから水準訂正が入らないかなーという期待です。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 47,827,066円
  • 前日比 +153,783円 (+0.32%)
  • 月初比 +356,923円 (+0.75%)
  • 年初比 +12,057,914円 (+33.71%)
現物

f:id:bone-eater:20180819112017p:plain

信用

f:id:bone-eater:20180819112027p:plain

[今週のトレード] 2018/08/10

今週の資産推移は-0.0%(-1万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.3%、マザーズ指数が-1.6%とマーケットをアウトパフォームできました。

今週も相変わらずの下げ相場でした。ポートフォリオの決算発表は好悪まちまちで、大きく喰らった銘柄がありつつも、トータルではトントンくらい。

来週でようやく決算シーズンも終わります。自分のポートフォリオでは来週は5銘柄が決算発表です。Vテク、富士山、コトブキヤまんだらけ、ユーザベースで5銘柄。Vテクがダントツで不安なのですが、100株しかなくて枚数を減らしたりできませんし、そのまま持ち越そうと思っています。

今週はポートフォリオに入れ替えがありました。オリジン電気とエスケーエレクトロニクスを売って、代わりにはてなと三精テクノロジーズを買いました。

今週の取引

6513 オリジン電気 (-105,162)

買い玉を手仕舞い

今回の決算シーズンでいちばん手ひどくやられたのはこの銘柄でしょう。8/9の昼休みにたいへんなクソ決算を出して、後場は特売りから始まってストップ安でやっと寄りました。とても持ち続けられる内容と思えず、ストップ安で損切りとなりました。あーあ。

f:id:bone-eater:20180812002901p:plain

6677 エスケーエレクトロニクス (-79,920)

買い玉を手仕舞い

8/7に3Qの決算発表で、かなり良い数字を出しました。ただ、ここは通期の上方修正をだいたい3Q決算と一緒に出すのですが今回は出さなかった。進捗率は高いものの、おそらくここからの上方修正はないだろうし、今は決算通過で売られる銘柄が目立つので決算発表翌日に売りました。

kabutan.jp

3930 はてな (-)
6357 三精テクノロジーズ (-)
8043 スターゼン (-)

上3つは新規に買い玉を建てて持ち越し。

はてなは6月に一度売ったんですが、また買いたいと思っていて、1ヶ月後くらいに本決算の発表なんでそろそろと思って買った。ここは今期はITインフラの刷新でデータセンタ料金を二重に払っているんですが、来季はほぼなくなるので、少なくともその分は強い業績予測が期待できるのと、マンガビュワーとマカレルが伸びているし、基本的にストック型のビジネスやっているので、新興相場が弱い時でも買いやすい銘柄なんじゃないかと思う。マンガビュワーはライセンスの売り切りじゃなくて、広告の運用を受託してるので、導入が増えればそれだけ安定収益になるはずなんですよね。

三精テクノロジーズは買いたいリストに入れていた銘柄で、決算発表翌日に10%以上下げたのを見て買いました。1Qの進捗率が悪いので売られたんだと思いますが、ここは4Q偏重なので1Qの進捗率ではわからないのと、保守的な予測を出す会社でだいたいは会社予測よりも上の数字を出してきた実績があるので、まあ大丈夫なんじゃないかなあ。マネックスの銘柄スカウターを見ると↓は2014年の1回だけです。

f:id:bone-eater:20180812004742p:plain

スターゼンも買いたいリストに入れていた銘柄で、決算後に20%くらい下げたので買いました。値動きだけ見て買ってしまって、1Qの決算が前年同期比で2割くらい落ちているんですがその原因を理解できていないので調べないと。それによってはさっさと売るかもしれません。

6218 エンシュウ (-25,093)
7927 ムトー精工 (-)

上2つは決算ギャンブルのスイングトレード

エンシュウは前期の1Qが赤字で、受注残高からすると今期1Qはまず黒字になるだろうから、見栄えの良い決算にはなるんじゃないかなと思って買ったもの。出てきた決算は決して悪くなかったのですが、翌日はGDで始まり、損切となりました。

kabutan.jp

ムトー精工は以下のような理由で買ったんですが、金曜の引け後に出てきた決算は悪かったです。月曜日に損切となる予定(´・ω・`)

  • 2Qの会社予測が50%ほどの減益で、最近の値動きをみるとある程度織り込まれているであろうこと
  • 主要顧客がワコムキヤノンソニーの3社で、キヤノンソニーの足元の業績が好調であること(ワコムは悪いが)
  • 今年3月には100万株を超えていた信用買い残東証公表)が8/3には396,300株まで減っており、個人の買い玉の整理が進んでいること

しかしエンシュウは去年だったらGUとなった内容だったと思うんですが、これでGDしてしまうのは地合いの弱さを感じます。個人が触っている銘柄は決算後に売られる傾向が強いです。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 48,718,959円
  • 前日比 -408,862円 (-0.83%)
  • 月初比 +1,248,816円 (+2.63%)
  • 年初比 +12,949,807円 (+36.20%)
現物

f:id:bone-eater:20180812092150p:plain

信用

f:id:bone-eater:20180812092154p:plain

[投資本] 外資系運用会社が明かす投資信託の舞台裏

f:id:bone-eater:20180805111752p:plain

ドイチェ・アセット・マネジメントという資産運用会社の人たちが書いた本。投資信託を運用する資産運用会社がどういう業務をやっているのかを淡々と述べた本です。初心者向けに投資信託の説明をした章もありますが、ページ数としては多くありません。文体も硬くて大学の先生が書いているような印象です。「このファンドを買えば儲かる!」みたいな内容はどこにもありません。

資産運用会社というと運用部門があって、ファンドマネージャーやトレーダーがいて……というイメージがまずありますが、他にもマーケティング部門、営業部門、バックオフィスがあって、コンプラやシステムの部署もあって、こういう人たちがこういう仕事をしているんですよ。1本のファンドを立ち上げて運用していくためにこんなにたくさんの仕事があるんですよ、ってのが丁寧に説明されています。興味のある人はとても面白く読めるけど、そうでない人には退屈なだけという本だと思います。

駄犬は投資信託はほとんど買わないのですが、投資信託という仕組み自体には興味があって、なかなか面白く読めました。資産運用会社の中の人が書いているだけあって、あまり一般には知られていないようなことも書かれています。少なくとも駄犬にとっては、この本で初めて知ることが多々ありました。たとえばこんな感じ。

必ずしも名前の付いた証券会社が運用しているわけではない

本書でいちばん驚いたのがこれでした。たとえば「ダイワ米国リート・ファンド」という投資信託があります。この名前を見たらたいていの人は、大和証券が運用している投資信託なんだな、と思うでしょう。

しかし実際には、この投資信託を運用しているのはCohen & Steers Capital Management Incという海外の運用会社です。大和証券は投資家のお金を集めて運用を委託しているだけなんですね。他にもこういう投資信託はたくさんあるとのこと。

特に海外の株式や不動産に投資する投資信託の場合、母国語による情報取得の優位性、現地の動向の把握といった理由から、海外の運用会社に運用を委託するケースが増えているそうです。理由としてはもっともな気がするけど、大手証券会社の名前が付いている安心感でお金を預けたら、実際はよくわからない海外の会社が運用しています、というのは一般投資家からすると違和感があるような。

業界団体による自主規制

資産運用業界には投資信託協会という自主規制団体があり、「投資信託等の運用に関する規則」というレギュレーションが策定されていて、リスクの規制が設けられています。たとえば以下のような項目があります。

  • 株式の特定銘柄の比率が10%を超えないこと
  • 債権の特定銘柄の比率が10%を超えないこと
  • デリバティブも含めて同一発行体への投資の比率が合計で20%を超えないこと

こうやって具体的な数字でルールが決められていると、個人投資家にとっても参考になるかもしれませんね。暇なときに読んでみようかなと思いました。

投資信託の資産規模

2015年とやや古い数字ですが、これくらいの規模があります。

  • 投資信託全体で167.9兆円
  • 公募投信が105.1兆円、私募投信が62.9兆円
  • 公募投信を投資対象で分類すると、株式が81.7兆円、公社債が16.0兆円、不動産が7.3兆円
  • ETFは16.2兆円

私募投信って大きいんですね。私募投信というものが存在すること、最近その規模が大きくなっていることは日経の記事で読んだことがあって何となく認識あったのですが、こんなに金額があるんだ。公募投信だったら、組み入れの比率などが公開されていて参考にできるんですけどね。

……というわけで、けっこうおもしろいことが書いてある本だと思います。読んでいて印象的だったのは、マーケティングの重要性が繰り返し述べられることです。投資信託を組成するだけで売れるわけではない、どんなにすばらしい投資信託であっても個人投資家や販売会社にうまく伝えられなければ売れないし、一定の資産規模がなければ維持することができないと。当事者の書くことなので実感がこもっています。最近ではインターネット証券が販売チャネルとして大きくなっており、たくさんの投資信託がある(2015年には709本の投資信託が新たに設定されたとのこと)中で埋没してしまうそうです。

[今週のトレード] 2018/08/03

今週の資産推移は+0.1%(+6万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.9%、マザーズ指数が-3.6%とマーケットをアウトパフォームできました。

今週は下げ相場でしたが資産は横ばいで踏みとどまりました。アイペットが決算発表後に上昇し、1週間で+16.6%となったことが大きかったです。ポートフォリオが全体的に下げたのを相殺してくれました。

来週も引き続き決算ラッシュで、ポートフォリオでは7銘柄が決算発表の予定です。エスケーエレクトロニクススプリックス北野建設、オリジン電気、マツオカ、UFHD、ワイエイシイで7銘柄。北野建設とワイエイシイはやや不安があるので枚数を減らしておこうと思っていて、エスケーエレクトロニクス個人投資家の手垢がかなり付いているんで堅調な数字を出しても下げるんじゃないかという懸念があって、あとは何とかなるんじゃないかな……たぶん。うまく乗り切れるとよいのですが。

今週の取引

3688 VOYAGE (+115,191)

決算ギャンブルのスイングトレード

VOYAGEは6/27にログリーの売却益で5億ちょいの特別利益が出たというリリースを出していて、それを加味すると3Qでの上方修正はほぼ確実だろうと思って決算発表の前日に買ったもの。予想通りに上方修正を出してくれて、翌日の寄りから数分で売りました。

ただ、ここは決算後の値動きが予想外でした。駄犬が平均1220円くらいで売った後にガンガン上がっていって、8/3の終値はなんと1430円。上方修正を出すことはみんな予想していたと思うし、サプライズも何もなかったはずなんですよね。貸借銘柄で売り長なので踏み上げてここまで上げたんでしょうが、ほんと決算相場はわからないです。

6590 芝浦メカトロニクス (+376,887)

買い玉を手仕舞い

まあまあの内容に見える決算をだして、なのに翌日に10%くらい上げたので売りました。その後の値動きは売ったあたりでヨコヨコになっていて、正解とも不正解とも言えない感じです。

6899 ASTI (+209,900)

買い玉を手仕舞い

ここは8/7に決算発表で、決算をまたぎたくなかったので売りました。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 48,731,328円
  • 前日比 +6,574円 (+0.01%)
  • 月初比 +1,261,185円 (+2.66%)
  • 年初比 +12,962,176円 (+36.24%)
現物

f:id:bone-eater:20180806012418p:plain

信用

f:id:bone-eater:20180806012413p:plain

[投資本]アメリカの中学生はみな学んでいる「おカネと投資」の教科書 (ゲイル・カーリッツ)

f:id:bone-eater:20180805113825p:plain

アメリカで子供向けに書かれた投資の入門書を邦訳したもの。著者のゲイル・カーリッツ氏はノンフィクションライターで、金融のキャリアはないみたいですが、内容におかしな点はなく、よく書かれていると思います。

内容としては、最初にリスクとリターンの関係や分散投資の利点など、特定の金融商品にかかわらない基本的な考え方を述べてから、銀行預金、債券、投資信託、株式についてそれぞれ説明していきます。特に株式について多くのページが割かれており、恐慌ではダウを構成するような優良銘柄でもガッツリ下げること、インサイダー取引やポンジスキームといった不正な株取引がまま見られることなど、株式に固有のリスクについてもきちんと書かれています。

タイトルでは中学生となっていますが、どちらかというと、大人が投資の入門書として読むのに最適な本といえそうです。アメリカ固有の記述も少しだけあるのですが(たとえばティッカーシンボルの説明とか)、ほとんどは日本でもそのまま当てはまる内容です。ただ、ある程度投資の経験があって、知識のある人があらためて読む必要はないかもしれません。

本書の内容のなかでは特に、「株価を変化させる9つの要因」という節がわかりやすくまとまっていると感心しました。やや長いですが以下に引用すると、

法律の変更

もしも、大量のガソリンを使い、排気ガスをまき散らす自動車の販売を禁止する法律が制定されれば、こんな自動車を製造する会社はやがて利益を減らしていくので、株式の購入希望者もだんだんと少なくなる。そうなると株価も下落していくが、反対に無公害の自動車を製造する会社は売り上げを伸ばし、その利益を増やしていく。こうした会社の株式を欲しがる人が増えていけば、当然その会社の株価も高騰していく。

新しい発明

ただの風邪でもきちんとした治療薬が開発されれば、誰にとっても素晴らしい発明であり、製薬会社にとってもそれは願ってもないチャンスだ。株式が間違いなく高騰するのだ。しかし、ティッシュペーパーを作る会社、点鼻薬を作る会社、のど飴を作っている会社はどうだろう。新薬の影響でこうした製品を必要とする人は減ってしまう。そうなれば株価も下がってしまうかもしれない。

天候の変動

温暖なフロリダやカリフォルニアに霜が降りれば、例年通りのオレンジの収穫は望めない。そうなるとオレンジやオレンジジュースを製造する会社は満足な営業ができず、利益もダウンして株価に影響が出てくるだろう。半面、除雪車や雪かき機、シャベルやブーツ、それにスキーなど、厳しい冬の天候を歓迎している会社が一方で存在している。こうした会社の株価はむしろ上昇に転じていく。

戦争や災害

戦争のようなどんなに恐ろしい事態であっても、株価に影響を与えずにはおかない。戦車や銃、戦闘機などの部品を供給している会社は、戦争が勃発すればその需要を高めていくものなのだ。ハリケーンなどの自然災害もまた、被害地の住宅や会社の復興に必要な商品を供給する会社に売り上げを伸ばす機会をもたらす。一方で、観光地がこうしたハリケーンに見舞われると、観光客相手のホテルやレストラン、航空会社にとっては大打撃となってしまう。

景気の良しあし

政治が安定して経済も活発なら、企業は大勢の人たちを雇ってたくさんの給料を払ってくれる。収入が増えればそのお金でぜいたくな休暇を過ごすことができるし、広い家に移り住み、あるいはリフォームと住宅にたくさんのお金をかけられる。衣服や装身具にもお金を費やすだろう。 反対に景気が悪くなれば、多くの人が職を失い、あるいは失業におびえながら毎日を過ごしていかなくてはならない。生活に対する不安が高まれば、人々はできるだけお金を使わないようになる。それはレストランや映画館、衣料品会社、小売店にとって売り上げの減少を意味し、自動車会社や車の販売会社、あるいはレジャー産業の売り上げにも大きく響く。生活していくうえで最低限のものしか売れなくなるので、こうした商品を取り扱っていない会社がこうむるダメージは大きい。多くの会社が株価を下落させていく。

マイナスイメージ

ある化粧品会社が動物実験を行っている。そんなことを記事に書かれてしまうと、多くの人たちがこうした会社の製品を使うことを拒否してしまうかもしれない。その結果、会社の株価は下落する。

流行やファッション

多くの会社でスーツやネクタイはこれ以上必要なしと判断されれば、ネクタイを作っている会社は収益を落としてしまう。反対にスポーツシャツやセーター、カジュアルなズボンを製造している会社は今後売り上げを伸ばし、利益を高めていくことが予想される。

人口構造の変化

以前に比べると人の寿命はどんどん長くなっている。寿命が延びることで、たとえば補聴器を製造する会社は売り上げを伸ばしていく。さらに早い段階で仕事をリタイアするようになれば、ゴルフ用品やレジャー関連の用具を作っている会社も売り上げを増やしていくだろう。

社会意識の変化

地球温暖化などの環境問題は、これまで長い間あまりに多くの人の関心を引くことはなかった。しかし、環境保護の必要を報じるニュースが増えると、太陽熱パネルの製造やリサイクル関連のサービスを提供する会社が非常に高く評価され、その株価も上昇していく。

というもので、これだけの記述で株価の変動の原因がかなりカバーされていると思います。たとえば「景気の良しあし」ではシクリカル/ディフェンシブの考え方について述べられていたり、重要な概念がやさしい説明で織り込まれています。為替と金利への言及が抜けているように思うけれど、子供向けには難しくなるので端折られたんじゃないかなあ。

というわけで、投資について広く浅い知識を得るための入門書としてはかなり優れた本だと思いました。

[今週のトレード] 2018/07/31

7月の資産推移は+2.7%(+125万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.3%、マザーズ指数が-4.7%とマーケットをアウトパフォームできました。年初来では+32.7%となりました。

というわけで7月が終わりました。今月はプラスにはできたものの、IPO2銘柄(GAテクノロジーズ、バンクオブイノベーション)のスイングトレードで+97万も取れたのが大きくて、それを除けばトントンくらい。ポートフォリオのパフォーマンスは今ひとつでした。

今月はJASDAQ平均も-1.0%と弱かったです。小型新興は2月からずっと逆風で、特に悪い材料もないのに自由落下みたいなチャートになる銘柄ばかりで厳しいかぎり。GWあたりまでは「そのうち戻すだろう」くらいに考えていましたが、どちらかというとこのまま下げ続けて、年末にはマザーズ指数800くらいになっているんじゃないかと思えてきました。

  • ラッセル2000がここ2ヶ月くらい頭打ちっぽい値動きになってるように見える
  • 上海総合指数もここ半年で2割くらい下げてる
  • FBが7/26に20%くらい下げた

など、世界中で小型新興株は軟調で、目先に希望を持てる気がしません。こちらの記事がとても納得感ありました。

www.globalmacroresearch.org

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 47,470,143円
  • 前日比 -865,515円 (-1.79%
  • 月初比 +1,246,695円 (+2.70%)
  • 年初比 +11,700,991円 (+32.71%)
現物

f:id:bone-eater:20180801002555p:plain

信用

f:id:bone-eater:20180801002601p:plain