駄犬の株ログ

「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

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「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」(アーヴィング=フィッシャー, 1929年)

[今週のトレード] 2020/10/9 トランプ生還

今週の資産推移は+5.1%(+623万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+2.4%、マザーズ指数が+9.3%と指数に対してまちまちでした。

コロナで入院したトランプが4日後には退院し、途端にリスクオンが再開してそのまま上げ続ける1週間でした。しかしマザーズ指数+9.3%はすさまじい。新興の大型株が買われる地合で、ポートフォリオでそれっぽい銘柄がユーザベースくらいしかなくて、マザーズ指数にまったく付いていけなくなってます。すごい相場だなあ。これいつまで続くの。

www3.nhk.or.jp

今週はいくつかポジションを入れ替えて、1週間で1.5倍になったSTIフードを半分に減らしました。東京都民もGoToを使えるようになったので京都に3泊4日で行ってきて、良い感じにリフレッシュできたんでここからは決算シーズンの予習をガッツリやっていきます。

今週の取引

4748 構造計画研究所 (+791,814)

手じまい。ここは受注残がかなり先行指標になるんですが前期末の受注残が前期比+2.4%と今ひとつなこと、前期1Qの数字が強めで次の四半期決算は見栄えが悪くなりそうなことから次の決算発表までに手じまうつもりで、今週売りました。

5Gと国土強靱化のテーマ性があるのですが、特に5Gは相場のテーマとしては消化された感がある(ガートナーのハイプサイクルでも幻滅期の入り口になった)ため、その点でも株価のアップサイドに乏しいと考えています。

4187 大阪有機化学工業 (+130,702)

手じまい。10/2(金)に3Q決算&上方修正を発表、翌日にすべて売りました。上方修正が出たのはよかったけど数字が期待されたよりも悪く、翌日-11.7%と売られました。5%くらいGDして寄ったのを見て寄りから少しはリバるのでは? と思って引っ張ってしまって、下のほうで手じまうことになったのが拙かった。一時は100万超えの含み益があったポジションでしたが終わってみればショボい利益になってしまった。

2303 ドーン (-)

10/8(木)に1Q決算発表。発表前に4000株まで買ってあって、決算を見て3000株追加しました。ここは前期1Qが大型案件の計上のため実力値より上振れした業績になっており、今期1Qは前期比で見栄えの悪い決算になるので、1Q決算を通過してから欲しい株数まで買いたかった。今期1Qは自分が事前に見積もっていた数字より良い内容で、クラウド事業のストック収入が伸びていると確認できました。

今後期待されるのはクラウド事業、とくにNET119とLive119の2サービスが伸びることです。少し前に内輪の勉強会でそのあたりについて喋ったので、その資料を使いながら書いてみます。

NET119

ドーンは1991年の創業から一貫してGIS(地理情報システム)の開発を手掛けてきました。2015年までは受託開発とライブラリ(GeoBase.NET)のライセンス販売でほぼすべての売上を立てており、これらの事業は地方自治体や電力会社が相手で安定している代わりに伸びしろに乏しく、業績もずっと横ばいでした。2016年から「NET119緊急通報システム(以下NET119)」が軌道に乗り業績が伸びてきます。

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NET119は障碍者がインターネット(チャット)で119番通報できるというサービスです。耳が聞こえない人や発話ができない人にとって、電話での通報は困難です。そのため、電話以外の方法で通報できる手段を彼らに提供する必要があります。インターネット以前にはFAXが使われていましたが、インターネットが普及するにしたがって、インターネットで通報できるシステムを作ろうという動きが出てきました。

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ドーンは2010年に「緊急通報システムWeb119」をリリースします。 NET119の前身となるサービスです。機能的にはまったく同一で、インターネットのチャットで通報ができるというものです。このサービスはリリース後の数年はあまり売れず、業績への貢献もありませんでした。

しかし2016年に総務省がインターネット通報の標準仕様を作ろうと動きはじめ、ここから大きく流れが変わります。総務省は一般社団法人情報通信技術委員会(TTC)に標準仕様の作成を依頼し、2017年には「TS-1022 NET119共通電文仕様書1.0版」が公開されます。以下この標準仕様をNet119 2.0とあらわします。標準仕様の公開がその後の普及の足がかりになりました。

2018年には「第4次障害者基本計画」が閣議決定されます。この中でNet119 2.0システムの導入割合を2020年度に100%とすることが目標とされました。上のスライドに引用した表が該当する箇所で、「聴覚・言語機能障害者がスマートフォン等を用いて円滑に 119 番通報できるシステム」というのがNet119 2.0システムを指します。

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これで全国の消防本部への導入に弾みがつき、2020年度末までに全国726本部のうち576本部が導入予定となっています。この1年で一気に導入が進むことになります。キャプチャは消防庁のWebサイトで公開されている資料からの引用です。

残念ながら2020年度末の時点では目標とされる100%には至らないのですが、今後100%に近い数字まで普及が進むものと見ています。これによりNET119のストック収入が積み上がるのがここ1~2年の成長ストーリーで、ここまでは確度の高いものと考えます。

ただしNET119の月額課金部分の金額は消防本部の所轄人口に応じて決定されるため、導入した消防本部の数に比例する形で売上が伸びるわけではありません。記事の最後にある資料に細かい数字や業績への影響を試算した結果があるので、もし興味あればそちらを参照ください。

Live119

NET119は単機能かつ固定料金(月額課金で毎月きまった金額が売上計上される)のサービスであり、アップセルの余地がありません。全国の消防本部への導入が終わったら、そこでNET119としては伸びしろがなくなってしまいます。そのため、その後の成長は消防本部に他のサービスをクロスセルできるかどうかにかかっています。

もっとも期待されるサービスが「Live119映像通報サービス(以下Live119)」です。通報者のスマホで撮影した映像を消防に共有できるサービスで、NET119と比較したときに以下のようなポテンシャルがあります。

  • NET119は障碍者のみ利用可能なサービスで事前登録制だが、Live119は一般人も利用可能で事前登録も不要であり、より広範に利用されるサービスになりうる。すべての消防本部でそうなるかは不確かだが、すでに本運用が開始されている神戸市ではそのような運用になっている
  • NET119は固定料金だが、Live119は月額課金部分が従量制に近い形となる。利用された件数によって次年度の契約金額を決定する(らしい)
  • NET119はゼロからの営業活動が必要だったが、Live119はすでにNET119を導入済みの消防本部に営業できるため、クロスセルがしやすい

2020/09より東京消防庁で試験運用開始、本運用開始済みの消防本部も3件あります。

japanese.engadget.com

ただしNET119のように数百の消防本部に導入されるところまで行かないと収益貢献は限定的になるでしょう。また、売上が従量制っぽくなるため、「119番通報で動画を要求されることがある」というのが世の中に受け入れられて、通報者が協力してくれる必要もあります(スマホの通信費などは通報者の負担になるし、撮影の手間もかかるので)。事故・火災や傷病の様子を動画で消防に伝えられるのは明らかに効果がありますし、うまく導入実績が伸びてくれるとよいのですが未知数の部分が大きいです。

まとめと資料

最後にざっくりまとめると、今後1年かもう少しはNET119の導入が続くためクラウド事業のストック収入が積み上がる見込みで、その間は業績が成長します。その後の成長は他のサービス、とくにLive119の売れ行きにかかっています。

業績予想を保守的に出す会社であり、1Q決算の数字からクラウド事業の伸び幅を推測すると、少なくとも今期の業績予想は達成できるだろうし、期中で上方修正を出すのも期待できると考えます。しばらくは今のポジションを保有しつつ、Live119などの他サービスの状況を見て、導入が順調に進むようであれば継続して保有し、だめそうなら手じまいというのが自分の方針です。

勉強会で使った資料はこちらです。ファイルのダウンロードはここからどうぞ。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 127,155,506円
  • 前日比 +1,195,819円 (+0.95%)
  • 月初比 +4,246,592円 (+3.46%)
  • 年初比 +37,618,316円 (+42.01%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2020/10/2 チェンジがクラッシュする

今週の資産推移は+0.7%(+80万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-1.5%、マザーズ指数が+1.2%と指数に対してまちまちでした。

激動の1週間でたくさんの出来事がありました。まず月曜日にチェンジがクラッシュ。+2%の寄りから直線的に下げてS安に張り付いて引けました。何の材料もなく時価総額3903億の銘柄がこんな値動きをするのかよ。このところの新興相場を象徴する銘柄なだけにモメンタムで上げてた銘柄が幅広く売られて、自分のポートフォリオでは日本電子材料-6.6%、アートスパーク-3.6%がまきぞえになりました。ただ当日はTOPIX+1.7%と相場全体としては堅調だったため、新興崩壊って感じでもなく、マザーズ指数は-1.6%で引けました。

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その後もチェンジは今週-32.7%と売り込まれましたが、それが新興全体に波及することはなく、マザーズは今週プラスで終わりました。警戒していたことが起きたのに大したことにならず、これで下げないならどうしたら下げるのか、これなら新興バブルはまだまだ続くのではと思ったし参加者はだいたいみんな同じことを思ったのでは。海の向こうでもテスラが急落してもさして他に波及しないし、今はそういうものなんでしょうかねえ。それでもまだ警戒感は持っていますが。

木曜日には東証がシステム障害で終日取引停止。この日は寝坊して10時前に起きて、ツール起動してなんかレートが出ていないな? と思ってTwitter見て事態を知りました。寝坊なんて年に3回くらいしかしないのに、なぜこんな面白い日にやらかすのか。あるはずの日に相場がないと臨時休校みたいな感じで開放感があります。NYSEも2015年に全銘柄取引停止をやらかしており、この手の障害はどうしても起こるものです。

www.nikkei.com

あとなんか金曜には14時頃にトランプのコロナ陽性が伝わって指数が1%くらい急落しました。

www.nikkei.com

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 120,928,225円
  • 前日比 -1,980,689円 (-1.61%)
  • 月初比 -1,980,689円 (-1.61%)
  • 年初比 31,391,035円 (+35.06%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2020/9/25 マザーズ指数が1200を超える

今週の資産推移は+1.2%(+141万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-0.7%、マザーズ指数が+1.9%と指数に対してまちまちでした。

4連休明けで水曜日からの3日のみ。月曜夜にダウが一時-900ドル下げて株クラに戦慄が走るも、週明けの東京市場は大して下げず今週も日本株は相対的に強かった。マザーズ指数も堅調でしたが時価総額上位の一部銘柄が引っ張る形で指数ほど良くはなかった印象です。チェンジやBASEが無限に上がるモメンタム優勢な状況が続いています。

jp.reuters.com

今週からプチIPOラッシュが始まりました。今回も高く寄る銘柄ばかりでほとんど触れていないですが、STIフードが公募価格の+9%と買える時価総額で寄ってくれたので買いました。SaaSの会社なら何でもOKみたいな風潮になっていて、公募価格の4倍、5倍の初値が当たり前になっています。トヨクモが時価総額480億なんてムチャクチャな話だとおもいますが、ぼくのほうが間違っているかもしれないし2~3年後に時価総額を見て答え合わせをしたいもんです。

今週の取引

2932 STIフード (-)

9/25(金)上場。寄りで2000株買って、場中にあと2000株買い足して持ち越しました。

ぼくの食生活は1/3くらいセブンイレブンに依存していて、食い物を買うとたいてい製造者をチェックします。ここの惣菜は総じてクオリティが高く(パッケージには新東京デリカ、新東京フーズという社名で記載されています)、買って失敗だったと思うことがまずありません。競争力のある製品を作っているとおもう。それで良い印象があるというのが第一の理由です。

「足元では生産が需要に追いついていない(日経のインタビュー記事)」状況で、大阪に工場を新設しようとしており、来期には生産能力4割増が計画されています。再来期にも既存工場の移設で生産能力増加をやるようなので、そこまでは売上の成長が見通せると思います。インタビューでは3年後に売上2倍とも言ってますがその実現可能性はよくわからず。また利益がどう伸びるかは不透明で、上場時の有報に記載された設備投資計画を足し合わせると20億くらい投資するようでそのコストがどう出てくるかによりそうです。

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www.nikkei.com

www.nikkei.com

同業他社を見るとどちらかというと評価の低いセクタですが、わらべや日洋が業績が落ち込む前の時期はPER18-22で時価総額400-500億くらいに評価されており、ここも利益が追いついてくるタイミングで同じくらいのPERが許容されて2倍かもうちょいくらいの時価総額になるイメージは持てると思います。

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 120,131,472円
  • 前日比 +2,611,404円 (+2.22%)
  • 月初比 +16,105,364円 (+15.48%)
  • 年初比 +30,594,282円 (+34.17%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2020/9/18

今週の資産推移は+6.7%(+749万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.6%、マザーズ指数が+4.3%と指数に対してアウトパフォームでした。

今週もマザーズは強かった。アメリカもFANG+は引き続き下げたもののキラキラSaaS銘柄は強いし、ダウナスが下げてもVIXその他に波及しないし、相場全体が崩れそうな印象はありませんでした。BASEやチェンジが今週も高値を更新してモメンタム優勢な状況が継続しており、乗れてない自分としてはそろそろ潮目が変わって欲しいところです。今週は指数を大きめにアウトパフォームしていますが、コーセルの決算ギャンブルで+135万取れたのと、アートスパークの+23.7%が寄与しています。

週末にソフトバンクMBOを検討しているというニュースがあり、ヘッジで売っている日経平均先物のうちソフトバンク寄与分を計算して、そのぶんだけ週明けに寄りで買うというヘッジのヘッジみたいなことをしました。「本当にこんな面倒なことをする必要があるのか。ヘッジとはいったい……」と思いますが、結局はポジションを持つ恐怖を軽減するための精神安定剤としてやっている側面が強いのでそこと向き合わないといけないんですよね。恐怖を感じずにでかいポジションを持てる人はそれだけで圧倒的に勝ちやすい立場にいると思います。

www.nikkei.com

金曜日に四季報が発売されました。前号を100ページくらいしか読まず放置してしまっていて、今回は最後まで通読するつもりです。4連休に半分くらいは進めたい。

今週の取引

3930 はてな (-342,854)

手じまい。9/11(金)に本決算発表があり、決算の内容を見て翌週の月曜日に全株を売りました。toCのWebサイトは広告単価が回復せずアクセス数(ユニークブラウザ数)も低下、toBのWebメディアは平均売上下落で減収、Macharelは成長鈍化と期待外れの内容でした。好調なのはマンガビュワーくらい。この銘柄は今はMackerelの成長に期待して保有している人が多いと思われ、Mackerelの成長鈍化が特にネガティブでした。

Mackerelは期初の目標(顧客数1430増加)を53%しか達成できませんでした。このサービスは売上の絶対額がまだ小さく、むしろ目標を上回る成長が期待されていたと思います。決算説明資料ではコロナで展示会が中止されたことが理由に挙げられていますが、サービスの性質からしても価格からしても技術者の評判や認知度の向上で広まっていくサービスだと思っていて、またFY2020の上半期からすでにKPIの伸びがやや鈍化していたことを見ても、会社の説明には納得感が低いです。

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今後についても、広告単価の動向は外部要因ですし(いくらか回復するとは思う)、Webメディアの平均売上を回復できるかは疑わしいです。Webメディアの顧客は人材、不動産などシクリカルな業種の会社が多く、記事制作の意欲は景況感に左右されると思われます。資料にはFY2021下半期で106%まで回復することになっていて、これが業績予想に織り込まれているなら下振れのリスクがありそう。Mackerelの成長鈍化も含めてこれ以上保有できないと判断しました。ここを買い直すことは当面ないと思います。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 118,313,566円
  • 前日比 +2,539,414円 (+2.19%)
  • 月初比 +14,697,273円 (+14.13%)
  • 年初比 +29,186,191円 (+32.60%)
現物

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信用

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先物

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[今週のトレード] 2020/9/11

今週の資産推移は+2.4%(+260万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+1.2%、マザーズ指数が-0.4%と指数に対してアウトパフォームでした。

ダウナスは今週もけっこう怪しくて、火曜夜にはナスダックが-4.1%と急落するも、翌日のマザーズはわずか-0.6%でした。アメリカの動きに日本があまり相関しないし、週を通じて日本株は相対的に強かったです。1~2日下げる局面があっても毎回のようにあっさり戻すので慣らされてきている感じ。

テスラがS&P500採用の見送りもあってかクラッシュ気味に売られたんですが、それが他に波及するかというとそうでもなくて、FANG+はお付き合いで下げたけどそのぶん他のセクタが買われて循環している印象です。ヒートマップを見ても先週から引き続きリターンリバーサルをやっているように見えます。テスラが崩れたらここまで上げてきたアメリカ株全体に波及して日本株も道連れになってトレンド転換、みたいなイメージがあったんですがそうはならなかった。ヒートマップのキャプチャは1週間の値動きです。

www.asahi.com

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ラクスルが決算翌日にS高を付けたんですが、資料を見ると良い点があるものの業績予想はコレで個人が飛びつくような内容じゃなくて、時価総額から言っても機関投資家が買い上げた値動きと思います。新興銘柄がこれだけバブルっぽいわりに信用買い残はさほど増えておらず(年初と比較するとほぼ同じ水準)、買いの主体は思ったほど個人じゃないんでしょうね。

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今週は決算向けの建玉を整理しつつ、代わりにあまり気合いの入ってないポジションを建ててます。ポートフォリオを大きくいじるつもりはないですが、もう少しアフターコロナの割合を増やしたいと思っています。

今週の取引

4187 大阪有機化学工業 (-)

2ヶ月前に手じまったのを買い直し。

ナフサ価格が6月、7月と低めで推移しており、少なくとも次の四半期決算は材料安の恩恵が続きそうということと、自動車工場の稼働が回復しているというニュースをちらほら見ており、2Qまで不調だった化成品セグメントが足下で持ち直してる期待が持てることから買いました。自分が売った株価から15%くらい調整していて買いやすかった。3Q決算をまたいで、その後は決算内容をみて考えます。

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ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 111,238,201円
  • 前日比 +640,308円 (+0.58%)
  • 月初比 +7,212,093円 (+6.93%)
  • 年初比 +21,701,011円 (+24.24%)
現物

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信用

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先物

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[投資本]楽天IR戦記 (市川 祐子)

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楽天のIR担当を2005年から2017年にかけて務めた著者が時系列に業務内容を振り返る本。個人投資家からは見えづらい機関投資家とのコミュニケーションが具体的に書かれておりおもしろく読みました。TBS買収(未遂)などの大きな出来事で社内がどう動いたかも描写されています。

「公募は企業の負担が大きいため第三者割当増資が選択されやすい」と以前読んだ本に書いてあって、そのときはピンとこなかったのですが、本書で公募増資のために海外機関投資家向けのロードショーをやったときの記述を読むと実感が湧きます。短い期間でニューヨーク、ボストン、ロンドン、エジンバラと回って1日に7件もアポイントを入れ、時間が足りないからランチミーティングもやってタフな三木谷社長疲労困憊。本書を読むと社長に限らず役員クラスまでもIRに大きな時間を割いており、楽天のような資金需要の大きな企業だからということもあるんでしょうが、上場企業が投資家とのコミュニケーションにいかに大きな労力を費やしているかわかります。

他にも機密情報が何者かのリークで漏れて、新聞記者を押さえている間に急いで開示を出したり、業績予想を非開示にしたら東証に呼び出されて出すように要求されたり(でも結局は出さずに通した)、ところどころ面白い場面がありました。

ところで著者はIRのミッションを「株を買ってもらうこと」と言い、接触した機関投資家について彼らは株を買ってくれた、買ってくれなかったとたびたび記載します。自分は「自社の姿を的確に伝えること」がミッションなんだと漠然と思っていたんですが、そうじゃないんだなあと気付かせてくれたのが本書の一番の価値でした。

IRは、「株を買ってもらうこと」を日々の目標としており、究極の目的は資金調達であると私は考えています。

市川 祐子. 楽天IR戦記 「株を買ってもらえる会社」のつくり方 (Kindle の位置No.12-13). 日経BP. Kindle 版.

[今週のトレード] 2020/9/4 バフェット商社を買う

今週の資産推移は+9.2%(+916万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが+0.7%、マザーズ指数が+5.4%と指数に対してアウトパフォームでした。

8月の資産推移は+20.4%(+1766万)でした。同期間のマーケットはTOPIXが-0.1%、マザーズ指数が+17.1%と指数に対してアウトパフォームでした。

先週金曜日に安倍首相が辞任したと思ったら週明けにはもう総裁選の趨勢が決まって不確実性が消滅、日本株はたった1日で全戻しとなりました。金曜日に投げなくて本当によかった。あとはバフェットが日本の総合商社をバスケット買いしました。第一報を8時40分くらいにTwitterのタイムラインで見て、三菱商事伊藤忠を寄りで小さく買って10分後には売って+2万くらい。振り返るとこれほどのニュースバリューなのだからもっとたくさん買って保有時間も引っ張れたはずで、こういうニュースに反応するタイプの短期トレードはなかなか上手くなりません。

www.nikkei.com

木曜夜にアメリカ市場が崩れてテスラ-9%を筆頭に先導株が総崩れとなり、こりゃ日本のモメンタム株も暴落すると思ったらたいして下げなかった。全体的に寄りから値を保ったし、指数で見てもダウ-2.17%、NASDAQ-4.98%に対して日経平均-1.11%、マザーズ-2.61%と日本市場は強かったです。他を見るとVIXが跳ねたくらいで金利コモディティはさほど動かず、アメリカ株にしても旅行やアパレルはむしろ上げたのでごく短期のリターンリバーサルで終わる可能性も高そうです。金曜日はポートフォリオからモメンタムで上げていた銘柄、直近で大きな出来高を付けていた銘柄を減らして、BuySell(3200株→1200株)、駅探(10000株→ゼロ)、明治機械(14000株→12000株)、あとは決算ギャンブル向けのポジションで不安なやつも落としました。これが正解かはまだわかりませんが、やっぱり直近IPO筆頭に小型新興はいつクラッシュしてもおかしくないと思ってます。

www.bloomberg.co.jp

ポートフォリオ

サマリー
  • 評価額合計 108,633,709円
  • 前日比 -237,775円 (-0.22%)
  • 月初比 +4,607,601円 (+4.43%)
  • 年初比 +19,096,519円 (+21.33%)
現物

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信用

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先物

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